こうしている間にも、原油・ガソリン価格はどんどん右肩上がりに高騰しているわけです。
2~3日前NHK全国版ニュースでも映像付きで報じられた当地の某SSなんかは、価格表示パネルにリッター単価十の位“7”までしか設置してない。リッター180円超は“想定外”なわけ。
もちろん百の位が“2”になることなんかはさらにさらに想定外の外のそのまた彼方でしょう。
先日は当地に寄港する大手フェリー航路が、時速21ノットを20ノットに減速航行することで、片道35~40分遅延する代わり年間3000kl燃料削減するという発表も。
航行速度遅くすれば本当に燃料節約になんの?と、聞いた時は眉にツバつけちゃいましたが、確かに、水や風の抵抗や船体負荷の重量が同じなら、速度が速いほど仕事量は大きくなる。…と物理の時間に習った気がしないでもないでもないでもない。
するとあれか、VTRやHDD録画なんかも、早送りで見ると電気代食うわけか。
………………気分は“羞恥心”。
通常速度で再生した『白と黒』第5話。終盤に、礼子(西原亜希さん)が事故の直後味わった恐怖を語り「見たこともない一葉の目…一葉を、ふたりの友情を信じたかったけど、あのときの目がわたしを苦しめる」「一葉は章吾さんを愛しているのかもしれない、でもそう疑う自分がとても嫌な女だと思ったの」と聖人に自分の認めたくない暗部を打ち明けたことで、だいぶ風通しが良くなった。ただ陰湿な探索行為をしていたのではなく、自分の陰湿さに礼子も苦しんでいた。
「確かめてみようじゃないか、あんたの親友の心の底を」「心配するな、今度こそ本気であんたの力になってやる」と応ずる聖人(佐藤智仁さん)、一葉(大村彩子さん)をめぐる優等生の兄・章吾(小林且弥さん)への嫉妬が根底にあるのか、いずれにせよ2人のベクトルが第一段階、どちらから強要されるでもなく重なり合った。自分の中の“黒”の部分を自覚する同士。これで第2週に臨む焦点が絞れました。
テーピング交換してもらいながら、「初恋の人って章吾さん?…」と探りを入れる礼子から見てまるまる影になる一葉の顔、故意か過失か一葉が手から取り落として直角に床に刺さる鋏など、礼子の心象を台詞の外で映し出す演出が今回も冴えた。
同僚・珠江(斉川あいさん)をどうにかデートに誘おうとしていつも言い出せない天パーの若手研究員・小林(白倉裕二さん)を、聖人が「おまえ、童貞か?」と背後から絡みついてからかうカットが、昨日の次回予告にはあったのに本編ではなし(絡みつく前まではあり)。今年もかなり予告部分が“贅沢”な編集になっているようです。
再放送の『その灯は消さない』は『白と黒』とは対照的に、“家族”と“善意”を全面フィーチャーしたお話ですが、智子(坂口良子さん)の個人的な、女性として直面する問題と、夫・子供(特に“大人の女”としての入口にある長女・律子中心)のそれぞれ抱える、あるいは遭遇する問題とが、常に並列で進行して、ひとつひとつに長々と拘泥しないで先に進んでいるのがいい。
伊豆・伊東の智子実家の兄嫁・陽子(泉晶子さん)や、律子の同僚OL・美香(ひがたともこさん)といった、主人公サイドと利害対立かライバル関係になりそうなポジションにいる人物が、ありがちな戯画化された意地悪キャラやジェラシーキャラに描かれていないのも実に気持ちがいい。危険な匂いのフリー記者・川合(大橋吾郎さん)に、毒舌ながら目をかけてくれる編集長に斉藤暁さん、行きつけのバーのマスターに不破万作さんと、脇役さんたちも“味方についてくれたら心強い”芸達者揃いです。
本放送も、再放送も見応えある作品。久々に「ドラマは昼に限る」と自信をもって言えるクールになりました。