1982年(高校時代)
大久保は、今夏の甲子園で池田に逆転負けしたが、重い速球と、カーブがよかった。
主戦の大久保は右の本格派で、重い速球と鋭く落ちるカーブが武器。
投手力は互角。静高・大久保は本格派の速球投手。大久保の場合、波はあるが、内外角の速球とタテに大きく割れるカーブが決まり出すと、三振の山を築く。準決勝の静商戦でも、後半は無駄な力を抜いた投法で走者を許さなかった。
静高・大久保は立ち上がり制球に苦しむことがあるが、波に乗って長身から投げ下ろす速球は威力十分で、タテの大きなカーブも有効。
いかつい顔にとぼけた持ち味。「気持ちは優しい好青年ですよ」と船川監督は言うが、風ぼうはどうみても相手に襲いかかる闘志のかたまりだ。静高のマウンドを守って勝ち抜いてきたエース大久保。この日は打でもそのパンチ力をいかんなく見せつけた。二回、四回の左翼本塁打だ。細身の体をいっぱいに使って、こん身の力を込めて投げ続けてきた富士・飯坂を打ちのめすに十分な迫力だった。「一本目、二本目とも内角ストレート。一本目はレフトフライだ、しまったと思った」と打席を振り返る。クリっとした目、笑った顔は人なつこく、天真ランマンだ。試合開始のあいさつで、相手校にほえかかるように声をかけるのは決まってこの選手。優勝が決まった瞬間、そして応援席にあいさつする時も、常にこぶしを振り上げチーム一、オーバーなアクションでひと際目立つ。「感情を素直に表現する、一直線の男」と、同僚の評だ。頼りになるこの男が文字通り静高の進撃を支えてきた。大会七試合、57イニング投げて、安打こそ37本打たれたものの失点は9に抑えてきた。時に一人相撲をとって、相手につけこまれるが、野手を信頼して、打たせて取るピッチングを展開した時の球威は相手打者に脅威だ。初戦の静市商こそ本来の投球に遠かったが、2回戦の静清工に最少点差で勝ってから勢いがついた。関係者がそろえて口にするのは。「立ち上がり崩れなければ」という点。準々決勝の島工戦でも、準決勝の静商でも立ち上がり球道が定まらず、苦しい投球を続けた。島工戦の後では、「なぜあんなピンチをつくるのか」と、監督からこっぴどくしかられた。そのことに触れると「あれは忘れました」とペロリと舌を出した。頼りになる男が甲子園でも力を発揮するか、静高ファンには大いに気になる男だ。182㌢、80㌔、服織中出身。
大久保は、今夏の甲子園で池田に逆転負けしたが、重い速球と、カーブがよかった。
主戦の大久保は右の本格派で、重い速球と鋭く落ちるカーブが武器。
投手力は互角。静高・大久保は本格派の速球投手。大久保の場合、波はあるが、内外角の速球とタテに大きく割れるカーブが決まり出すと、三振の山を築く。準決勝の静商戦でも、後半は無駄な力を抜いた投法で走者を許さなかった。
静高・大久保は立ち上がり制球に苦しむことがあるが、波に乗って長身から投げ下ろす速球は威力十分で、タテの大きなカーブも有効。
いかつい顔にとぼけた持ち味。「気持ちは優しい好青年ですよ」と船川監督は言うが、風ぼうはどうみても相手に襲いかかる闘志のかたまりだ。静高のマウンドを守って勝ち抜いてきたエース大久保。この日は打でもそのパンチ力をいかんなく見せつけた。二回、四回の左翼本塁打だ。細身の体をいっぱいに使って、こん身の力を込めて投げ続けてきた富士・飯坂を打ちのめすに十分な迫力だった。「一本目、二本目とも内角ストレート。一本目はレフトフライだ、しまったと思った」と打席を振り返る。クリっとした目、笑った顔は人なつこく、天真ランマンだ。試合開始のあいさつで、相手校にほえかかるように声をかけるのは決まってこの選手。優勝が決まった瞬間、そして応援席にあいさつする時も、常にこぶしを振り上げチーム一、オーバーなアクションでひと際目立つ。「感情を素直に表現する、一直線の男」と、同僚の評だ。頼りになるこの男が文字通り静高の進撃を支えてきた。大会七試合、57イニング投げて、安打こそ37本打たれたものの失点は9に抑えてきた。時に一人相撲をとって、相手につけこまれるが、野手を信頼して、打たせて取るピッチングを展開した時の球威は相手打者に脅威だ。初戦の静市商こそ本来の投球に遠かったが、2回戦の静清工に最少点差で勝ってから勢いがついた。関係者がそろえて口にするのは。「立ち上がり崩れなければ」という点。準々決勝の島工戦でも、準決勝の静商でも立ち上がり球道が定まらず、苦しい投球を続けた。島工戦の後では、「なぜあんなピンチをつくるのか」と、監督からこっぴどくしかられた。そのことに触れると「あれは忘れました」とペロリと舌を出した。頼りになる男が甲子園でも力を発揮するか、静高ファンには大いに気になる男だ。182㌢、80㌔、服織中出身。