西武大津店閉店を巡るローカル色濃厚な一話目と、女子中学生の即席ペアがM-1に挑戦する二話目で、成瀬と島崎の幼馴染ペアの絶妙なコンビネーションの魅力に心掴まれる。特に二話目はど素人がゼロから漫才を作り上げていく過程が丁寧かつ爽快に描かれていて抜群に面白い。
ここまでで成瀬と島崎の2人の物語だと思わせておいて、三話目以降は視点がいろいろな人に移っていく。
他人の目を全く気にすることなく、やりたいこと、正しいと思う道を真っ直ぐに突き進んでいく成瀬。その行動を最初は疎ましく感じる人も、次第にその純粋さに魅了されていく。
で、最終話は成瀬自身の視点に立って語られる。それまで感情のないサイボーグのように描かれてきた成瀬も、親友と離れ離れになることに激しく動揺し、ハートを持ったごく普通のティーンエイジャーであることが印象付けられる。これによって彼女を巡る一連の物語が一気に深みを増す。
成瀬というある意味寓話的な、極端なキャラクタを中心に据えながら、地元愛やノスタルジーや10代の自意識など、誰もが思い当たる甘酸っぱい情感をさらりと紡ぎ出す。
傑作と思う。
#ブクログ
ここまでで成瀬と島崎の2人の物語だと思わせておいて、三話目以降は視点がいろいろな人に移っていく。
他人の目を全く気にすることなく、やりたいこと、正しいと思う道を真っ直ぐに突き進んでいく成瀬。その行動を最初は疎ましく感じる人も、次第にその純粋さに魅了されていく。
で、最終話は成瀬自身の視点に立って語られる。それまで感情のないサイボーグのように描かれてきた成瀬も、親友と離れ離れになることに激しく動揺し、ハートを持ったごく普通のティーンエイジャーであることが印象付けられる。これによって彼女を巡る一連の物語が一気に深みを増す。
成瀬というある意味寓話的な、極端なキャラクタを中心に据えながら、地元愛やノスタルジーや10代の自意識など、誰もが思い当たる甘酸っぱい情感をさらりと紡ぎ出す。
傑作と思う。
#ブクログ