3カ月くらい前に偶然見かけた記事ですが、俳優の鈴木亮平さんが「日本は韓国に20年くらい差をあけられた」と話されたそうで。
そして、大沢たかおさんが日本は「なんで先をどんどん急ぐのだろう。クオリティーとかお客さんに喜びや感動を伝えることよりも、とりあえずドラマの完成品を作る方が優先されてる」とそこが合わなくなったので海外にシフトされたそう。
韓国の製作費はドラマで1億。2億を超えるものもあるとか。日本は3000万。監督は満足できる映像が撮れるまでこだわることが出来、細部にまでこだわり、高い完成度を誇ることが出来ると。
質の高い韓国のドラマ業界にNetflixは昨年3800億円の投資をし、更に高品質な作品が次々と生み出されているそうです。
大沢さんの「なんで先を急ぐのか」「とりあえず完成品を作る方を優先」
を読み、あ~、ピアノと同じだと思いました。
高品質を目指すには練習環境の問題が関わってくると思いますが、質の良い音で弾くことを目指すのは誰でもできます。
よく耳にする「基礎をしっかり」は音符やリズムが分かることではなく、それは当たり前で、楽器にはどうすれば良い音が出るかという出し方があります。
ピアノで鍵盤を押すは、管楽器は吹けばいいんでしょ、弦楽器は弓でこすればいいんでしょ、と言っているのと同じで、それでは綺麗な音にはなりません。
安っぽい音ではなく、質の良い音は習い始めから教えることも習得することもできます。
ただ、それは今日やって明日できるものではありません。時間がかかります。耳と脳と体を作るからです。それを作るためには美しいと感じるセンスとより良くなろうと思う向上心が必要です。
日本のピアノ教育はアジアでトップだと未だに勘違いされているかもしれませんが、少なくとも10年前には韓国、中国に追い越されています。ヨーロッパから見たら何周遅れかわからないくらいです。
とりあえず完成品を作れば良いと進めてきた日本のドラマが、学芸会レベルとか安っぽいと言われているのに対し、韓国は質にこだわった結果が現在の差を生んだことを考えると、日本のピアノ教育も気付かなければいけないのではないでしょうか?
生産性が低く成長できない日本の経済は、今後もっと縮小していく可能性が大きいです。過去にできていたことができなくなります。大したことをしなくとも恵まれていた恩恵がなくなります。
私なぞはその恩恵を受けて生きてきた世代です。
しかしもうその時代はおそらく終わります。既に終わったのかもしれませんが。
これからは本物を身に付け、それを磨いて行くことです。
100均やプレハブの間に合わせではなく、長く使えるものを渡すことが大人が子どもたちにすべきことではないでしょうか。
質にこだわることを恐れてはいけないし、怠ってもいけないと思います。