2015年9月6日付けの毎日新聞に北海道の当別町に建設された当別ダムの根拠が虚構であったことを問題にする以下の記事が掲載されました。紹介いたします。当別ダムは、水需要の面で全く不要であることが以前から市民団体のみならず、総務省までもが指摘していた札付きの問題ダムで、血税684億円を浪費して建設されました。
虚構にもとづく水需要予測を行って、庶民から血税をむしり取り、無用なダムを建設していくという構図、現在建設中の群馬県の八ッ場ダムにも、まさに13世帯の家族の暮らす土地が強制収容されようとしている長崎県の石木ダムなどにも同様に当てはまる問題です。
当別ダム: 写真の出所は北海道庁の空知総合振興局のHPより
http://www.sorachi.pref.hokkaido.lg.jp/kk/skk/dam/toubetu/index.htm
***毎日新聞の以下のサイトより引用****
http://mainichi.jp/area/hokkaido/news/20150906ddlk01040091000c.html
「当別ダム必要」揺れる根拠 「取水中止を」非難続々 35年度給水量、札幌市3割下方修正 /北海道
毎日新聞 2015年09月06日 地方版
2012年に完成した当別ダム(当別町、総貯水量7450万立方メートル)をめぐり、「ダムが必要」との根拠としていた水道水の必要給水量の予想を、札幌市が完成後に大幅下方修正した。ダムなしでも問題ないことが明らかになり、必要性に疑問を呈してきた環境団体は反発、ダムからの取水の中止を求めている。
(中略)
地方自治に詳しい鳥取大の小野達也教授(政策評価論)は「自治体の推計は事業を前提にして過大になりがちで、過大投資にもつながりかねない。推計の下方修正について誤りを率直に認め、原因を究明する姿勢が重要だ」と述べた。【山下智恵】
***引用終わり****
この当別ダムに関しては、2013年4月10日の北海道新聞の以下の記事も紹介しておきます。
当別ダムから水を取水すると井戸水より4~5倍割高とのことで、水を大量に使う地元の食品加工会社は従来通り井戸水を継続利用しているそうです。北海道は当別ダムの水を使うよう指導しているそうですが、もし道がダムの水を使うよう強制すれば物価を押し上げ、企業経営も圧迫させ、地元経済に悪影響を与えるでしょう。水が足りているにも拘わらず、684億円もかけて建設したものですから、地元経済の足を引っ張っているのが現状です。
この当別ダムの水需要予測問題、私も共著者の一人である『社会的共通資本としての水』(花伝社、2015年)の第2章で梶原健嗣氏が詳述していますので、興味のある方はご参照ください。
Channel AJERに前回出演した際に『社会的共通資本としての水』の本の紹介する中で、本の内容紹介として当別ダム問題にも言及させていただきました。 You Tubeなどで前半のみですが視聴できます。以下です。
(1)『社会的共通資本としての水「行政による水管理の不合理」①』 AJER2015.7.6(5)
※梶原さんの章を紹介する形で、当別ダム問題についても言及しています。
https://www.youtube.com/watch?v=3Rp4spfIpVM
(2)『社会的共通資本としての水「水道民営化の悪夢」 AJER2015.7.13(3)
※こちらの動画は水道民営化の是非について扱っています。
https://www.youtube.com/watch?v=FxdUAYX4Kxg
虚構にもとづく水需要予測を行って、庶民から血税をむしり取り、無用なダムを建設していくという構図、現在建設中の群馬県の八ッ場ダムにも、まさに13世帯の家族の暮らす土地が強制収容されようとしている長崎県の石木ダムなどにも同様に当てはまる問題です。
当別ダム: 写真の出所は北海道庁の空知総合振興局のHPより
http://www.sorachi.pref.hokkaido.lg.jp/kk/skk/dam/toubetu/index.htm
***毎日新聞の以下のサイトより引用****
http://mainichi.jp/area/hokkaido/news/20150906ddlk01040091000c.html
「当別ダム必要」揺れる根拠 「取水中止を」非難続々 35年度給水量、札幌市3割下方修正 /北海道
毎日新聞 2015年09月06日 地方版
