CMの役割は“商品や企業名を認知してもらい好感持ってもらう”→“買いたい気にさせる”なのはわかります。
うすら寒い小芝居仕立てが異常に豪華なキャスティングだったり、いま風のサウンドのBGMが、よく聴くと懐かしいヒット曲や高尚なクラシックナンバーだったりして戸惑うこともありますが、「すべては視聴者に強力に認知させ、ライバル他社のそれより鮮明に覚えさせるため」と思えば納得がいく。
だから逆に、“宣伝したい、認知させたい商品じゃない物”がCM内に映り込んでいたり、小道具として使われていたりすると「おこぼれ宣伝・ついでに宣伝狙いかしら」「むしろオブラートにくるんだ“ネガティヴキャンペーン”かしらん」と、妙に気になったりする。
いちばんわかりやすいのは、お年を召しても元気現役で、テロップの「〇〇才(取材当時)」にしてはまだまだお美しい女優さんが「△△社のコレを飲んで私はこんなにイキイキ」と満面の笑みで柔軟体操やジョギングなどしているCMで、女優さんが着ているカラフルでスマートなトレーニングウェアやシューズ。
あれ、“△△社のコレ”を申し込むフリーダイヤルに、相当数「女優さんのあのウェアはどこのブランドですか、どこで売っていますか」の問い合わせも来ていると思いますよ。
それから、小島瑠璃子さんが「マツタケの味お吸い物で、チャチャチャ!」というCM、
“主役”であるドライ粉末タイプのお吸い物の素よりも、鍋からドバーとスローモーションでひっくり返される茹でたてパスタのほうがずっと美味しそうに見えるのですが、本来、お椀に熱湯を注いで飲むお吸い物の素の、これは裏ワザ的使用法であって、ふりかけやインスタント食品の老舗のこのメーカーでは、パスタは作っていません。
自社製品(お吸い物の素)の使い道の豊富さを宣伝しているつもりが、併せて「ソースもフライパンも要らずに手軽に美味しく食べられるパスタ」の宣伝にもなっている。
パスタメーカーや原料粉業者、ひいてはパスタ鍋メーカーなども少なからず、このCMには協賛つまり広告宣伝費を提供しているのではないでしょうか。ていうか、してないならすべきではないでしょうか。あなどれないアピール力ですよ。
いまいちばん気になっているのは、広瀬アリスさんが、美容室の予約を電話でしようとしている阿部寛さんに「時間外ってのもありますが、それ、電話じゃなくて羊羹ですから」とバッサリいくリクルートのCMです。
あれ、全日本羊羹組合(あるのか)から、クレーム的なものは来てないんでしょうか。「歴史と伝統に輝く日本の銘菓・羊羹を“役に立たないモノの代表”みたいに扱うとはケシカラン」「子供が真似したらどうするんだ」「ノロウイルスの問題もあるのに手づかみなんて食品衛生にも悖る」・・とかなんとか。
少なくともあのCM、見終わった後、“ほっとぺっぱーびゅーてぃー”なる、スマホ持ちでない月河にはどこが便利なのかさっぱりわからないサービスより、ひと棹(さお)“ホールサイズ”のヨウカンのほうが強烈に印象に残るんですが。
月河が和菓子、特に“小豆(あずき)系”に目がないせいもありますけど、印象に残りついでに、普通に食べたくなりますよヨウカン。地味に売り上げに貢献してるんじゃないですか。バレンタインデーのチョコレート、ホワイトデーのクッキーその他と違って、羊羹をプロモするイベントっていままでついぞなかったですからね。意外にマーケットのニッチをついているかもしれない。全日本羊羹組合(だからあるのか)のご意見や如何に。
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