ふむ道,小道,数多く

趣味いろいろ。2014/9に別ブログを合体したので、渾然一体となってしまいました(笑)

The Kite Runner (5) 前半の感想その2

2008-10-05 11:40:17 | 読書
The Kite RunnerThe Kite Runner
価格:¥ 1,694(税込)
発売日:2004-04


Babaは判事だった父に似ず、商売で叩き上げ、強力なカリスマ性を持った男性だったそうです。また「クマと戦った事がある」のだそう。それでオコンクォを思い出したのね。もっともオコンクォが戦ったのは「ネコ(Amalinze the Cat)」でしたが。(笑)

AmirとHassanは仲良しです。Amirは弱虫で自分で自分を守る事もできない情けない奴ですが、HassanはAmirがちょっといじめられた時にも矢面に立つ勇敢な男の子でした。Babaはそれをこっそり窓から見ていて、いつも一緒にいるビジネスパートナーで親友のRahim Khanに"There is something missing in that boy."とぼやきます。これまた、長男のンウォイェが男らしくない事に苛立つオコンクォを思い出させるのでした。(汗)

AmirはBabaが自分をかわいがってくれないのは、母が死んだのが自分のせいだと思い込んでいました。それで、なんとか父に認めてもらおうと一生懸命です。これは普遍テーマですね。LOTRの、とある父子の関係を思い出します。

近所には、Assefという、ドイツ人を母親に持つ金髪の少年が住んでいました。彼はいつも2人の子分を連れ、子供たちをイジメていました。そうそう、このAssef、ドラコ・マルフォイと、ダッドリーを合わせたような奴です。(笑) 彼はアフガンはパシュトゥーンの国だと主張。ヒトラーに心酔していて、いつか第2次大戦前のドイツのようになる事を夢見てます。なので、彼はハザラのHassanはもちろん、ハザラに差別意識のないAmirも攻撃の対象と見ます。ホントにドラコですね。(苦笑)しかしHassanは主人Amirを守る為に、勇敢にも得意のパチンコでAssefの目を狙いながら脅し、追っ払います。

そして運命の凧揚げ競技会の日。アフガン式の凧揚げは、相手の蛸じゃない凧を切れば勝ちというルールですが、さらに、切られて落ちた凧を拾うのが、凧揚げで勝つ以上の名誉とされました。落ちた凧を追って走るのが、「Kite Runner」です。Hassanはその凧拾いの名人でした。その日、AmirとHassanが挙げた凧が丸1日かけて最後まで残って優勝。Babaも大喜び、ついにAmirを自慢の息子と認めてくれたようです。そこでHassanは、"For you, a thousand times over!"(これが邦題のタイトルロール)と言い残し、相手の凧を拾いに走ります。

Hassanを捜しに出たAmir、何と、Assef達がHassanをレイプしている現場を目撃。。。しかし、Assefが怖くて、立ち去ってしまいます。

。。と、そこまでは、実は私は、怒ってませんでした。
そりゃ、親友を助けてあげられないのは、決して関心できる事ではないかもしれません。Hassanは、一生消える事のない傷を負ってしまったんだもの。でも、相手は怖い人達です。自分の力が及ばないのなら仕方ない、その後をしっかりサポートすれば。。。

ところがっ。
いかんのは、その後のAmirの行動です。
Hassanは、おそらく、Amirが見て見ぬふりをしていた事に、気付いたのでしょうか。(もし気付いてなかったとすると、その後のAmirの態度は、さらにヒドイ。)でも、Amirと友達であろうとするんですね。きっと許してくれたんでしょうね。だから、素直になれよAmir。でも、あろう事か、コイツは、Hassanに果物を投げつけるわ、邪険に扱うわ、無視するわ、挙句、Hassanに泥棒の疑いをなすり付けます。Aliが察して、BabaとAmirの下を去ります。Babaは、盗む事が唯一の罪と言っていたのに、泥棒の疑いをかけられたHassanを許し、Aliを泣いて引き止めますが。。

旧ソ連の侵攻があり、BabaとAmirは、パキスタン経由でアメリカへ亡命。パキスタンへ逃げる途中、一緒のトラックに乗った赤ん坊を抱いた若妻がソ連兵に犯されそうになった時、Babaは勇敢に立ち向かいます。Amirは、そんなBabaを、自分が1人ぼっちになりたくないから、引き止めるんですね。ここもお呆れポイントです。幸い事なきを得ますが。

アメリカに引っ越してから、裕福ではなくなり言葉も不自由しているはずですが、Babaはアメリカ生活を満喫してます。彼は周り中敵ばかりの中で国家を建設したユダヤ人を結構尊敬しているそうです。たまにキレる事がありますが、それは人間関係をIDで計るアメリカ社会の冷たさに落胆した時と、ロシア系の人に会った時。

