今月の中ごろ、私の勤務先の大学の授業で、「もし皆さんが日本の首相で、2兆円の景気対策費を自由に使うことができたら、いったい何に使うべきだと思いますか?」という小レポート課題を出してみました。
私が担当する「環境政策」という授業の中で出した課題です。「環境政策の授業ですけど、別に環境関連で支出しなくてもいいですよ。あくまで皆さんが首相だったら『これが一番重要だと思う』ということに使ってくださいねー」と言っておきました。といっても、なにせ授業題目が「環境政策」なので、やはり環境関連に支出すべきという回答が多かったですが・・・。
レポートを書いた大学生の多くは大学3年生。来年は、バブル崩壊後の就職氷河期に逆戻り、あるいはもっとひどい事態が予想され、強い危機感を持っている学生たちばかりです。それだけに国政への関心も高くなっており、税金の使い道も政治家任せではいけないという意識を持つようになっています。彼・彼女らがこの緊急事態に何を考えているのか、意見をいくつか紹介させていただきます。
失業者対策、新エネルギー、エコカー、農林業、交通、防災、医療、福祉などが支出先として主なものでした。以下は、それぞれの支出項目についての主な意見です。学生たちも自分たちの声を政治家や官僚の方々に知ってほしいと思っているので、ブログ上で紹介することにしました。
*********************
法律政治学科 3年生 男性
「僕が首相だったら、ただ単にお金をバラまく事はやらないと思う。一人一人ではできないことを政府という団体で行うために税金を集めたのに、それをそのまま返すのはおかしい事だと思う。それだけでなく返すのにも余計なコストもかかるので、この景気対策には反対です。そこで僕が提案するのは、長期的な景気対策になる循環型社会を目指す企業への投資や補助金です。(後略)」
法律政治学科 3年生 女性
「2兆円がどれだけの金額かあまりわからないのですが、やはり今は失業で住宅を失ってしまった人たちに、住める宿泊施設や、入居に必要な初期費用を負担してあげたいです。そして少しの期間(仕事がみつかるくらいの間)、生活費も負担してあげたいです。」
法律政治学科 3年生 男性
「私は日本の現状を考えると地方にお金を回すべきだと思う。派遣労働者や期間工が職を失っている現状の中で、そういった人達の雇用に積極的に行動しているのが地方だからである。少しでも雇用のある事をメディアやマスコミが取り上げれば、悪化のスピードも弱まると思う。(後略)」
法律政治学科 4年生 男性
「自転車とバスが走りやすい道をつくります。日本では本来優先されるべき歩行者や自転車の行動を制限してまで自動車優先の道を造ってきました。その結果、本来自転車ですむ範囲を移動するのにも自動車を使わざるを得なくなり、バスは減り、自動車ばかり増え、歩行者・二輪車の死亡率は他国と比べ高い水準にあります。(中略)
幹線道路の左車線をバス・自転車専用につくりかえます。自転車は本来20キロ台のスピードで移動でき、日本の国土にあった交通手段だと思います。(後略)」
経済学科 3年生 男性(中国人留学生)
「私はこの2兆円をクリーン・エネルギー、主に電気自動車に投資します。電気自動車の開発およびインフラ整備に力を入れたいです。(中略)
自動車産業は波及効果が大きい。材料も多く使うし、関連企業も多いため、雇用問題も解決できるでしょう。(後略)」
法律政治学科 3年生 男性
「風力発電、太陽光発電など環境と経済をイコールで結ぶ事業へ投資します。太陽光発電にいたっては世界一の技術力があり、これを普及させるためにドイツのように電力会社に補助金を出し、太陽光発電からの電気を買わせます。(後略)」
経済学科 3年生 男性
「2兆円あったら先ずは太陽光、風力などの新エネルギーの費用に使うと思います。将来枯渇する化石燃料にいつまでも頼っていては、いつまでたっても技術の進歩はしないと思うし、今から導入していかなければ、これからの日本には先がないと思うからです。(後略)」
経済学科 3年生 男性
「(前略) リニアモーターカー建設 → エネルギー効率の悪い東京ー大阪間の飛行機の淘汰 → 東海道新幹線を貨物輸送もできるように改造 → 鉄道貨物輸送の増大 (後略)」
経済学科 3年生 女性
