この時期、各地の日当たりのよい畑地や荒地に「ねこじゃらし」が見られます。
実はこの「ねこじゃらし」は雑草ですが、2匹の可愛いペットの名前を付けられている雑草なのです。
今日はこの雑草についてご紹介します。
「ねこじゃらし」として知られているこの雑草は、正式名称を「エノコログサ」と言います。
エノコログサの名前は、この穂が犬の子(エノコロ)の尾に似ていることからで、漢字では狗(犬)の尾の草(狗尾草)と書きます。
一方、俗称の「ねこじゃらし」は、ネコの目の前でこの花穂を振るとネコがじゃれつくことからそのように呼ばれているものです。
誰しも経験があると思いますが、この穂を使って猫を遊ばすとよくじゃれついてきます。
更に、英語では「Foxtail grass(キツネの尻尾草)」言われており、これは穂の形がきつねの尻尾に似ていることから付けられたようであり、洋の東西を問わず着眼点はよく似ているものです。
・これが畑の近くに生えている「エノコログサ(狗尾草)」です。
「エノコログサ(狗尾草)」は日本全土に分布するイネ科エノコログサ属の一年草で、草丈は20~80cmになり、花期は8月~11月で、茎の先端に長さ2㎝~10㎝の緑色の穂をつけます。
通常、畑の雑草を見つけるとはすぐに抜き取りますが、ブログに取り上げるとなると、「抜き取らずにもう少し置いておこう」、と思うようになるから不思議です。
余談ですが、戦前の米穀配給統制法の実施以前までは、米の流通が及ばない山村地域などでは主要穀物として、稗(ヒエ)、黍(キビ)、粟(アワ)が食生活を支えてきましたが、この内の粟はエノコログサの仲間から生れたのだそうです。
・猫が喜んでじゃれつく「エノコログサ(狗(犬)尾草)」の穂です。