The Kite Runner 価格:¥ 1,694(税込) 発売日:2004-04 |
Babaは判事だった父に似ず、商売で叩き上げ、強力なカリスマ性を持った男性だったそうです。また「クマと戦った事がある」のだそう。それでオコンクォを思い出したのね。もっともオコンクォが戦ったのは「ネコ(Amalinze the Cat)」でしたが。(笑)
AmirとHassanは仲良しです。Amirは弱虫で自分で自分を守る事もできない情けない奴ですが、HassanはAmirがちょっといじめられた時にも矢面に立つ勇敢な男の子でした。Babaはそれをこっそり窓から見ていて、いつも一緒にいるビジネスパートナーで親友のRahim Khanに"There is something missing in that boy."とぼやきます。これまた、長男のンウォイェが男らしくない事に苛立つオコンクォを思い出させるのでした。(汗)
AmirはBabaが自分をかわいがってくれないのは、母が死んだのが自分のせいだと思い込んでいました。それで、なんとか父に認めてもらおうと一生懸命です。これは普遍テーマですね。LOTRの、とある父子の関係を思い出します。
近所には、Assefという、ドイツ人を母親に持つ金髪の少年が住んでいました。彼はいつも2人の子分を連れ、子供たちをイジメていました。そうそう、このAssef、ドラコ・マルフォイと、ダッドリーを合わせたような奴です。(笑) 彼はアフガンはパシュトゥーンの国だと主張。ヒトラーに心酔していて、いつか第2次大戦前のドイツのようになる事を夢見てます。なので、彼はハザラのHassanはもちろん、ハザラに差別意識のないAmirも攻撃の対象と見ます。ホントにドラコですね。(苦笑)しかしHassanは主人Amirを守る為に、勇敢にも得意のパチンコでAssefの目を狙いながら脅し、追っ払います。
そして運命の凧揚げ競技会の日。アフガン式の凧揚げは、相手の蛸じゃない凧を切れば勝ちというルールですが、さらに、切られて落ちた凧を拾うのが、凧揚げで勝つ以上の名誉とされました。落ちた凧を追って走るのが、「Kite Runner」です。Hassanはその凧拾いの名人でした。その日、AmirとHassanが挙げた凧が丸1日かけて最後まで残って優勝。Babaも大喜び、ついにAmirを自慢の息子と認めてくれたようです。そこでHassanは、"For you, a thousand times over!"(これが邦題のタイトルロール)と言い残し、相手の凧を拾いに走ります。
Hassanを捜しに出たAmir、何と、Assef達がHassanをレイプしている現場を目撃。。。しかし、Assefが怖くて、立ち去ってしまいます。
。。と、そこまでは、実は私は、怒ってませんでした。
そりゃ、親友を助けてあげられないのは、決して関心できる事ではないかもしれません。Hassanは、一生消える事のない傷を負ってしまったんだもの。でも、相手は怖い人達です。自分の力が及ばないのなら仕方ない、その後をしっかりサポートすれば。。。
ところがっ。
いかんのは、その後のAmirの行動です。
Hassanは、おそらく、Amirが見て見ぬふりをしていた事に、気付いたのでしょうか。(もし気付いてなかったとすると、その後のAmirの態度は、さらにヒドイ。)でも、Amirと友達であろうとするんですね。きっと許してくれたんでしょうね。だから、素直になれよAmir。でも、あろう事か、コイツは、Hassanに果物を投げつけるわ、邪険に扱うわ、無視するわ、挙句、Hassanに泥棒の疑いをなすり付けます。Aliが察して、BabaとAmirの下を去ります。Babaは、盗む事が唯一の罪と言っていたのに、泥棒の疑いをかけられたHassanを許し、Aliを泣いて引き止めますが。。
旧ソ連の侵攻があり、BabaとAmirは、パキスタン経由でアメリカへ亡命。パキスタンへ逃げる途中、一緒のトラックに乗った赤ん坊を抱いた若妻がソ連兵に犯されそうになった時、Babaは勇敢に立ち向かいます。Amirは、そんなBabaを、自分が1人ぼっちになりたくないから、引き止めるんですね。ここもお呆れポイントです。幸い事なきを得ますが。
アメリカに引っ越してから、裕福ではなくなり言葉も不自由しているはずですが、Babaはアメリカ生活を満喫してます。彼は周り中敵ばかりの中で国家を建設したユダヤ人を結構尊敬しているそうです。たまにキレる事がありますが、それは人間関係をIDで計るアメリカ社会の冷たさに落胆した時と、ロシア系の人に会った時。
Amirはやがて、アフガンコミュニティのフリーマーケットで、Sorayaという女性と知り合います。この辺、ちょっと、中だるみ(笑)でしたが、ここでチェーンスモーカーBabaを突然肺ガンが襲い、またまた一挙に、次が心配でどんどん読み進める生活に。
多少は逞しくなったかと思ったら、父の病気宣告で、Amirここでまたまたアホなセリフを暴露。「ボクはどうするの?!」おいっ! 「それを言わせない教育をしてきたはずだろ!わからんのか!」とBaba。ったく。病院から家まで、きっちりタバコを吸いながら帰るBabaはある意味、「男」だね。
ともあれ、Sorayaとの結婚話は順調に進み、とにかくBabaの先がない(泣)という事で、婚約期間を設けずいきなり結婚。義父の世話をかいがいしくするSoraya。ホッセイニさん曰く、Babaの死のシーンは泣きながら描いた、のだそう。またまた、シリウスの死を泣きながら描いたローリング女史と重なります。Babaは生涯クマと戦い続けた、そうです。そうだ、こぐまのミーシャと戦ったね。(それが言いたくて、クマだったんだな(笑))合掌。
AmirとSorayaには長い事子供はできませんでした。
というのが、前半。
1970年代のアフガンが生き生きと描かれていて楽しかったです。Hassanの純真さも良く、Amirのアホっぷりに呆れ(笑)、アフガンの結婚の習慣を楽しみました。