「2兆円は環境・失業対策の両方に役立つように放置された水田の整備に使います。水田が密集している地域には、公営で社宅を建てさせ、過疎農村では自治体に労働者支援のための補助金を出します。(中略)
作ったものは県が必ず買いとり、県内で消費させるように法律・条例を作らせます。こうしていけば若者の雇用情勢、環境問題、食糧問題、地域の活性化につながるのではないかと思います。」
法律政治学科 3年生 男性
「今回の世界恐慌の影響で解雇された人々を、過疎地といわれる地方で農業に従事してもらう。その農地や人件費などは国が負担をし、積極的に農業参加をしてもらう。(後略)」
経済学科 3年生 男性
「私は首相ならばまず間伐作業の公共事業に使う。間伐作業で雇用し、間伐した木材でエネルギーを作り出す。(中略)
踏むことで電気を作り出す装置にお金を使う。人が多い交差点などにその装置を置いて電気エネルギーを作り出す。」
経済学科3年生 男性
「2兆円の使い方として有効なのは、雇用対策になり、なおかつ早急に必要で将来につながるものが望まれる。
1、学校の耐震化
(中略)
2、温暖化対策
(1)森林整備 (略)
(2)都市緑化 (略)」
法律政治学科 3年生 女性
「東京大地震が起こるといわれているので、地震等の防災対策に使うべきだと思う。大災害が起きたら人的損害はもちろんのこと、経済損害も多大なものになると思ったからである。(後略)」
経済学科 3年生 女性
「自分なら病院の設備を充実させる。設備だけじゃだめなことはわかっているけど。問題になっている妊婦のたらい回し事件はあってはならないことだと思うから。ほとんど殺人に近いような気がする。(後略)」
経済学科 3年生 女性
「私は医療制度の改革に使うべきだと思いました。妊婦や緊急患者のたらい回しがここ最近ニュースで騒がれているのは異常すぎる。医師たちが働きやすい環境をつくる。また高齢者が安心して暮らせる環境をつくるため、老人ホームやホームヘルパーたちの充実も大切だと思う。(後略)」
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誰かさんよりも、ここに紹介した学生たちに首相をやってもらった方が100倍マシと思うのは私だけでしょうか・・・・・?
私が担当する「環境政策」という授業の中で出した課題です。「環境政策の授業ですけど、別に環境関連で支出しなくてもいいですよ。あくまで皆さんが首相だったら『これが一番重要だと思う』ということに使ってくださいねー」と言っておきました。といっても、なにせ授業題目が「環境政策」なので、やはり環境関連に支出すべきという回答が多かったですが・・・。
レポートを書いた大学生の多くは大学3年生。来年は、バブル崩壊後の就職氷河期に逆戻り、あるいはもっとひどい事態が予想され、強い危機感を持っている学生たちばかりです。それだけに国政への関心も高くなっており、税金の使い道も政治家任せではいけないという意識を持つようになっています。彼・彼女らがこの緊急事態に何を考えているのか、意見をいくつか紹介させていただきます。
失業者対策、新エネルギー、エコカー、農林業、交通、防災、医療、福祉などが支出先として主なものでした。以下は、それぞれの支出項目についての主な意見です。学生たちも自分たちの声を政治家や官僚の方々に知ってほしいと思っているので、ブログ上で紹介することにしました。
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法律政治学科 3年生 男性
「僕が首相だったら、ただ単にお金をバラまく事はやらないと思う。一人一人ではできないことを政府という団体で行うために税金を集めたのに、それをそのまま返すのはおかしい事だと思う。それだけでなく返すのにも余計なコストもかかるので、この景気対策には反対です。そこで僕が提案するのは、長期的な景気対策になる循環型社会を目指す企業への投資や補助金です。(後略)」
法律政治学科 3年生 女性
「2兆円がどれだけの金額かあまりわからないのですが、やはり今は失業で住宅を失ってしまった人たちに、住める宿泊施設や、入居に必要な初期費用を負担してあげたいです。そして少しの期間(仕事がみつかるくらいの間)、生活費も負担してあげたいです。」
法律政治学科 3年生 男性
