そもそも論者の放言

ミもフタもない世間話とメモランダム

「ザ・プレイ」 アリスン・ブレナン

2009-11-14 22:25:25 | Books
ザ・プレイ (集英社文庫)
アリスン ブレナン
集英社

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元FBIの女捜査官で、現在は売れっ子ミステリー作家となった主人公が著作に書いた殺人事件をコピーした事件が実際に発生し、主人公自身が巻き込まれてゆく。
FBIアカデミー出身女性を主人公にした三部作の一作目。

「ラブ&サスペンス」らしいけど、「ラブ」の部分が余計。
いや別に「ラブ」があったっていいんだけど、主人公とボディガードが恋仲になる過程があまりに唐突で、何に惹かれ合ってんだかさっぱり伝わってこない。
もちろん恋愛感情に理屈など要らないのだけど、それにしたって人物像をもうちょっと丁寧に造形してもらえないと。

全体に人物造形はお座なりでご都合主義的。
主人公にしても犯人にしても、ああいう過去を持っていて、こんな人間に成長するもんなんだろうか、説得力が薄い。

クライマックスの人質交換の場面も、空間描写が下手くそなので、読んでいてアクション性が伝わってこない。
原文が悪いのか、訳が悪いのか、どっちだかわからんけど。

パラグラフの途中で、一人称が突然別の人物に移ったりするのも、読みづらくてストレスになる。
これは訳者よりも編集者の責任か。
セリフの途中で改行が入るのも不自然。

「全米ベストセラー」らしいですけど、話自体はつまらなくもないものの、何かとお粗末な印象でした。

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