Amirはやがて、アフガンコミュニティのフリーマーケットで、Sorayaという女性と知り合います。この辺、ちょっと、中だるみ(笑)でしたが、ここでチェーンスモーカーBabaを突然肺ガンが襲い、またまた一挙に、次が心配でどんどん読み進める生活に。

多少は逞しくなったかと思ったら、父の病気宣告で、Amirここでまたまたアホなセリフを暴露。「ボクはどうするの?!」おいっ! 「それを言わせない教育をしてきたはずだろ!わからんのか!」とBaba。ったく。病院から家まで、きっちりタバコを吸いながら帰るBabaはある意味、「男」だね。

ともあれ、Sorayaとの結婚話は順調に進み、とにかくBabaの先がない(泣)という事で、婚約期間を設けずいきなり結婚。義父の世話をかいがいしくするSoraya。ホッセイニさん曰く、Babaの死のシーンは泣きながら描いた、のだそう。またまた、シリウスの死を泣きながら描いたローリング女史と重なります。Babaは生涯クマと戦い続けた、そうです。そうだ、こぐまのミーシャと戦ったね。(それが言いたくて、クマだったんだな(笑))合掌。

AmirとSorayaには長い事子供はできませんでした。


というのが、前半。
1970年代のアフガンが生き生きと描かれていて楽しかったです。Hassanの純真さも良く、Amirのアホっぷりに呆れ(笑)、アフガンの結婚の習慣を楽しみました。


The Kite Runner (4) 前半の感想その1

2008-10-05 10:18:46 | 読書
The Kite RunnerThe Kite Runner
価格:¥ 1,694(税込)
発売日:2004-04


とりあえず、前半の感想を書いてみます~。実在人物と本の登場人物の生まれ年が交錯しているので、注意しましょう。(笑)

著者のカーレド・ホッセイニは、1965年カブール生まれ。タジク系なのだそうです。父は外交官で、1970年代イランやフランスに住みますが、旧ソ連のアフガン侵攻により亡命を決意、1980年代からアメリカに住んでます。

J.K.ローリングと同世代ですね。以前やはり同世代(1つ上)のダン・ブラウンに、論理的でわかりやすいという共通点を見ましたが、カーレド・ホッセイニも同様の共通点を持っておりますね。またそれ以上に。。。。おいおい紹介して行きましょう。(^o^;) まずは箒少年物語と同様、前半のお話、ちょっとしたエピソードの多くが、後半の伏線となりますので、見逃してはいけません。

主人公のAmirは、1963年カブールの裕福なパシュトゥーンの家に生まれました。父であるBabaは、1930年アフガニスタン最後の国王ザーヒル・シャーの治世が始まった年の生まれだそうです。Babaの父は判事だったそうですが、彼が6才の時に強盗に殺されてしまいます。その事があってBabaのモットーは、「唯一の罪は『盗む』事、物を盗む事はもちろん、殺人は人の命を盗み、家族の権利を盗む、うそを付く事はうそに巻き込まれた人の権利を盗む」なのだそうです。

Babaは良家の美しいお嬢さんと結婚。彼女は国語の先生で、本をたくさん持っていましたが、Amirを生んだ時肥立ちが悪く亡くなってしまいます。

Babaの父は、生前家の前で殺されたハザラ人夫婦の子供を引き取り、Babaと一緒に育てて家の召使としました。それがAliです。BabaとAliは、兄弟のように一緒に育ちました。Aliはポリオの後遺症でまっすぐ歩くのも困難で、近所の人達にイジメられますが、Sanaubarという、いわゆるあばずれを嫁にもらいます。Sanaubarは、Amirが生まれた1年後にHassanを生みますが、その日に駆け落ちしてしまいます。

ここで、パシュトゥーンとかハザラとかタジクとか、いろいろ出てきたのでちょっとお勉強です。実はアフガニスタンは、他民族国家です。

42%を占めるパシュトゥーンは、アフガニスタン南部からパキスタンにかけて住む人達で、彫りが非常に深く、外見的にはおそらく日本人から最も遠い民族(笑)の1つ、通常アフガン人と言われて思い浮かべるのはこの人達ですね。Baba、Amir、Rahim Khan、いじめっ子Assef(ハーフだが)等がここに所属します。また、王家やカルザイ大統領等、偉い人の多くがこの民族です。言いたくありませんがタリバンもこの民族中心です。実は今回この本を読んでいて、非常にびっくらこいたのは、彼らは外見から白人に近いというのはわかりますが、目の色がアジア人標準の黒っぽい茶色ではなく、緑色の人がいるんですね。宗教的にはほとんどがスンニ派のイスラム教徒となります。(例外もいるそうですが)

