今週号の週刊東洋経済「スペシャリスト インタビュー」、ジャンメジャヤ・シンハ氏(BCGアジア・パシフィック地区チェアマン)へのインタビュー記事からメモ。
新興国市場で企業が成功するために必要なこと。
三つの視点が重要だ。
第一に、早く一定の市場を獲得すること。一定の市場規模に至らなければ、本社での重要度が高まらず、適切な社員を投入することができない。また、現地での採用や、パートナーとの契約も思うようにはいかない。韓国の電機メーカーがインド市場に入ってきた最初の5年間に、非常に野心的な価格戦略をとり、リーダー的地位を築き上げた。
第二に、その国の顧客視点で徹底的に考えること。既存の商品を本国から持ってくればいい、といった考え方は通用しない。たとえば公道に電灯が少ない国では、ライト付きの携帯電話が好まれる。街中のノイズがけたたましい国では、大きな音量の出るテレビが望まれる。
第三に、その国の政府と良好な関係を築くこと。中国、インド、インドネシア、ブラジルといった国々では、まだ国家の果たす役割が大きい。多くの企業がIR(インベスターズ・リレーションズ)で投資家に時間を割くのと同じように、新興国の政府に対しても時間をかけて説明をし、理解し合うプロセスが必要だ。
特に第一番目の視点は示唆に富んでいるように感じました。
考えてみれば当たり前だけど、お試し感覚で新興国に進出してみたところで何かが得られるはずがない。
肝の据わった取り組みが必要だと云うことですな。
シンハ氏によれば、日本企業は新興国市場での機会を取りこぼしているように思えるとのこと。
日本企業には依然として欧米へのフォーカスが強すぎるのでは、という指摘がされています。