そもそも論者の放言

ミもフタもない世間話とメモランダム

『いつか月夜』 寺地はるな

2024-09-23 13:56:00 | Books
人は生きているとたくさんの人と出会うけれど、その人たちは、夜中にいっしょに歩いてもいいかなと思える人と、とてもそうは思えない人と、2種類に分かれるのかもしれない。
で、いっしょに歩ける人とも、完全に分かり合えることはけっしてなくて、いろんな理由でもういっしょには歩けなくなってしまうのだ。
でもそれは何かを失ったということではなくて、お互いの心に豊かなものを確かに残してくれて、だからこそちょっと切ない。

この小説を読んで、そんなことを感じた。

主人公の青年の、質素ながら真摯な人柄が、小野寺史宜の『ひと』『まち』の主人公と似ている印象で、イマドキな感じがする。

「みけねこ洋菓子店」の件りだけ、急にジブリ映画みたいなテイストになる。

#ブクログ




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