『麗わしき鬼』は第3週に入り、いよいよ母世代ヒロインに代ってメインヒロインがフロントへ。
でも洵子(富弓=川上麻衣子さんの娘)に扮する金子さやかさん、登場初日の今日はちょっとカラ回り気味でしたねぇ。
設定が高校3年生。父・英矢を「お話したいことがあるのぉ♪」と部屋に連れ込み…いや、引っ張り込み…じゃなくてその、「来てちょうだい」と言って、“ワタシはパパが大好きなのに、学校の友達はお父さんが汚らしくて臭くて大嫌いと言う。ワタシが中学までパパとお風呂に入ってたと言ったら、おかしいと言われた。ワタシおかしいのかしら?”と質問する場面は(日本全国から「そうだ!おかしい!」というツッコミが聞こえてきそうではあったが)、先の展開を考えると、かなり重要なシーンだったと思うのですが、実年齢24歳の金子さん、“無邪気な女学生っぽさ”を意識するあまりか声を張り過ぎて、英矢役・増沢望さんと芝居の地合いがまるで合わず浮きっ放し。
「仲良くしなイって」「洗わなイって」…いちいちアクセント置くべきじゃないところに置いてるから、なんだか幼くして母親に去られた分、父への愛慕が強すぎる娘と言うより、若々しい中年男性(増沢さんがまた、設定50代のはずなのに若くてしょうがないんだコレ)に媚を売るませギャルみたい。
20代中盤になっても少女っぽいコスプレが似合う女優さんは確かにいますが、金子さんのミニスカ紺ハイソはまぁ…ギリギリですな。OP映像のスチールにもある通り、洵子ともうひとりのヒロイン悠子(時子=大沢逸美さんの娘)との学園生活でのからみは今作の売りのひとつのはずですが、ヴィジュアル的には暑苦しいというか、キツそうな予感。悠子役は遠野凪子さん、『冬の輪舞』で昼ドラ向きの演技をすでに披露してくれていて、その点は安心できるものの、やはり高校生時代はunder20の女優さんを起用すべきだったような気がします。
一方、2週めに入った『暖流』のほうは、さとうやすえさんのマンガ的な演技があまり目障りでなくなって来ました。何と言ってもこちらは実年齢相応ではあるし、世間知らずで、人からリスペクトされるのが当たり前で育ってきたセレブお嬢が高学歴高キャリア身につけるとあんな感じになるかも、という納得性も徐々に生まれてきた。脇の俳優さんたちの力もありますが、実在のクラシック建築を撮影場所に使っていると思しき、志摩総合病院の外観・内陣の大時代性が効いています。
1話でセリフ無し、介抱されるだけの役でもったいないなぁと思った雪代敬子さんが、今日は改めて啓子をお礼訪問で再登場。無礼だと思っていた日疋が実は迅速な救急通報でサポートしてくれていたことを啓子に知らせる大切な役回りでした。高齢家族が雪代さんを見たら「あんな素敵なおバアちゃまになりたい!」と絶対言いそうだけど、手遅れだね、っと。
先週の第5話では、病院ロビーで元ヤン風患者に「ワタクシのお財布盗んだでしょ」とあらぬ疑いをかけて騒ぎを起こす高慢な代議士夫人役で、元宝塚娘役トップにして資生堂81年冬のキャンペーン『A面で恋をして』イメージガールだった美雪花代さんも(年齢相応に)衰えぬ美貌で出演されていました。
やっぱり毎日必ず何かかんか進展とサプライズのある昼ドラの待ち時間が、月河は好きなんだなぁ。