NHK朝ドラ『だんだん』に浪速大学医学部長…ではなくて京都医大の産婦人科教授・後藤先生として伊武雅刀さんが登場。宍道湖サイドの吉田栄作さんとは91年『もう誰も愛さない』の王小龍つながりで奇遇だなあと思ったら、戸籍上の父役だった佐川満男さんも遊覧船船長の役で第3話から出演されていました。
しかもこちらはめぐみ(三倉、えーと…茉奈さん)の音楽ユニット“シジミジル”仲間で、めぐみラブが主動機で音楽を続けている康太(久保山知洋さん)の父親役ですから、吉田さんが扮するめぐみ父・忠とは“パパ友”ということになる。
しかもしかも、公式サイトによると、忠の母親(=めぐみのお祖母ちゃん)・初枝さん(三林京子さん)にほのかに恋心、という設定らしい。
佐川さん目線で言えば、17年かかって、役柄上の息子世代と同世代に下りてきて、慕情のベクトルはもう一世代上に向かっていると。
……俄かに理解しがたいこの人間関係。ほとんど昼ドラだろうと。
しかしまぁ仕方がないかな。2000年時点で18歳の誕生日を迎えるめぐみが1982年生まれ。物心ついてからはポストバブル後の“日本の落日”しか見てこなかった、大人たちの希望や自信・自負が、どんどんぐらつき色褪せて行く過程しか見せられなかった世代です。
それに比べれば、もし20歳そこそこでめぐみ・のぞみ(三倉佳奈さん)双子を授かったとすれば1960~62年生まれの忠父さんのほうが、ずっとドラマチックな人生を送っているだろうと思うのです。
ドラマを制作している人たちも、たぶん忠や、元妻の京都サイド花雪さん姉さん(石田ひかりさん)、忠の再婚妻・嘉子(鈴木砂羽さん)世代の青春や挫折を経た現在のほうに物語性を感じ、より濃く描きたい気持ちはあるのだと思う。でもいまのドラマは“これから世代”のほうを主役にせざるを得ないですからね。
最近ちょっと「うまく年とってるなぁ」と思ったのはパナソニックムービーカメラ・HS100CMの中原丈雄さん。「いままで生きて来た中で、いちばん幸せな日かもしれない」と、孫の誕生にムービー構えて走るお祖父ちゃん。「オレにそっくりだ…!」って、どこが!赤ん坊なんですけど。
中原さんと言えば1980年~90年代のバブル期には「職業、アーキテクト(建築家)。…妻、同級生。…休日、少年になる。…男は、こうありたいね。」のアメリカン・エクスプレスカードのCMで、当時六本木辺りでブイブイ言わせていたカタカナ職業のスノッブ男のキャラを演じていましたよね。妻が同級生って、何を威張ることがあるのだ?と当時の月河は思っていたのですが、親が見合いを薦めてくれるような階層の子弟以外は、ナンパか合コンしか配偶者ゲットの機会がない時代が続いて今日に至っています。
その後の中原さん、96年の昼ドラ『風の行方』、01年の同『女優・杏子』で、微妙に色合い異なりつつも基本はオンナ蕩しの小説家、03~04年『白い巨塔』では政治力でこれまたブイブイの日本外科学会会長・東都大学船尾教授。そして「男は、こうありたいね。」から通算約20年後に孫ラブラブダッシュのお祖父ちゃん、って理想的な年の重ね方ではありませんか。この感じでもう一度昼にカムバックしてくれないかしら。
とりあえず東教授にご感想を伺いたいものですが。
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