で、次は先に第3位を占めるハザラ人行きます。ハザラ人はアフガニスタンでは人口の9%で、アフガニスタン中央部、及びイランに多く住む民族です。外見的にはパシュトゥーンとは全く違い、モンゴル系です。大変かわいらしい人が多いですね。(髭を生やした大人の男は例外っ(爆))この人達は、19世紀に戦争でパシュトゥーンに負け、以来(外見が違うからわかり易いというのもあるのでしょうが)差別を受けています。宗教はシーア派イスラム教徒です。実は、シーア派とスンニ派の違いを、こんなにわかり易く説明してもらったのは、この本が初めてでした。ハザラは裕福なパシュトゥーン人の召使として遣える人が多いですが、AliやHassanは、ハザラに差別意識を持ってない家のお坊ちゃん方と一緒に育ったのに、やはり決して同等には扱ってもらえません。このパシュトゥーンとハザラの関係、こう言うと怒られてしまうかもしれませんが、私は、ハリポタの世界の、屋敷しもべ妖精を思い出してしまいました。(ここがローリング女史を思い出した理由の1つであります)

次は、この本には直接関係しませんが、第2位を占めるタジク人について。タジク人はその名の通り、タジキスタンに多く住む民族ですが、アフガニスタンの人口の27%を占めます。派手な外見のパシュトゥーンに比べ、渋い大人の魅力系の人達ですね。パシュトゥーンとはまあまあ仲良くしていたので差別されたりはしなかったようです。彼らもほとんどスンニ派です。ホッセイニ氏はこの民族に所属しているそうです。またタジク系アフガニスタン人の有名人と言えば、9.11前夜に暗殺されたマスード氏。彼は旧ソ連の侵攻後、一旦リーダーとなりますが、タリバンに追い出されるように一線から退き、2001年9月、自爆テロの犠牲になります。私は全く偶然、2001年9月11日のアメリカの現地時間の朝(あの事件の直前)に放送されたNPRのニュースを録音していて、彼が攻撃された(彼の死は9.11以降に公表)事が小さく報じられていたのを知り、ちょっと興味を持ったのでした。もし彼が政権を取っていたら、今世界は全然違っていたのかなあ。。タリバンの○ホに勝てなかったのは、多数派のパシュトゥーンじゃなかったからなのかなあ。。と密かに思ったりします。。。(泣)


The Kite Runner (3)

2008-10-04 09:58:21 | 読書
The Kite RunnerThe Kite Runner
価格:¥ 1,694(税込)
発売日:2004-04


今日はこの本の主な舞台、アフガニスタンについて、少しお勉強をします。

まずアフガニスタンの場所。わかっていたようでわかっていませんでした。この地図がわかり易いのでリンクします。西にイラン、続いて時計回りにトルクメニスタン、ウズベキスタン、タジキスタン、(ほんのちょい)中国、パキスタン、と、ぐるりと、よりによって恐い国々に囲まれております。

外務省海外安全ホームページでも、現在は決して物見遊山で渡航できるような状況ではありませんね

ところで、アフガニスタンというと、カブール以外にも、ジャララバード、バーミャン、カンダハル、のように、とても聞き慣れた地名が多く、特にスキー好きの私にとって、カンダハルもしくはカンダハーは、めちゃちゃヒットします。「カンダハーコース」というコースを持つスキー場が、いくつもあるでしょ? しかし何故、アフガニスタンの古都がスキーに関係あるのか? それはめっちゃ謎。しかも今調べようとすると、軍事関連の記事ばっかりヒットして、かなり困難。。。

でも、ようやくわかりました! こちらこちら。話は1880年の、英国とアフガニスタンの戦争にさかのぼります。この時、カンダハーを制圧した英国の軍人ロバート卿は、Lord Robert of Kandaharと呼ばれるようになります。

実はこのロバート卿はスキー好きで、1903年に当時まだマイナーなスポーツだったアルペンスキー学校の副校長になり、1911年には滑降の大会に彼の名前を冠し、それがまた後に、Kandaharだけが残るようになり、やがてアルペンスキーはメジャーなスポーツになり。。。、

それで、スキーに関するもろもろ、コース名とか、ビンディングとか、ショップの名前とか、に、「カンダハー」が使われるようになったんですねっ。

これはちょっとフクザツですねぇ。。。しかも、イギリスってアルペンスキーどころか、スキー自体が盛んな国ではありません。。。まったく、不思議な話です。

アフガニスタンのお勉強。。が何故かスキーになってしまいました。(笑)


