少し前に読んだ「日本人とリズム感」
そこに書いてあった、日本語は冠詞がないのでアウフタクトのリズム感がない。それで、呼吸をせずにいきなり拍の頭を目掛けて突っ込む、という話。
それから、言葉の音と音の間の粘着的なつながりがない、という話。
とても納得。
生徒さんたちの演奏を聞いていると、それがとても多いです。
もちろん私もそうです。
音と音の間の意識は持っているつもりでしたが、もっと強くそれを意識すると音楽の呼吸、フレーズの持つエネルギーの流れがはっきりと実感できます。
日本人の特性であろう、ひとつひとつ音を捉えてしまう癖。
次がどんな音の動きであるかによって、その音をどう弾くかが決まって来ると思いますが、それは練習によって曲の流れがわかれば体も動いてくると思って来ました。しかし、暗譜もし、長い期間弾いているにもかかわらず、呼吸と動きが循環していない様子を見ると、日本語から来る感覚というものを考えてしまいます。
音の前のほんの少しの呼吸と、音と音の間に着眼するだけで演奏がガラリと変わる可能性があります。
実際に、70代の大人の生徒さんがそうでした。
この生徒さんは結構難しい曲も弾いてきました。さらに、アメリカに住んでいらしたことがあるので英語が話せます。
冠詞があることによるリズム感と、音と音の間の発音が外国語は変化していくのでは、という話をし、その頃を思い出して!とやってみましたら、私があれこれ口を挟まなくとも演奏が変わりました。
小学生でも英会話を習っている生徒さんは少なくありません。
外国語がピアノレッスンで活かせるかもしれません。
気付かせてあげるだけで、変われることがまだまだあるものだと思いました。
私もやっているつもりで足りていませんでした。
思いがけなく出会った本のお陰で、またピアノを弾く楽しみができました。