『ゲゲゲの女房』組の、と言うより月河が『ゲゲゲ』で初めて知った俳優さんたち、月河の狭いTV視聴レンジでも最近続々ご活躍でして、小4藍子(菊池和澄さん)担任畑野先生役だった堀内敬子さんが、23日(水)放送の『相棒 season 9』“監察対象杉下右京”で、黒のタイトなスーツ姿も凛々しい女性監察官に扮して登場しました。
庶民的で、子供好きでまじめな市井のベテラン先生といった感じだった畑野先生とは対照的に、一挙手一投足、顔の向きの変え方、目線の切り方にまでテンパリオーラがバリバリ出ている“警察内部のお目付け役”。眼鏡オンになっただけで、髪のかたちや色、長さなどはほとんど同じなんですが、改めて俳優さんってすごいものですね。
この女性監察官、シリーズでも劇場版でも右京さん(水谷豊さん)が“年中やっている”ことに対して、あまりにいちいち「捜査妨害では」「不法侵入では」「情報漏洩では」と小姑みたいにチェック入れてくるので、ウチの非高齢家族なんかはリアルタイムで観ながら「この女が実は(若手証券会社社長毒死事件の)犯人でした、ってオチだったら笑うな」と放送開始17分ぐらいの時点でふざけて言っていたのですが、種を明かしたらソレに限りなく近い結末だったという(倒)。
監察官と、事件の鍵を握る社会部記者(伊東孝明さん)とが高校の同級生同士で男女関係だったというところが若干作為くさかったものの、監察官が携帯してきた資料ファイル画面で、珍しい右京さんの制服写真も拝めたし、神戸くん(及川光博さん)のお誕生日は2月1日、あらこないだ41歳になったばかり?と再確認したり、監察官聴取の席に引っ張りだされることで鑑識米沢(六角精児さん)、捜査一課伊丹(川原和久さん)、角田課長(山西惇さん)とレギュラーそれぞれのキャラや立ち位置が改めて鮮明になったり、大河内首席監察官(神保悟志さん)のラムネボリボリが久々に全開したりで、近来稀に見る大盤振舞い。飽きさせないにもほどがあるエピソードでした。
思い返せば、「監察対象・杉下右京!!」「特命係に迫る危機!!」と、パートカラーのでかいテロップに感嘆符てんこ盛り、痛快なくらい思わせぶりな本編切り貼り動画に監察官の「釈明する気は無いということですか?」に右京さんのプルプル顔で締めた、前週の“次回予告”の時点でほぼ“勝ったも同然”でしたね。劇場版Ⅱで起きたアンナことやコンナ顛末もあるし、いよいよ右京さんガチ懲戒免職の危機か?…いやいやまだseason 9、3週残してそれだけはあるわけないわ…でもね…とひとつまみの落ち着かなさをサラサラ振りかけて一週間引っ張った。
欲を言えば堀内さんの女性監察官が、最初からかなりいっぱいいっぱいめで、特命係を包む劇場版Ⅱ由来の“状況変化”を考慮しても、右京さんと四つに組んで互角級の相手に見えなかったのがもったいないと言えばもったいない。非高齢組の上記のおふざけ予想通りになるか、さもなければ“最終的に感服して握手、撤収”か、どっちかにしかなりようがない感じでした。月河はどちらかと言うと後者寄りの予想で視聴していたんですけどね。完敗。でも敗けて悔いなし。
ちなみにこの週、『相棒』放送開始2000年(01年までは土曜ワイド劇場で単発)以来の最高視聴率を記録したそうです。『ゲゲゲ』OGの堀内さんのゲストイン回で達成したと思うと、ちょっと嬉しいような気も。
ちなみに来週(3月2日)は透きとおるような下宿人・中森さん役だった中村靖日さんも『相棒』に来演。予告からすると役どころは、陣川くん(原田龍二さん)がまた良かれと思って関わって面倒を引き起こす相手らしいですが、陣川くんと言えば美女がつきもの。ボンドガールならぬジンカワガール。まさか、中村さんが引き連れてくる展開ではないと思いますが。