今日は大阪弁の「おおきに」について調べました。
大阪弁の「おおきに」は非常に使い勝手が良い万能語です。
会話の最後に「おおきに」をつけておけば、ものごとが円滑に進むという点では、英語の「サンキュー」とか「プリーズ」に近いような言葉です。
広辞苑には、「大(おお)きに」は室町時代以後の語で、①非常に。大いに。迷惑なことを非難し、また皮肉に言う時にも使う。
②「おおきにありがとう」の略。関西地方などで広く使われる。
と説明しています。
このように、「おおきに」は、「大いに」、「たいへん」、「とても」、といった分量を表す言葉で、「おおきに、ありがとう」「おおきに、ご苦労さん」などのように下に言葉がついて使用されていましたが、次第に省略されて、独立使用となったようです。
感謝を表す使用例としては、大阪の飲食店では、勘定をすませたお客さんを見送るときに、「おおきに、またのおいでを…」といった使い方や、友人に食事をおごってもらったときなど、「おおきに、ごっつぉさん」と、軽く謝意を表すことばとして日常的に使われています。
更に、恐縮している気持ちを表すのにも、おおきには使われるようです。
例えば、何かしくじりをしでかして、相手に許してもらったときなどは、「おおきに、すんまへん。もう二度としまへんから…」という具合に、拝み倒すようにこのフレーズが使われます。
こういう場合、「おおきに」と「すんまへん」は対句として運用されることが多く、人に頼みごとをするときなどは必ず、「すんまへんなあ、忙しいのに…」といった切り出し方をし、相手が首をタテにふってくれたらすかさず、「おおきに、おおきに、すんまへんなあ」となります。
このように、「おおきに」は万能の言葉ではありますが、逆に大阪弁がきちんと体得できていない人が使うと、人を小馬鹿にしているように思われて、逆効果になることもあります。
また商談などの場で、「おおきに、考えときまっさ」と使われるのは、「ノーサンキュー」の意味が多分に含まれているので、大阪弁のニュアンスがよくわかっていない人は、これを商談成立と勘違いすることのないよう、気をつけなければいけません。