1964年
シーズン中活躍した選手にとって、オフのくるのは待ち遠しいものだ。「去年は合宿に籠城してとうとうクニに帰らなかったから、ことしは帰ってゆっくり手足を伸ばしてくる」と今から胸をはずませているのが峰だ。長崎県海星高から入団して六年目。初優勝した三十五年と翌三十六年に各1勝をあげてはいるが、一昨年はずっとファーム暮し。昨年はリリーフ専門というより敗戦処理ばかりでややくさり気味の峰だった。ところが今シーズンは別所コーチの入団で持ち前の変化球と重い速球を高く買われ、とうとう自己最高の5勝をあげてしまった。特にそのうち巨人戦で2勝をマークしたのだから、オフの帰郷はいわば錦を飾るものになる。色白の選手の多い中で峰のからだは赤銅色に輝いている。分厚い胸幅にたくましい足腰は大洋一の立派な体格の持ち主だが、これも小さなころから長崎の海で泳ぎまくったからだ。稲尾のように櫓をこいでよく遊んだという。峰は、「ことしは本当に恵まれました。疲れてぐったりする時もあったけど、昨年のように夢のなかった時と違って疲れてもハリのある毎日でした。少しぐらい勝星をあげても来年やらなきゃなんにもなりませんからネ。ことしで自信が持てたし、来年はことし以上の成績を上げて自分のピッチングをつくりあげること。そして皆に信頼されるピッチャーになりたいです」今シーズンの反省をしながら大きな目標に張り切っている。長崎県西彼郡野母崎町野母の実家には、両親と妹ふたりが峰の帰郷を指折り数えて待っている。特に父親の栄五郎さん(65才)はシーズン中、テレビやラジオにかじりついて息子の健闘に一喜一憂して、仕事も手につかないというから、さぞ話は尽きないことだろう。
シーズン中活躍した選手にとって、オフのくるのは待ち遠しいものだ。「去年は合宿に籠城してとうとうクニに帰らなかったから、ことしは帰ってゆっくり手足を伸ばしてくる」と今から胸をはずませているのが峰だ。長崎県海星高から入団して六年目。初優勝した三十五年と翌三十六年に各1勝をあげてはいるが、一昨年はずっとファーム暮し。昨年はリリーフ専門というより敗戦処理ばかりでややくさり気味の峰だった。ところが今シーズンは別所コーチの入団で持ち前の変化球と重い速球を高く買われ、とうとう自己最高の5勝をあげてしまった。特にそのうち巨人戦で2勝をマークしたのだから、オフの帰郷はいわば錦を飾るものになる。色白の選手の多い中で峰のからだは赤銅色に輝いている。分厚い胸幅にたくましい足腰は大洋一の立派な体格の持ち主だが、これも小さなころから長崎の海で泳ぎまくったからだ。稲尾のように櫓をこいでよく遊んだという。峰は、「ことしは本当に恵まれました。疲れてぐったりする時もあったけど、昨年のように夢のなかった時と違って疲れてもハリのある毎日でした。少しぐらい勝星をあげても来年やらなきゃなんにもなりませんからネ。ことしで自信が持てたし、来年はことし以上の成績を上げて自分のピッチングをつくりあげること。そして皆に信頼されるピッチャーになりたいです」今シーズンの反省をしながら大きな目標に張り切っている。長崎県西彼郡野母崎町野母の実家には、両親と妹ふたりが峰の帰郷を指折り数えて待っている。特に父親の栄五郎さん(65才)はシーズン中、テレビやラジオにかじりついて息子の健闘に一喜一憂して、仕事も手につかないというから、さぞ話は尽きないことだろう。
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