代替案のための弁証法的空間  Dialectical Space for Alternatives

批判するだけでは未来は見えてこない。代替案を提示し、討論と実践を通して未来社会のあるべき姿を探りたい。

がんばれ籠池泰典! 山城屋和助になるな! 

2017年03月10日 | 長州史観から日本を取り戻す
 事態は「長州閥疑獄」と言うべき様相を呈してきた。
 森友学園に国有地をただ同然で「売却」した当時の財務省・元理財局長の迫田英典氏は山口県豊北町(現下関市)出身、安倍首相から国有地売却が適正か審査をゆだねられている会計検査院長・河戸光彦氏も山口県の出身。
 しかも、河戸会計検査院長はつい最近も安倍首相と会食しているという。これでどうやって第三者の立場で審査できるというのだろう?
 
 昨日の「日刊ゲンダイ」では、山口県の松浦正人防府市長が、大阪府豊中市の旧国有地で小学校開設を目指す籠池氏を、大阪維新の会の中川隆弘府議に紹介したと認めたという事実を報じた。以下の記事。

https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/201002/1

 
 安倍首相の長州閥の地縁互助ネットワークが、国民の資産を私物化し、明治の長州閥が理想とした非立憲主義、祭政一致の「国家神道原理主義体制」を再構築しようとしている様子が浮かび上がってくる。

 3月7日には、国有地8億円値引きの根拠となるゴミが埋め立てられた土の搬出を請け負った土木業者の社長が「自殺」という事件まで発生したそうである。

 BLOGOSの以下の記事参照。  
http://blogos.com/article/213194/ 
 
 ここで声を大にして言いたい。「籠池泰典がんばれ!」と。長州閥ネットワークはトカゲのしっぽ切りよろしく、すべてを籠池氏個人の責任にして追及を逃れようとするだろう。

 嗚呼、籠池氏よ、トカゲの尻尾になるなかれ。

 国民資産の略奪という、この憎むべき犯罪に関与したすべての政治家と官僚たちを洗いざらいに明らかにし、政権を道連れにした上で、「国法を遵守せよ」という教育勅語の精神にしたがって、潔くお縄について欲しい。
 それこそ、「朋友相信(友だちはお互いに信じ合おう)」という教育勅語の徳目に背き、容赦なく友を切り捨てようとしている権力者たちへの、正しい恩返しの仕方であろう。
 
 明治5年の山城屋事件の、悪夢を繰り返してはならない。

 明治5年、長州閥の兵部大輔・山縣有朋は、陸軍省の公金(国民の血税)を、同じ長州閥の御用商人・山城屋和助に貸し付け、山城屋はその公金を生糸相場での投機に用いて、巨額の損失を出した。その損失にもかかわらず、それを取り返そうと山縣はさらに公金を追加で山城屋に貸し付け、山城屋はそのカネでパリで豪遊していた。

 山縣有朋は、事件が発覚すると冷酷に山城屋を切り捨て、その他の長州閥官僚たちも責任を山城屋個人になすりつけ、追及を逃れた。山城屋は証拠書類を全て焼き捨てた上、陸軍省で割腹自殺した。山縣に殺されたといっても過言ではない。
 
 山縣有朋は、山城屋の口を封じることによって追及を逃れ、いったんは失脚したものの、翌年にはすぐに復活して陸軍卿となり、その後、覇王のように明治の政界に君臨するようになったのは周知のとおりである。
 山城屋が、あの時、死ぬのではなく、真実をすべて公に話し、山縣も道連れにしていたら、その後の長州閥支配はなく、今日、安倍政権が君臨することもなかったかも知れない。

 籠池氏は、山城屋の二の舞になってはならない。国会の場ですべてを語り、すべての闇を公に明らかにした上で、政権を道連れに、潔くお縄について欲しい。


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5 コメント

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籠池さんの会見(シブ5時) (りくにす)
2017-03-10 17:53:10
上の人たちへの非難をする場というより、「突然降ってわいた災難」と報道機関への非難と、弁明と、教育に関する自説を披歴する場になるだろうと思っておりましたが、やっぱりその通りになっています。
しゃべってほしい内容と、実際に語られたことが正反対です。
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Unknown (osa-michi2016)
2017-03-10 18:33:49
なるほど。勉強になりました。
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「大きな力」はどこから? (小太郎)
2017-03-11 08:00:42
 関さんの筆力のおかげもあって,安倍氏の正体がここのところ急速にあぶり出しになってきた。それにしても,いったい,この力はどこから働いているのだろうか。
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Unknown (12434)
2017-03-12 22:17:41
「第1章 赤松小三郎の生涯と議会政治の夢」について書きたいと思います。

赤松の生涯は確かに謎が多いですが、近代的な立憲民主主義国家を創るために心血を注いでいたことと、それを支持する人たちが少なくなったことは、事実だと思います。この章は赤松の生涯を分りやすく説明していますが、こういうの詠むと、ますます詳しいことを知りたくなりますね。それは関准教授も同じだとは思いますが。

赤松は武士のなかでも最も地位が低い芦田家に生まれたようですが、貧しくとも勤勉な家庭で育ったことは幸いだったのでしょう。数字から兵学に転向した動機がはっきりしないのが、少し歯痒い気がしました。勝海舟との関係もそうです。この辺を明らかにするのは難しそうです。

非凡な才能もあり努力も人一倍していた印象がありますが、とにかくこの人は運がなかったのでしょう。松平忠固が失脚してしまったのは、運が悪かったとしかいいようがない。しかし、オランダ兵学書の翻訳本が売れなかったのは詰めの甘さだったかもしれません。多額の借金を抱える羽目になったようですが、売れなかった原因が気になるところです。
ただしこのときの失敗が、その後の「英国歩兵練法」の翻訳書の出版の成功に繋がったということでしょう。

この章では、「輿論政治」が重要なキーワードだと思います。今の政治は確かに輿論政治とは程遠いでしょう。自民党の改憲派などは、「一般大衆を上から目線で指導してやろう」という発想なんでしょう。本当に天狗になっているやつは、自分の傲慢な振る舞いを普通だと思っているらしいですが、今の自民党はそれに陥っているのでしょう。

大久保利通と西郷隆盛についての記述も興味深かったです。特にイギリス外交官のアーネス・サトウとのエピソードは必読の内容といえるでしょう。赤松が暗殺された元凶はサトウの存在かもしれません。

最後に東郷平八郎と上村彦之丞が赤松の遺族に弔門に訪れた話ですが、恐らく二人とも赤松暗殺の黒幕を知っていたのでしょうね。気になる点としては、この二人が赤松の憲法構想をどう思っていたかですが、もちろんそれなりに理解していたのではないかと思います。それだけに東郷が暗殺について口を閉ざしたのは残念でなりません。
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あらためて籠池がんばれ ()
2017-03-17 16:22:37
 皆さまコメントありがとうございました。
 昨日の、小池晃さんと福島みずほさんと、晴れやかな表情の籠池さんが並んでマスコミの前に登場した姿は、なかなか微笑ましかったです。証人喚問を期待して見守りましょう。

 
 
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