代替案のための弁証法的空間  Dialectical Space for Alternatives

批判するだけでは未来は見えてこない。代替案を提示し、討論と実践を通して未来社会のあるべき姿を探りたい。

日本を辱める愛国者たち ―森友学園問題に寄せて

2017年02月18日 | 政治経済(日本)
 良識はあるようだ。安倍晋三首相は、森友学園への国有地不当廉価払下げ事件について、「私も妻も一切、認可、国有地払い下げに関係ない。…認可については大阪府に確かめて頂きたい。私や妻が関係していたとなれば、総理大臣も国会議員も辞める」と発言した。

 私も同意する。この国有地詐取事件に安倍首相が関与していれば、総理のみならず国会議員辞職が妥当だと考える。
 その上で首相が、この事件が議員辞職に相当する重大問題だと考えるのであれば、行政府の長として、この犯罪的行為が何故発生し、だれが関与し、だれに責任があるのか、徹底して究明し、関係者を処罰するべきであろう。その上で、監督者として行政府の長の責任も厳しく問われなければならない。
 
 本日(2017年2月18日)の東京新聞の特報面で、学校法人・森友学園の教育内容が紹介されていた。お恥ずかしながら、その実態を初めて詳細に知った。戦慄する内容であった。幼稚園児に対して、教育勅語を暗唱させ、軍歌まで教えているという。

 韓国から帰化したある母親が、副園長の韓国差別発言に抗議すると、副園長は「私は差別はしていません。しかしながら心中韓国人と中国人は嫌いです」と返信してきたという。「差別はしていいません」と言いながら、その次の言葉は、偏見に基づく差別発言に他ならない。一人ひとりの個性は違うのに、「あなたのこういうところが嫌いです」というのならまだしも、実態をよく知りもしないのに、民族全体をひとくくりにして、まとめて「嫌いです」と言うのは、およそ教育者が発するべき言葉ではない。そもそも、日本語を正しく使えない方だとしか思えない。
 
 名誉校長の安倍昭恵さんは、「優れた道徳教育を基として、日本人としての誇りを持つ、芯の通った子供を育てる」と、学園の教育理念に感銘して、名誉校長を引き受けたという。しかしながら、副園長の発言には道徳心のかけらも見られない。昭恵さんは、特定の国の国民全体に対してヘイト発言をし、それを子供たちに聞かせるような教育方針に賛同しないと信じる。昭恵さんの見解を伺いたい。

 「道徳」だ「愛国」だと声高に主張する右派に限って、決まって道徳心のかけらもないし、愛国どころか、日本を辱める行為をくり返す。 
 そのようなヘイト発言を繰り返す大人たちに教育された子供たちは「日本人としての誇り」を育むどころか、将来、外国に出て外国人と接したときに、きっと恥ずかしい思いに直面せざるを得ないだろう。
 彼・彼女ら自称「愛国者」たちは、どれだけ国際的に日本の恥をさらしているか、海外で活動する多くの日本人たちに迷惑をかけているか、自覚のかけらもないようである。

 国民の血税の結晶である国有資産を、政治的なコネを利用して不当な安値で払い下げてもらうのが、「愛国」的で「道徳」的な行為なのか? 愛国心のかけらでもあるのなら、これ以上、日本を貶めるような行為は止めて欲しい。あなたたちが国の名誉を汚しているのだ。 



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2 コメント

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これを最後の長州閥政権に・・・ ()
2017-03-09 23:17:53
Sword of lightさま

 森友学園問題、だんだん「長州閥疑獄」の様相を呈してまいりました。安倍政権が、最後の長州閥政権になるよう頑張りましょう。 
 長州閥がつくった「国家神道政治」は終わりにしましょう。
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良識発言に感動しました (sword of light)
2017-03-06 12:24:52
徴収罰、ではなく長州閥の悪行を知る事が出来ました。会津人が長州人を忌み嫌う理由がよく分かります(私は関西人)。有難う。
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