「私は日本の現状を考えると地方にお金を回すべきだと思う。派遣労働者や期間工が職を失っている現状の中で、そういった人達の雇用に積極的に行動しているのが地方だからである。少しでも雇用のある事をメディアやマスコミが取り上げれば、悪化のスピードも弱まると思う。(後略)」
法律政治学科 4年生 男性
「自転車とバスが走りやすい道をつくります。日本では本来優先されるべき歩行者や自転車の行動を制限してまで自動車優先の道を造ってきました。その結果、本来自転車ですむ範囲を移動するのにも自動車を使わざるを得なくなり、バスは減り、自動車ばかり増え、歩行者・二輪車の死亡率は他国と比べ高い水準にあります。(中略)
幹線道路の左車線をバス・自転車専用につくりかえます。自転車は本来20キロ台のスピードで移動でき、日本の国土にあった交通手段だと思います。(後略)」
経済学科 3年生 男性(中国人留学生)
「私はこの2兆円をクリーン・エネルギー、主に電気自動車に投資します。電気自動車の開発およびインフラ整備に力を入れたいです。(中略)
自動車産業は波及効果が大きい。材料も多く使うし、関連企業も多いため、雇用問題も解決できるでしょう。(後略)」
法律政治学科 3年生 男性
「風力発電、太陽光発電など環境と経済をイコールで結ぶ事業へ投資します。太陽光発電にいたっては世界一の技術力があり、これを普及させるためにドイツのように電力会社に補助金を出し、太陽光発電からの電気を買わせます。(後略)」
経済学科 3年生 男性
「2兆円あったら先ずは太陽光、風力などの新エネルギーの費用に使うと思います。将来枯渇する化石燃料にいつまでも頼っていては、いつまでたっても技術の進歩はしないと思うし、今から導入していかなければ、これからの日本には先がないと思うからです。(後略)」
経済学科 3年生 男性
「(前略) リニアモーターカー建設 → エネルギー効率の悪い東京ー大阪間の飛行機の淘汰 → 東海道新幹線を貨物輸送もできるように改造 → 鉄道貨物輸送の増大 (後略)」
経済学科 3年生 女性
「2兆円は環境・失業対策の両方に役立つように放置された水田の整備に使います。水田が密集している地域には、公営で社宅を建てさせ、過疎農村では自治体に労働者支援のための補助金を出します。(中略)
作ったものは県が必ず買いとり、県内で消費させるように法律・条例を作らせます。こうしていけば若者の雇用情勢、環境問題、食糧問題、地域の活性化につながるのではないかと思います。」
法律政治学科 3年生 男性
「今回の世界恐慌の影響で解雇された人々を、過疎地といわれる地方で農業に従事してもらう。その農地や人件費などは国が負担をし、積極的に農業参加をしてもらう。(後略)」
経済学科 3年生 男性
「私は首相ならばまず間伐作業の公共事業に使う。間伐作業で雇用し、間伐した木材でエネルギーを作り出す。(中略)
踏むことで電気を作り出す装置にお金を使う。人が多い交差点などにその装置を置いて電気エネルギーを作り出す。」
経済学科3年生 男性
「2兆円の使い方として有効なのは、雇用対策になり、なおかつ早急に必要で将来につながるものが望まれる。
1、学校の耐震化
(中略)
2、温暖化対策
(1)森林整備 (略)
(2)都市緑化 (略)」
法律政治学科 3年生 女性
「東京大地震が起こるといわれているので、地震等の防災対策に使うべきだと思う。大災害が起きたら人的損害はもちろんのこと、経済損害も多大なものになると思ったからである。(後略)」
経済学科 3年生 女性
「自分なら病院の設備を充実させる。設備だけじゃだめなことはわかっているけど。問題になっている妊婦のたらい回し事件はあってはならないことだと思うから。ほとんど殺人に近いような気がする。(後略)」
経済学科 3年生 女性
「私は医療制度の改革に使うべきだと思いました。妊婦や緊急患者のたらい回しがここ最近ニュースで騒がれているのは異常すぎる。医師たちが働きやすい環境をつくる。また高齢者が安心して暮らせる環境をつくるため、老人ホームやホームヘルパーたちの充実も大切だと思う。(後略)」
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誰かさんよりも、ここに紹介した学生たちに首相をやってもらった方が100倍マシと思うのは私だけでしょうか・・・・・?