2012年に完成した当別ダム(当別町、総貯水量7450万立方メートル)をめぐり、「ダムが必要」との根拠としていた水道水の必要給水量の予想を、札幌市が完成後に大幅下方修正した。ダムなしでも問題ないことが明らかになり、必要性に疑問を呈してきた環境団体は反発、ダムからの取水の中止を求めている。
(中略)
地方自治に詳しい鳥取大の小野達也教授(政策評価論)は「自治体の推計は事業を前提にして過大になりがちで、過大投資にもつながりかねない。推計の下方修正について誤りを率直に認め、原因を究明する姿勢が重要だ」と述べた。【山下智恵】
***引用終わり****
この当別ダムに関しては、2013年4月10日の北海道新聞の以下の記事も紹介しておきます。
当別ダムから水を取水すると井戸水より4~5倍割高とのことで、水を大量に使う地元の食品加工会社は従来通り井戸水を継続利用しているそうです。北海道は当別ダムの水を使うよう指導しているそうですが、もし道がダムの水を使うよう強制すれば物価を押し上げ、企業経営も圧迫させ、地元経済に悪影響を与えるでしょう。水が足りているにも拘わらず、684億円もかけて建設したものですから、地元経済の足を引っ張っているのが現状です。
この当別ダムの水需要予測問題、私も共著者の一人である『社会的共通資本としての水』(花伝社、2015年)の第2章で梶原健嗣氏が詳述していますので、興味のある方はご参照ください。
Channel AJERに前回出演した際に『社会的共通資本としての水』の本の紹介する中で、本の内容紹介として当別ダム問題にも言及させていただきました。 You Tubeなどで前半のみですが視聴できます。以下です。
(1)『社会的共通資本としての水「行政による水管理の不合理」①』 AJER2015.7.6(5)
※梶原さんの章を紹介する形で、当別ダム問題についても言及しています。
https://www.youtube.com/watch?v=3Rp4spfIpVM
(2)『社会的共通資本としての水「水道民営化の悪夢」 AJER2015.7.13(3)
※こちらの動画は水道民営化の是非について扱っています。
https://www.youtube.com/watch?v=FxdUAYX4Kxg
ダム建設には治水、砂防といった防災目的があると思いますが、経済だけではなく防災安全という面での合理性について関先生は分析されていますでしょうか。日本は世界でも有数の自然災害国であると思います。戦争ごときよりも、もっと多くの人間が自然災害で犠牲になりました。自然災害は日本民族にとって中国などよりもよっぽど恐るべき潜在的脅威です。
時代の寵児になっている感のある藤井聡氏のような人物と関先生の対談企画等を希望しています。もしそのような企画があれば関先生の活動に興味を持つ方(無論賛否はありますが)も増えることでしょう。
本日の鬼怒川の堤防の決壊、詳しくは専門家の報告が出るでしょうが、おそらく堤防が若干低くなっているところから越流し、堤内が侵食されて決壊に至ったのではないかと思います。堤防は所詮、土の塊なので、侵食に弱いです。
越流しても簡単には破堤しないよう、遮水シートを貼ったり、ソイルセメントの連続壁などで堤防を強化することが喫緊の課題として必要だと思います。
また、堤防をいくら強化しても、今回のような豪雨のピークが長期間続く場合、いつかは決壊も起こるので、とにかく早期に逃げることが最重要だと思います。
ダムは本当に水位を数センチ程度下げることしかできず、それがあったからといって堤防の決壊が防げるかと言ったら、ほとんど効果はないと思います。
より安全度を高める予算の使い方としては、ダムではなく、堤防の強化の方が、はるかに費用対効果の高い方法だと思います。
また流域全体で洪水ピーク時の水位を下げるには、ダムという点の治水ではなく、流域全体で雨水の貯留・浸透を高めることが、費用対効果の点で、ダムよりもはるかに効果的だと思います。以前、以下のような提案を国交省にいたしました。ご参照ください。
http://blog.goo.ne.jp/reforestation/e/850e3052c6b8733681abd37a5cc80efe
大規模災害が起こるたびにダム建設はじめ超大型公共事業の政治的圧力がプロパガンダを含めて高まりますので、そういったときに止揚の言論は大切だと思いました。