The Kite Runner (2)

2008-10-04 08:18:05 | 読書
The Kite RunnerThe Kite Runner
価格:¥ 1,694(税込)
発売日:2004-04


半分読んだ所で、映画(邦題全然違うので注意(汗))

君のためなら千回でも スペシャル・エディション君のためなら千回でも スペシャル・エディション
価格:¥ 3,990(税込)
発売日:2008-08-22
も半分まで鑑賞。

さすがにアフガンだから字幕は日本語だろうと思って、うっかり英語(何故か私はそういうミスをする(爆))に設定してしまい、めんどっちいのでそのまんま観てました。

英語で原書を読んで英語の字幕、だったからわかったのですが、

この映画、原作にぴったんこ忠実です。
本で読んで想像した通りの風景が広がっていて超びっくりです。
映画と原作の関係は、私もこれまで度々いろいろブータレ(笑)てきましたが、ここまで正確に原作に忠実な映画は観た事ないねぇ。。

まあ、もちろん、全部は再現不可能なので、重要なセリフだけを紡いでいます。
なので、原作を読まずに映画を観た場合、感動できるのかどうか、若干、心配ではありますが。。

てことは、後半も忠実なんだな。。
と、思って、やっぱり、本を全部読んでから続きを観る事にしました。

1つだけ、明らかに原作と違っていたのは、SorayaがAmirに重大な事を告白するシーン。原作は電話でしたが。。

ともあれ、Hassanの純真さがたまらなくかわいいし、風景は美しいし、Babaはめっちゃカッコええし、アフガンの結婚の習慣にも心がなごみますっ。


アラフィコーベットとは?!

2008-10-03 06:36:27 | Athelstan・Doherty
これからいよいよメインの時代に突入、という事で、前にも書きましたが、今1度整理しようと思います。コーベットシリーズ。


  1. Satan in St. Mary's (1284)
  2. Crown in Darkness (1286)
  3. Spy in Chancery (1299)
  4. The Angel of Death (1299)
  5. The Prince of Darkness (1300)
  6. Murder Wears a Cowl (1302)
  7. The Assassin in the Greenwood (1302)
  8. The Song of a Dark Angel (1302)
  9. Satan's Fire (1303)
  10. The Devil's Hunt (1303)
  11. The Demon Archer (1303)
  12. The Treason of the Ghosts
  13. Corpse Candle (1303)
  14. The Magician's Death
  15. The Waxman Murders (1300)
  16. Nightshade (1304)


今回読んだCrown in Darknessで、コーベットは36才という事がわかりました。またラナルフは19才。つまり、コーベットは1250年頃、ラナルフは1267年頃の生まれという事ですね。次のSpy in Chanceryで、一挙に時代が変わり、それ以降はほとんどその辺りのお話になりますので、前から予告(笑)しておりますが、シリーズのメインでは、コーベットは50才前後、ラナルフは30代半ばという設定のようです。

現代では50才前後はまだまだ渋カッコいいというイメージですね。現在50才前後というと、あのヴィゴ・モーテンセンが、実は今月ずばりお誕生日を迎えますので、外見的には参考になるかなあ。ただ、比較的近い時代の一寸法師では、アラフォーのお母さんは露骨に老婆扱いだし、中世のアラフィは、一体どんな扱いを受けているのか、心配です。(汗)


The Kite Runner (1)

2008-10-02 21:29:11 | 読書
The Kite RunnerThe Kite Runner
価格:¥ 1,694(税込)
発売日:2004-04


さて、ようやく感想を書く事ができるようになりました。
既に半分読んでしまいました(笑)が、今日は感想をまとめている時間があまりないので、とりあえず、簡単に紹介。

この本は、レビュー等を見るとわかると思いますが、舞台はアフガニスタンです。主人公は、裕福なパシュトゥーンの家に生まれたAmir。AmirにはBaba(多分本名ではない)と呼ぶ父がいます。母はAmirを産んで亡くなり、Amirはそのせいで父に好かれてないと思い、負い目を負っています。

Babaの実家もまた名門でしたが、彼は商人として成功しています。彼はカリスマ的で、非常に男らしい人物。また、Babaの親友でありビジネスパートナーである、Rahim Khanという優しいおじさんがいます。

彼らの家には、ハザラ人の父子、AliとHassanが住み込みでお手伝い。HassanはAmirの親友です。

近所では、Assefという、ドイツ系混血の意地悪な男の子が、いつも2人の子分を連れています。


で、この主な登場人物達、何だか誰かに似ているよ~な気がして仕方がなかったのですが、ようやく発見。これだっ(笑)

