イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

ヨコ目に非(あら)ずと書いて

2018-01-21 19:17:09 | 芸能ネタ

 “無期限休養”じゃダメだったんでしょうか。

 宣言するにしても“引退”はないだろうという気がしますけどね、小室哲哉さん。

 作曲家、編曲家、プロデューサー、ユニットのVo.&キーボードといろんな顔を持っていますが、基本“アーティスト”でしょうに。

 アーティストとなると、望んで努力して就く“職業”でなく“業(ごう)”ですから、たとえ一本もオファーが来なくなっても、作った曲や演奏が一銭の金にも代えられなくなっても、アーティストに生れついた人がアーティストであることを“やめる”=“引退”は、命ある限り不可能だと思うんですが。

 看板掲げて→オファーを受けて→納期までに仕上げて→ギャラもらう、という経済活動を当面休みます、復帰の時期は決めません、とだけ宣言すればいいと思うんです。アーティストなら、体調が悪かろうが身辺がゴタついていようが、どのみち何を見ても何を聞いても、オッと閃いて楽想を得て曲にするという行為を、ずーーーっとしないでいられるとは思えない。皮膚感覚も脳神経系統も、それをするようにできているんですから。

 この会見の二日後にビートたけしさんが『7daysニュースキャスター』で「客が一人でもいたらそこ行って(芸を)やるんだよ」「芸人に引退はない」という意味の事を言っていて、小室さんの宣言にはネガティヴでしたが、芸人よりもしんどい、客が一人もいなくなってもやめられないのがアーティストという業(ごう)です。「バカは死ななきゃ治らない」と言いますが、アーティストも死ななきゃアーティストでなくなることはできない。

 人一倍華やかで羨まれても、その分、苦難の多い星を背負って生まれちゃったんだから小室さんしょうがない。引退したっていまさら、誰にも道で振り返られない、写真も撮られない無名の一般民間人に戻れるわけはないんですが、それでも“休養宣言”よりは“引退宣言”のほうがマークがゆるくなると思ったんでしょうか。たぶん今ごろ「引退とか言うんじゃなかったかなぁ」と少し後悔しながら、その後悔が♪いうンじゃなかったかなァ~~と曲になったりしてるんじゃないでしょうか。いやわからないけど。

 あと、月河はちょうどTKサウンド全盛の頃がいちばん邦楽ヒットチャートを聴かない時期だったので、個々の楽曲をいちいちチェックしていないんですが、当時から小室さんの歌詞って日本語がちょっとおかしくない?「時代はあなたに委ねてる」って文法がヘンだよね?と一部で(一部でですよ)言われていた通り、この人、話し言葉もやはり日本語が微量おかしいですね。間違ってるという意味のおかしいじゃなくて、何というか、組み立てるネジが曲がったまま押し込んじゃったので全体がゆがんでるような、建物に例えると床にパチンコ玉を置いたら自然にころがる欠陥住宅みたいな、言葉数を連ね増築に増築を重ねるほどヘンな隙間が増えて風が吹くたびミシミシいうみたいな、ゆるくて建てつけの悪い日本語を話す人ですな。

 基本、語彙があんまり無いんでしょう。鉄骨も角材もモルタルも絶対量がない。ないのに増築する。一時間四十分喋り通し。「この機会に音楽の世界から退くということが、ボクの罪なのかなと」は一瞬聞き間違えたかと思ったけど字幕でもそうなってた。そこに“罪”はないでしょう。“贖罪(しょくざい)”で硬ければ“償い”って浮かばなかったかな。

 それから、今回の小室さんの件で彼のファンの皆さんからは「潰れろ」「廃刊しろ」と叩かれまくっている週刊文春砲。砲は要らないか。いろいろな考え方はあるでしょうが、月河はよくやったと思います。ここのところ有名人の不倫報道のたび、外野の言論が「不倫良くない」「人として許せない」「ご家族やお子さんがかわいそう」以外言っちゃダメみたいな雰囲気にある中、敢えて「これでも不倫許せないと断罪できるか?」ギリギリにかなり近い事案を、伏せることなく表沙汰にしてぶつけてきた。

 90年代中盤頃の、飛ぶ鳥落とす勢いでブイブイ言わせてた頃の小室さんに同じ報道が出たら、「許せん、小室この野郎」一色になったはずです。往時の勢いは失せ、カネ詰まりで詐欺まで犯し、三人めの奥さんは病気の後遺症に苦しみ、自分も音楽家生命にかかわる聴力の疾患をわずらい、弱り目に祟り目のかつてのスターが、モデルでもアイドルでもキャバ嬢でもない、一般人の看護師さんと自宅お泊まり、これでも「不倫だから悪い、許せない」って決めつけられますか皆さん?という問題提起を、事案にふさわしい、客層にも似つかわしい、非常にゲスな、品下がった手法で実行してくれた。

 たぶんすでに編集部に脅迫電話や爆破予告など殺到していると思いますが、こういう報道は身体はって、命がけでやらなきゃいけません(自分の命じゃないから簡単に言ってますが)。ゴシップ報道はとことん悪質でないと。当事者が引退宣言してしまったことでムダな達成感などゆめゆめ持たずに、続報、頑張っていただきたいものです。

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