イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

裸のボン‐ジョヴィ

2009-05-27 00:07:23 | お笑い

『爆笑オンエアバトル』22日放送回は、むしろオンエア8組中、下位の組により精彩があったように思います。

8385kbでみずから「ギリギリGEESE」とB’zの曲のような自虐りかたをしていたTHE GEESEで、実は今回いちばん笑かしてもらいました。

町工場の機械部品名や、製品名として、洋・邦楽のアーティスト名が続々出てくるというナンセンスきわまりないネタなのですが、新入工員として来た高佐が、出会いがしらなんだかさっぱりわけがわからないながらも、尾関に言われるままちゃんと対応できているというトボけた可笑しさがなんとも。

「“オレンジレンジ”って、あのバンドと関係あるんですか」「バンド?そんなのいるのか、関係ねぇだろ」「“ダ・パンプ”ってのもいるんですよね」「“制御レバー”ってのもいるのか」「それはさすがにいないですけど」「だったらただの偶然だろ」…ツカみのこのやりとりで完全に軌道に乗せて、観客を「“ただの偶然”…これはなんでもアリだぞ」「どこまでアリか見せてもらいたい」前のめりにさせた。

しかも要所要所で“TMレボリューション”=ものっすごい風が来る、“globe”を「出しちゃいけないやつ」、「スティービー・ワンダーの中にジェロが混じってんだろ、間違いやすいから気をつけろ」、あるいは「インジョン?」「インスタントジョンソンだよ、ジャンルが違うんだから、向こうに放っとけ」など、「あるある!」「そりゃそうだろ」と思わせる“無意味の中の意味”を織り交ぜるバランス感覚も抜群。

今回、似たような地合いのツィンテルがあまり笑えず、THE GEESEで笑えたのは、前述したように高佐の“巻き込まれ・なし崩し対応”演技に一日の長があったこともあるし、全面べたっと無意味と見せて、意味整合性ある要素を微量混ぜ、間隔をおいて配置する、このセンスの差だと思います。うまく言えないんだけどツィンテル、たとえば「きれいな夕焼け空…ゴルゴンゾラだなぁ」で、かりにゴルゴンゾラチーズが夕焼け空を思わせる橙色のチーズだったとしたら、ここは意味整合性のスパイスとして効いてくるのです。意味に踏み込まず、ただ語呂が似ているものを羅列しているだけだから、「結局駄洒落じゃん」と盛り下がってしまう。

ただTHE GEESE、惜しむらくは「この工場明日閉鎖なんだわ」~オチ、までの流れが激しく低調だった。結局やっぱり音楽かい!という反転の図式は正解なのですが、「のちのコブクロである。」より、高佐が「じゃあバンド名“制御レバー”にしましょう」でよかったんじゃないかな。事務所後輩(←前所属事務所での芸歴も入れると先輩らしい)の夙川アトムに、何か義理でもあって、声だけ出番作ったのかな。

7393kbブロードキャスト、前年度末に連続over 500で勢いづいて臨んだセミファイナルが、地元愛知収録だったわりには凡退(10組中7位)、年度替わりでどう出てくるかと思っていたら、豊川悦司さん似の、目が笑わないボケ吉村が暴走重ねて、黒縁眼鏡茫洋いい人キャラのツッコミ房野が振り回されるいつもの流れ。

「かていにえんまんまいもどる」のオチもきれいに決まっていたと思うんですが、300台にとどまった理由を無理くり探すとすれば、子供と遊ぶネタから浮気発覚ネタに切り替えた直後の「縄文式!」があまりに寒かったのが、後々微量尾を引いたか。「ウ○コ投げる、オ○ッコひっかける」のくだりもちょっと、下品と言うより雑に過ぎたかも。

07年後半以降、出来に凹凸はありながら連勝が続いていますが、前半でツカみ損なう(観客からすれば“ツカまれ損なう”)と徹底的に空回って終わる傾向は変わっていません。月河、個人的には、笑わない目でホスト風光りものスーツで(←これでも前より地味になったほう)、ドスをのんだようにボケ続ける吉村の“ノリつつ醒めてる”感じ、一応実年齢・学年先輩な吉村に「~でしょう」「~ませんよ」と丁寧語でツッコむ房野のまったり感、腰引け感、かなり好きなんですが。

同点6417kb朝倉小松崎ヒカリゴケ2組並びました。前者はギター合いの手つき刑事ドラマコント漫才、後者は叔父甥の振りから合コンネタと、ともに“いつもの感じ”でしたが、定番“カッコいい”甥のツッコミ国沢と、“かわいそう”な叔父のボケ片山、国沢が「オレもボケたい。ボケのほうが目立つやん」と振って、“合コンにおける立場を入れ替えてみる”という設定に持ち込んだヒカリゴケのほうがより笑えました。納得し合ってスタートした設定なのに、いつも自分が言っている「カッコいいでしょ?こいつカッコいいと思って調子乗ってるんですよ」を国沢から言われリアルにうろたえたり、こそばゆがったりの片山がキュートでした。

朝倉小松崎は、ギターボケの朝倉が髪型を変えて“大物感のないムッシュかまやつの末裔”みたいになってた。小松崎の身体的キレは相変わらず上々でしたが、他組と差別化する売りであるはずの、朝倉のギターの音のアピール力が、今回もうひとつだったように思います。音響の技術的な問題かもしれない。

ネタOA前の小松宏司アナの紹介フレーズ「コード(高度)な笑いはメジャーかな?」が地味に頑張ってましたね。山手線・京浜東北線と乗り継いだ犯人追跡の後半は、ななめ45°岡安が乱入してきそうだった。

今回、『爆笑トライアウト』(2日放送)勝ち上がり3組、プリンセス金魚クロンモロン山陽ピッツァがいずれも300台前半~200台の低評価でオフエアだったのはちょっと残念でした。敗者コメントではそれぞれ「やはり(トライアウトやライブとは)勝手が違う」「空気が違う」「すごい緊張した」と感想をもらしており、『トライアウト』で高評価された勢いで『オンバト』突破とはなかなかいかないものなんだなと、視聴者としても認識を新たにしました。

何より今年度から採用された言わば“小選挙区制”により、ある意味「会場1位以外はみな敗者」という厳格さが加わったことは確実に収録前や楽屋での空気を変えでしょう。

今回マシンガンズのトークを交えてあらためて解説された視聴者投票1位バトルも、早い話が1年度通じてやってみなければ、どの程度『オンバト』全体に貢献するかわかりませんね。ちなみに今回は、会場審査4位のが視聴者投票1位。

いつかここで書いたように、会場現場では「見慣れた常連さんの、見慣れたお約束持ちギャグがナマで見れた」という高揚感で玉が入る“顔玉”“名前玉”が一定率必ずあるのですが、もし視聴者投票バトルからの年間チャンピオン誕生なんてことになったら、「TVで観てた人の感覚がいちばん正解だった」ということになり、ちょっと嬉しいですけれどね。

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