日経朝刊運動面に不定期に掲載される三浦カズのコラム「サッカー人として」。
いつもいい内容だけど、今朝のは殊に素晴らしかったので、記録させてもらいます。
今シーズンほとんど出場機会を与えてもらえず、もはや横浜FCに居場所はないのかと、誘いのあったブラジルのクラブでのプレーを想像し始めていたというカズ。
最終節の大分戦で今シーズン初スタメンのチャンスを得ます。
あの1戦はただの1試合ではなかったと、その大きさが今になって分かる。フル出場、1ゴール。一般論でいえば僕の年齢の選手が1年5カ月ぶりに先発してフルに走り回るのは相当にきつい。でも僕はやれた。ドリブルでも「戦える」という感触を手にできたし、トレーニングやメンタルの仕上げ方次第でまだまだ勝負できると確認できた。発見といっていい。すべてを吹き飛ばしてくれたんだ。
シーズン通して188分しかピッチにいなかったにもかかわらず3得点。
その決定力に対して「何か持っていると」言われるが、カズ自身は「持っている」からではないと明確に否定します。
1年間、試合形式の練習全てに対して、公式戦だと思って取り組み、グラウンドでの一瞬一瞬を「本番」としてプレーした。
それが最後に「最高の90分間」をもたらしてくれたと信じていると云います。
今シーズンをまとめます。人生に偶然はない。大分戦で輝けたのは偶然じゃない。だからこうも思う。1998年ワールドカップ(W杯)に行けなかったのも偶然じゃない。岡田監督がどうこうでもなく、僕に力がなかったのだと。努力が足りなかったのだと。
今できることを全力でやる、全力でやっているからこそどんな結果に対しても自分自身ですべてを受け止め責任を取ることができる、言い訳はしない。
云うのは簡単だけど、実践するのがどれだけ困難なことか。
カズはやっぱり凄い。