Baba → オコンクォ
Amir → ンウォイェ
Hassan → イケメフナ
Rahim Khan → オビエリカ

にそっくりなんですね~。

で、Assefって奴ぁ、「2人の子分」で、ピン!と来たと思いますが(爆)ええ、そうです。眼鏡の箒少年の、敵だった、あの金髪のニクイ奴です。(笑)Assefはまた、ヒットラーに心酔していて、アフガンはパシュトゥーンの国だ!ヒットラーがどういう政策を取ったと思う~?、なんて言う辺り、あの金髪の奴に、とてもとても重なる部分があったり、します。


Crown in Darkness : 感想

2008-10-02 20:10:33 | Athelstan・Doherty
Crown in Darkness (A Medieval Mystery Featuring Hugh Corbett)Crown in Darkness (A Medieval Mystery Featuring Hugh Corbett)
価格:¥ 1,389(税込)
発売日:1991-02-11

コーベット第2弾、とても面白かったです~。
1巻も面白かったですが、かなり進化しておりました。

で、推理小説というよりは、スパイ小説でした。
アセルスタンシリーズなどは、ロンドンに土着(笑)だし、このシリーズも第1巻はロンドンでしたので、ロンドンを離れて、大丈夫なのかなあと思いましたが、どっこい、スコットランドの初夏を満喫できました。

そういえば、話は逸れますが、スコットランドの描写は、どことなくトールキン的でしたね。そうそうエトリックの森で出会った不思議な人達も。トールキンの小説は、英国(スコットランド含め)の伝統的な風景や民話伝承が基になっていたんだなあ、と、こんな所で気が付き、結構な収穫でした。

今回セリフらしいセリフがありませんでしたが(うん、確かに記憶にないぞ(汗))ラナルフがしっかり成長して、19才で既に結婚はしてるわ、剣は扱えるわ、という辺りもツボでした。次は、セリフあって欲しいですねぇ。

Firth of Forthというのは、フィヨルドなのだそうです。実は私は、エジンバラという地名は良く聞けども、そういう地形になっている事は全然知りませんでした。私はフィヨルド好きですので、機会あれば、是非行ってみたいと思います。

さて、今回で若いコーベットは終わりで、次からいよいよ、シリーズの中心的な時代に移るようです。このコンビ、一体どうなっているのか、大変気になりますねぇ。。。。という事で、次の読書は、シリーズ第3弾
Spy in Chancery (A Medieval Mystery Featuring Hugh Corbett)Spy in Chancery (A Medieval Mystery Featuring Hugh Corbett)
価格:¥ 1,389(税込)
発売日:1991-07-04

に緊急決定しました!

掟破り(爆)の同一シリーズ連続読書です。

と、言っても、今他に読まなきゃならない本が3冊あるので、すぐには読めませんが。(笑)


Crown in Darkness : (18)(19)

2008-10-02 19:52:53 | Athelstan・Doherty
コーベットは,エジンバラにウィシャートを訪ね,報告します。
しかし,今回その真実は辛いものです。ウィシャートは報告を聞くや否や,「危険なのは犯人ではない。そなただ。48時間以内にスコットランドを出るのだ。さもなくば,反逆罪で逮捕する。」

思わずブチ切れコーベット,聖書の一節"Put not your trust in Princes."(君主を信頼するモノではない,でいいのかな;そんな一節があるんだ(^^;))を唱えると,ウィシャートは慌てて「待て! 私はスコットランドを内戦に陥れないようにするのが精一杯なのだ。王は殺された。スコットランドの王でさえ危険な状況であるのに,イングランドの使者ならなおの事だ。私に何ができると言うのだ!(意訳)」(それにしても,当時の坊さんって国のリーダーにもなるほど偉いんだねぇ)

コーベットは,タガートの未亡人の面倒を見て欲しいと言い残し,足早に立ち去ります。

コーベットとラナルフは,セルカークを護衛に,ホーリールード修道院を,惜しまれながら(笑)出発。修道院からは「安全の為に」国境まで2人の修道士が付きました。

途中でバーネルと再会。バーネルは,今回の任務について,イングランド国王の承認を得ずに遂行したのは,実は彼自身,意外?にも,イングランド王エドワード1世の野望を快く思ってなくて,イングランドとスコットランドが仲良くする事を希望していたからなのだそう。(それってまた1歩間違えれば反逆罪モノ。。)

この後,エドワード1世は,スコットランドにあれやこれやと介入する事になるんですよね。。。

そして,犯人は。。。まあ,それは書かない事にしておきます;


Run!Run!Run!