ひとりレンタカー遍路で愛媛県入りしたその日は、私にとって特別な日でした。
松山空港まで夫を迎えに行き、3日間のふたりでお遍路スタートです。
ここまで来るには、全く興味もない夫に、何か月も粘り強くお願いして大変でした。
どうしても連れて行きたい宿坊があったのと、夫にも四国遍路というものがどういうものなのか理解を深めてもらいたい一心からでした。
朝、松山空港に夫を迎えに行き、46番から54番を逆に打ち、58番仙遊寺宿坊入りしたのは、すでに18時半くらいになってしまいました。
お遍路をひとりで回るのと、ふたりで回るのとは随分違うものです。
ひとりの時は自分の内面に深く深く入りこんで、何かを考えている。
ところがふたりで遍路していると、夫はせっかく四国に来たのだから美味しいものを食べたいとか、つまらないから早く引き上げようとか、来なければよかったとか・・・。
さっぱり「お遍路」に集中できず、気持ちが翻弄されて、なんだか観光に来たような気になってくるのでした。
無理やり強いられて夫としては嫌だったと思いますが、頑張って辛抱してくれたのはありがたいものです。
さて、仙遊寺さんのお部屋に案内されました。
彼にとっては「宿坊デビュー」です。
ユニットバスも付いていて贅沢なお部屋でした♪
食堂ではすでに、お遍路さんたちが食べ終えたころでした。
仙遊寺は本格的な精進料理が有名です!
美味しいんですよね、本当に。
新鮮なお野菜と、丁寧な調理法で本当に素材同士がその特徴を生かしあって、素晴らしい味に仕上がっています。
特にこのおすましなどは、上品です!
お肉もお魚もない食事ですが、私はこういう食事は毎日でも大丈夫ですね。
好きです♪
胃に負担なく、食べ続ければ元気になって、考え方もpositiveに変わってきそうです。
朝ごはんに朝粥お代わり何度でもできます。
美味しいお粥でした♪
お味噌汁も美味しくて、素敵な朝食でした!
数日この宿坊に滞在したら、体がとても良くなりそうです。
仙遊寺さんの朝のお勤めは6時から。
宿泊しなくても参加はできるようです。
今回の宿泊で2回目でしたが、住職様のお話がとても深くて、今回もいろんなことを考えさせられました。
住職様は仙遊寺に夫婦でいらっしゃって、このお寺に大変尽力され、並々ならぬ努力を積み上げてこられたというお話は感動的でした。
車道を作り、温泉の採掘、境内の整備、宿坊のこと・・・人生をすべて捧げて来られたその在り方は、本当に素晴らしいと思いました。
「生きるってどういうことを意味するのだろう?」とか「私なりのこの後の生き方がどうあれば、死に至る瞬間に満足できるのだろう?」とかそんな課題を頂いた気がします。
住職さまは少し体調を崩されているようで、お体が心配です。
「来年になったら、また来ますね」とお約束しました。