ふむ道,小道,数多く

趣味いろいろ。2014/9に別ブログを合体したので、渾然一体となってしまいました(笑)

Crown in Darkness : (4)(5)

2008-09-14 10:08:13 | Athelstan・Doherty
そういや,今回はまだラナルフが出てきません。(彼はスコットランドへの旅の途中で脱落中とか。。)今度は,前回のように,住み慣れたロンドンで伝を頼って仕事するのとはまた違いますから,彼はどんな能力を発揮するのか,楽しみです。

場面はがらりと変わり。。
王が亡くなり,自分に王位が転がり込んでくるのではないかと,密かに期待している輩がいるようです。ブルース卿もそんな1人。

一方,スコットランドの主教ウィシャート氏。彼は女にだらしなかったアレキサンダー王を好きではありませんでしたが,王の死を悼んでいました。でも,妻を寝取られた領主達が王の命を狙っていても不思議はないと思っていました。あの日,Firth of Forthを渡ったのは王1人という事も,彼自身のスパイのお陰でわかっていましたが,それでも,王は殺されたのではないかと疑っております。

翌日,コーベットはベンスティードから呼び出され,エジンバラの城へ向かいます。ロンドンとエジンバラはかなり違う町なのだそうです。建物等も違うようですが,ロンドンは「dirty」エジンバラは「filthy」だそうで。(ノンネイティブには難しいぞ(^o^;))食べ物の残りかすや,こわれたchamber pot(室内用トイレ)や,動物の死骸が散乱しているのだそう。(あれ?ロンドンもそんな所じゃなかったっけ?(笑))どちらにしても,中世ヨーロッパの都会は汚そうですねぇ。。(汗)

城に入った所で,突然人々の大混乱に巻き込まれ,どうしたら良いかわからずおろおろのコーベット。そこへイングランドの外交官であり司祭であるベンスティードが登場します。この人の外見,なんだかクランストン卿に似ております。(顔が丸いと書いてあって体も丸いとは書いてないのですが(笑))

ベンスティードは,コーベットがスコットランド王室の状況に興味を持っていると見るや,最近イングランド王に宛てて書いた手紙のコピーを見せてくれます。そこには,前王が亡くなった状況,今後発生すると予測される跡目争いの状況(時節柄,最近某国の支配者の重病により,急に後継者問題が浮上している状況を思い出します(^^;))についての説明が細かくされていました。

ちなみに,当時のスコ国では,王位は前王に最も近い血縁の男子によって継がれるのが通例なのだそうですが,現時点で王位を継承する事になっているのは,前王の意思により,ノルウェー王室に嫁いだ娘(アレキサンダーには二男二女がいましたが生き残っているのはこの娘1人)の長女で3才のマーガレットです。しかし「前王に最も近い血縁の男子」,いずれもアレキサンダー3世の大叔父ディビッドの子孫で,ジョン・ベイリオルジョン・カミンロバート・ブルース等が跡目争いに絡もうとしていました。歴史上は,やがてこのどさくさにつけ込んだイングランド王エドワード1世を巻き込んでの醜い争いに発展する事になります。皆さんそれぞれどうなったのか、興味ある方はリンク先のWikipediaをお楽しみ下さい。

ところで,コーベットが呼び出された理由は,ウィシャート司教が当時エジンバラ周辺にいた「外国人」を召還したからです。ベンスティードはコーベットに,スコットランド人は前王の死について外国人による介入を好まないので,興味があるなら賢く振舞うよう,注意します。


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