馬の骨
2015-08-14 | 雑学
素性のわからない者をののしって言う言葉に「馬の骨」があります。
映画やドラマなどでは、年頃の娘を持つ父親がよく「どこの馬の骨ともわからない者に、大事な娘をやれるか」というセリフが登場します。
何故、素性のわからない者を「馬の骨」と言うのでしょうか?
調べてみました。
この言葉の由来は中国です。中国には役に立たないものの代表として、「一に鶏肋(けいろく)、二に馬の骨」と言う諺があるそうです。
鶏肋とは、鶏の肋骨のことで小さすぎてだしも取れず役に立たないと言い、「馬の骨」は役に立たないうえに、逆に大きすぎて邪魔になり処分にも困る、と言われているものです。
ここから誰にも必要とされず、役に立たないものを意味するようになり、更にそれが、「大人ではあるが成長過程や職業が分からない」と言った意味でも使われるようになったようです。
「骨」という漢字には「人柄」、「からだ」など、骨だけでなく人全体を指す意味があるため、「馬の骨」は現在のような意味に変化したと考えられているようです。
では、なぜ牛ではなくて馬なのでしょうか?
辞書の中には「馬の骨」と同義の言葉として「牛の骨」を挙げているものがあるそうです。
「馬の骨」という言葉が使われ始めた1600年代~1700年代頃には、「牛の骨」も同様に用いられていたそうです。
当時(江戸時代)の生活において、人以外の動物の中でも身近であった「馬」「牛」が選ばれて使われた言い回しだったようですが、その後、「馬の骨」という言い方の方が定着し、現在まで用いられているということです。