イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

バスガス爆発

2009-05-26 00:31:35 | お笑い

22日放送の『爆笑オンエアバトル』での、前週視聴者投票バトル勝ち上がり・マシンガンズのトークで、彼らが「“オンバトの客のジャッジペーパーが腹立つ”というネタをやったにもかかわらず、まだ悪口書いてくる客がいる」とカメラ前でビラビラさせていたのが懐かしかった。2001年に地元収録で会場審査員をやったとき、収録入り前の要領説明で「こうやって1組分ずつ(短冊状に)切って、それぞれの芸人さんにぜんぶ渡しますから、心をこめて、忌憚無く書いてください」と、総合構成の井上頌一さんから教わった記憶が。

そうか手渡しされるのか、じゃあひょっとしたら、まだいまいちなポジションにいる贔屓のあの芸人さんが「01年○月のアノ会場のジャジペのひと言が刺激になって、ひと皮剥けた」なんてこともあるかも…と、次演順の組のネタ時間に食い込む勢いで一生懸命鉛筆走らせたものです。

あれから8年、まだこういう、手書き→出場芸人ごとに切り分けて→芸人ごとに束ねて→手渡す、というアナログな方法を続けているんですね。多士済々、群雄割拠盛り上がっている時期と、顔触れ内容レベルともにやや低調な時期、波はありつつも『オンバト』がネタ番組としていまだ魅力を失わないのは、この頑固ともいえるアナログ感かもしれません。

 それにしてもこの回、ノンスモーキン1505kbにはびっくりしましたね。07年・08年ともに、秋ぐらいまでは“もうひと押しあればチャンピオン大会”圏にいたのに、押さなかったのか押せなかったのか、進出メンバーが絞れてくるとアレ?なぜかいないという年が続いたので、各回会場1位のみ一発で進出決定のこの方式のほうが有利かな、と思ってはいたのですが、新方式2回めでこうもあっさり決まるとは。

 ネタそのものは、アバンタイトルで中尾が黒髪になっていたことにびっくりした以上のインパクトは、正直ありませんでした。この組、既視聴のネタは、ぶっぱじけたバカバカしさの“ジャンケン大王”“伯爵の館”か、飄々すっとぼけた指漫才かどっちかで、今回は中間を行ったか、終盤までは可もなく不可もなし。しかし「まだ終われねぇだろ」の後の蒲田行進曲で強烈に盛り返した。ここで会場の空気がきれいに解放されたのが、録画視聴でも伝わってきました。

 「脚本三谷幸喜」のオチもさほどの切れはなかったけど、ネタ中しつこく“野球部5人”を出し続けてきたことが「校長と教頭」のナンセンスさに活きたし、何より今回、彼らのネタ見せ演順が出場15組中11番手で、前の組が7番手プラスマイナス10番手クロンモロンまで、4組連続200kb300kb台前半でオフエアだったんですね。かなり会場に“いい加減笑かしてほしい”ガスが貯留していたはず。ここに点火燃焼させることができたのは、ご本人たち、特に中尾が回顧しているように「ラッキー」だった。彼らのネタの中ではさほどの破壊力と思えない、あのネタで505まで飛距離出たんだから、量として相当なガスだったはずですよ。一昨年だったか、5位オンエアの組が辞退し繰り上げオンエアということもあったし、地味に“持ってる”人たちなのかも。ここでツキを使い果たしてはほしくないですね。

菊池「チャンピオン大会ではトータル(テンボス)さんに重い風邪をひいていただいて…」は新型インフル騒動中にちょこっと不謹慎かなと思いましたが、収録時はまだ日本上陸してなかったのだろうな。

 演順効果と言えばトップバッターのアイデンティティ445kb2位。ネタとしてはボケの数もじゅうぶんだし、悪くなかったけど、2人ともそこはかとなく顔が怖いし暗いんだな。微笑ましくて当たり前の幼稚園先生と園児ネタを、ブラックに転じて笑いと成すほどの強力な磁場もない。

 以前のオンエアでも思ったのですが、もっと2人のキャラの違いを鮮明にしていったほうがいい。あと、ボケ田嶋の声、ところどころ“張らないにもほどがある”。ここを改善しただけで、たとえばツカみの「やなわらぱー」「得意中の6位」など、同じ単打でも、“球速”がかなり出るはず。「チョコチョコペンペンペン」の突如な意味のなさは、流れ星ちゅうえいの“突然一発ギャグ”「オッチョコチョコチョイチョイチョイ」を髣髴させるキレ、ヌケがあった。あの声をもっと使ってほしい。

3429kbツィンテルは、イタリア語と韓国語の料理名で台詞をかためた、知的に人をくったコントでしたが、気がつけば「要するにぜんぶ駄洒落じゃん」。

イタリアから韓国に行った段階で「料理名の情報がない国に行ってオチだな」と読めてしまった。イタリア篇での「丸ゲリータ!」韓国篇での「ユッケ~!」の挟み方タイミング、「この短時間で腕を上げたな」、イタリア篇での「ゴッドファーザー」が韓国篇ではすんなり「オモニ」になるなど、コント師らしいリズム感、言語神経も感じられたので、次回はこういう平面的羅列のネタでなく、もっと局面展開のあるネタを見たいところ。

それはそうと、この組のコンビ名を聞くと、脳内で自然に「…入っテル」と補完してしまいますね。

 4425kbは、ちょっとアンタッチャブルのM1でのネタに似すぎで損したかな。演りとしては最近のこの組の中ではうまくいっていたと思いますが、ここまでアンタッチャブルに似ていると、逆に“結局顔芸”という狭さが目立ってしまう。同じ“巨体系”でも、タイムマシーン3号関太は見かけるようになって4年ぐらいで慣れ拒否感が抜けたけど、長友は巨体プラス“キモカワ系”も入っているせいか、どうもいまだに、ネタ単体で楽しめないのです。

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