やっぱり建築・土木と言う事になるんじゃないでしょうか。
雇用の受け皿=セーフティネットにもなりますしね。
だけど今までと同じように新しい箱モノ、道路等を作るのは維持管理費が新たに発生しますから感心しません。
相当痛んで来てる既存のインフラの新陳代謝や効率化を進めるのがいいんじゃないでしょうか。
橋梁等の老朽化が進んでかなり危ない状態の箇所も増えてると聞きますし。
後は電柱機能の埋設化や公共施設の耐震化等々もいいかと思われます。
地方の公立の病院が危機に瀕してますからそちらに回すのもいいでしょう。
小泉政権下でやった診療報酬の引き下げが主因ですから報酬引き上げとセットで。
とにかくやらなきゃいけない事があり過ぎて2兆円では足りませんね。
私が総理なら法人税や所得税の累進課税率を上げたいですね。
で、出て行けるもんなら出て行ってみろとw
自国民を切り捨てるような奴は要らんと言ってみたいですw
さて、学生さんの色々な案は「なるほど!」と思わせるものがあり、うれしく思いました。このような人たちが実社会に入ってもその心を持ち続け、政治の流れを変えていってほしいと思います。
私が勤める職場でも正規と非正規の若い人たちが熱心に仕事に励んでいて、頭の下がる思いでみています。しかし残念なことに政治に関心を持っている人は皆無と言って良いと思います。(まあ私も偉そうなことは言えませんが(^^; )
この政治無関心が小泉・竹中路線の突っ走りにつながってしまい結果として私たちの首を絞めていることになったと思います。
関様も折に触れて学生さんに政治に関心を持たせてください。
ところで2兆円給付についてですが、前にも述べたように、このブログも含めて多くの世論ほど私は批判的ではありません。5段階評価で言えば「2」をつけます。決して不可の「1」ではありません。もちろん為政者が評価「2」の政策を実行することについては大いなる問題があるのは事実です。でもこのお金はワーキングプアの人たちにほんのわずかですが絶対に慈雨となると思います。それにそもそもこの給付の原資は国民のお金です。しかも円安誘導のために購入した米国債の利子からきています。円安によって作られた円は本来国民に勧化すべきところを円キャリで米国に流れバブルを作り出し、金融危機を招いて派遣切りにつながりました。その結果私たちは2重に金をむしり取られたのです。合計で7,80兆円だと私は思っています。すなわち国民一人頭7,80万円、5人所帯で考えれば1所帯350~400万円です。そこから5,6万円を返してもらうと言うことです。その意味で給付は当たり前の政策だと言える側面を持っています。
しかも円安によって利益をあげた民間企業の分は入っていません。民間の分を含めると700~750兆円になると言われています。すなわち1所帯3500万円です。これだけの金が米国に流れれば、当然日本は貧しくなります。しかもこの金で米国のバブルを作り破綻させ、そのつけは国民に押しつけられ、特に非正規で働く人たちに塗炭の苦しみを与えているのが現状です。
ところで、非正規職業に就いている人たちは2000万人近くいると言われています。この人達は年収200万円以下が多いようです。もしこの人達が正規であったなら平均年収が400万円とすれば、40兆円。小泉-竹中の失われた5年間で200兆円です。これがグローバル経済の正体だと私は確信しています。まさしく売国政治です。
関様が自由貿易に反対し規制を主張するのは基本的に賛成です。ただそのためには構造改革が必要ですし、針の穴を通すような難しさが予想されます。ケインズ理論を超える新しい経済学の構築も求められるでしょう。また私たち国民も大量生産、大量消費の悪弊を正し、質素だけれど精神的には豊かな生活を送れるような価値観-哲学の再生-を持たねばならないと思います。ブータンは大いに参考になると思います。特に若い人がゲーム機や携帯に興じている姿には精神的な貧しさの象徴のような印象を持ちます。
