デカダンとラーニング!?
パソコンの勉強と、西洋絵画や廃墟趣味について思うこと。
 



プロだって間違える。それは当然といえばそうなのだが、間違いが判明したあとのフォロー次第で、顧客が抱く印象がゴロっと変わることを実感した。

長い年数乗っているマイカーが異音を立て始めたのが2022年6月頃で、同年の11月のディーラーでの定期点検で「運転中に40km/hを超えると運転席の左前あたりからゴロロロロロと音が聞こえるようになり、その速度を下回ったら静かになる」と担当した整備士に症状を訴えた。その時の点検では、担当の人が試走しても音は聞き取れなかったので、それで点検は「済」ということになった。
2023年4月末に受けた点検でも同じことを訴えたが、試走で音は確認できなかったとその時の担当者。
同年11月末の点検の頃に至ると異音は大きくなっていて、さすがにその時の担当整備士の人にも音は確実に聞き取れたようで、異音を発する個所の修理の見積りを出してくれた。故障個所はCVT(無段変速機)で修理するとなると44万円強と見積書を出されたので、精神的に打ちのめされたような気持ちになった。整備士の横にいた営業担当の人が「それだけの修理費がかかるのであれば、その分を新車の頭金にされたらいかがでしょうか?」と言った。家族と検討すると言ってその場を辞した。
ただ、私の感覚ではもしCVTに異常が有ったら加速やギヤチェンジでの減速自体に明らかな問題が生じるのではないか、100km/hを出す機会が有っても加速に異常は無かったし、そのつじつまの合わなさがずっと引っかかっていた。
今年(2024年)の5月の定期点検では、もう異音について私から何も言わなかった。担当した整備士からは特に何も言われず型通りに点検が終了した。
今月の点検で、初めて(これまでの担当とは別の人の)整備士から、「前の車輪やハンドルに変な音や振動がありませんか?このまま放っておくと足回り(車輪を繋ぐ個所やその周囲)が故障して重大なことになります」と忠告を受けた。腑に落ちた。具体的には左フロントハブベアリング異音でそのベアリングの交換を早めにした方が良いとのことで、修理の見積りを出してくれた。3万7000円弱だった。その日のうちに、翌週の修理の予約をした。
先日、左フロントハブベアリング異音の修理が終わった。見積額以上の費用は発生しなかった。車は新車みたいな静けさを取り戻した。思った、「44万円の見積りって何だったん!? 十分の一以下で済んだじゃん」。
私の中で、ディーラーと異常個所の戦いの5戦中1勝4敗でディーラーが敗退した。ディーラーに対する信頼度はかなり落ちた。同じディーラーの整備士の中でもピンキリがあるのは現実とはいえ、客が車の症状について訴えていることに対して、原因を特定するのに2年もの歳月を跨いで5回もの点検を経たのは拙すぎだろう。
抱いている不信感は二つある。44万円の見積りのまま仕方なく「修理お願いします」と言ってしまった場合、「検査した結果、CVTでなく左フロントが原因で、44万円でなく4万円未満で修理できます」という誠実な答えが返ってきたかどうかだ。まさか本当の原因が判明していても、それを握り潰して44万円の請求をされたあげく異音は残り続けたのでは?といったことを考えてしまうとどうしてもそれに囚われてしまう。なぜなら昨年末や1月に不正問題で散々騒がれていたようなこともあるからだ。
もう一つは(44万円の見積りを出した整備士の技量に対してもあるのだが、)営業担当の人の「それだけの修理費がかかるのであれば、その分を新車の頭金にされたらいかがでしょうか?」も影響しているだろう。つまり新車への買い替えを促すためにその見積書を突きつけたのでは?という不信感で、もしその時に気持ちの面で流されていたらと思うとゾッとする。
44万円の見積りを出した整備士の人はかなり若かった。なので2023年11月の時点ではいくら勉強していようが経験が浅く見立てが外れてしまった可能性はあるので、技術的なマニュアルだけでなく客とのコミュニケーションのFAQをさらに洗練させて欲しいが、やっぱり担当した人がすべての責任を負える程度の症状と、別の整備士でベテランの人が同じ見立てをするのかどうか訊いたほうがいいような症状とは、きちんと区別した方がいいのではないか思った。病院にかかったときに、そこでの診断結果に納得がいかず別の病院にかかって本当の病名が分かるような、つまりはセカンドオピニオンやチェック機能がしっかりしていれば、その場で真の原因を特定できていた可能性は高いし、私のような者から1勝4敗などといった誹りを受けずに済んだろう。
営業担当の人は「それだけの修理費がかかるのであれば、その分を新車の頭金にされたらいかがでしょうか?」と私に言った日のことは覚えていなかった。そりゃ一人で何十人もの客を担当しているわけだし仕方ないが、私が訴えた車の症状について、組織力を高める上でもせめて書類上の連携だけはしておいていただきたかった。


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