台風で外界との往来を絶たれた孤島を舞台に、実業家一族とその使用人、ゲストの元警部と私立探偵が集うという、なんともオーソドックスな密室ミステリのフォーマット。
ところが、期待していた犯人探しの謎解きはお遊び程度で、迷宮入りした40年前の主婦失踪事件の真相へと意外な展開を見せていく。
このあたり、やはり吉田修一が本業のミステリ作家ではないことを思い知らされる。
『飢餓海峡』『砂の器』『人間の証明』3本の映画作品をキーにして、辛うじて戦争の哀しい痕跡を引きずっていた1970年代という時代の感覚が甦る。
ラストの真相明かしは些かぶっ飛んでいて、興醒めさせるか否かのギリギリの線を攻めて余韻を掻き乱してくるのも吉田修一らしいところ。
#ブクログ
ところが、期待していた犯人探しの謎解きはお遊び程度で、迷宮入りした40年前の主婦失踪事件の真相へと意外な展開を見せていく。
このあたり、やはり吉田修一が本業のミステリ作家ではないことを思い知らされる。
『飢餓海峡』『砂の器』『人間の証明』3本の映画作品をキーにして、辛うじて戦争の哀しい痕跡を引きずっていた1970年代という時代の感覚が甦る。
ラストの真相明かしは些かぶっ飛んでいて、興醒めさせるか否かのギリギリの線を攻めて余韻を掻き乱してくるのも吉田修一らしいところ。
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