私が考える「2兆円給付をこう使う」については、やはり貧困対策になります。根本的な貧困対策はポイントが2つあります。第1は当面の生活費の給付であり第2は給料を増やすためのスキルアップになります。具体的には住む場所がネット喫茶か路上になっている人を対象に住む場所の確保をする。格安アパートを国費で借り上げるとか地震などの災害用住宅を用意するとか考えられると思います。第2はキャリアー確保のための教育(研修)の実施になるでしょう。職業訓練校、職業訓練大学校、工業、農業高校に夜間部を開設し、主に資格取得を目的にした勉強をしてもらう。たとえば電気工事士や測量士、危険物など色々考えられるでしょう。これらの資格を取得した者は比較的安定した企業には正規職員として雇用するよう行政指導を行うようにします。指導者は現場教員だけでは負担が大きすぎるので、定年を迎えたような第一線を退いた人を当てればよい。これは特に刹那的にその日を暮らしている高校生にとっては良き刺激となる副次的な効果も期待できるのではないでしょうか。
農業高校で学習した人は一定の面積が確保できるような限界集落で農業を自営していただく。そして教育機関としての研修センターを設置し、地元の人の力を借りながら3年ぐらいをめどに自立できることを目指素要にすればよいでしょう。当然その間の生活費は支給しなければなりません。費用を抑えるために、どうせほったらかしにされている人工林の間伐や枝打ち作業や商品になるような木材加工なども行うようにすればよいと思います。これが成功すればモデルとなって、他でもNPOなどが中心となって全国的な取り組みのモデルとなればすばらしいことではないでしょうか。
これをすべてのワーキングプア層をカバーすることは困難でしょうが、ある程度ここで人材を吸収すれば必然的に派遣社員の数が減少しこれらの人たちの価値も高まると思います。大切なことは急増したワーキングプアの人たちに対して緊急的な生活費の給付と収入を増やすためのスキルアップを同時に行うことだと思います。
>やっぱり建築・土木と言う事になるんじゃないでしょうか。
>私が考える「2兆円給付をこう使う」については、やはり貧困対策になります。
私の場合は以下の二点がやはり優先順位が高くなります。
(1)雇用対策としては総予算に占める人件費の割合が高いもの。なるべく機械の出る幕が少ない労働集約的な事業です。
国が公社でもつくって放置人工林の間伐や耕作放棄地の再生による自給率の向上を図るというプランは、この観点から理想的だと思います。
(2)つぎに民間投資を呼び込む波及効果が高いもの。
ここはやはり公的需要によって新エネルギーの波及を促すという戦略が有効でしょう。新エネルギーの基盤整備事業は、土木・建築業界にも発注が回るのでその面でも効果が高いでしょう。
さらに(1)と(2)を適切に組み合わせること。間伐材利用の推進という(1)の事業は、その原材料の高度利用という形で(2)へも波及します。
という皮肉には賛同できません。抜粋された学生さん達の意見全てが間違ってはいないのですし、長期的な視点に立つという考えは多くの人が納得するとは思いますが、そもそも給付金の目的を無視した結論な気がします。給付金の目的は、貧困者を助ける為でも未来産業を育てる為でもなくて、今年度のGDPの急激な減少を下げるということではないでしょうか。給付金を受け取らない人や、給付金を使わずに貯金してしまう人は間違いなくいますが、給付金を消費に回す人は必ずいます。経済効果は確かに低く、長期的な視野にも立っていませんが、GDPの大半が個人消費である現状を考えれば、給付金が個人消費減少のクッションという目的は果たしていると思います。
「給付金法案は長期的な視野に立っていないからだめだ」という反論は筋違いです。そもそも、給付金は短期的な経済効果を期待してるのです。
「給付金は本当に困ってるホームレスの為に使うべきだ!」という反論も筋違いです。給付金法案はホームレスを助けるための法案じゃありません。急激な個人消費の落ち込みを想定したクッションなのですから。
短期の経済効果を期待するからこそ、消費性向の高い定額所得者に優先的に配分し、貯蓄率の高い高額所得者へは支払わないという政策を行うのが正しいと思います。