このところちょっと昼帯ドラマが放置になっていますが、『非婚同盟』は第5週21話まで来ています。おしゃまな昭和っ娘ちゃんたちに会えるのもあと僅かの様子。
中一の由起子ちゃん(林愛夏さん)が「絶対に結婚はしないわ、当然子供も産まないわ」と息巻く必要はなく、要は経済自立すればいいのです。
絹子ママ(いとうまい子さん)がいまはの際に「結婚は女を幸せにしないわ」と言い残したのは、勝手だ侮辱だ言っても猪士郎さんの財力の庇護のもとにいないと、家政婦さん任せでワイン飲んでぬくぬく暮らせないから、妾を囲われようと子供をつくられようと、屋敷内での同居を強いられようと言い返せず忍耐するしかなかったわけで、「アナタがこの家で好きになさりたいなら、私は好かないから別に暮らします」と言える自分の家と定収入があれば、同居も夜のお世話も何でもバンバン断れる。今後は成長した由起子、小百合(近藤エマさん)が、経済問題なのだと気がついてからの変化に興味が集まります。住まいも暮らしも趣味娯楽も、男の財力をたのむことなく自力でいくらでも好きにできるようになって初めて「自分の人生に本当に男は、結婚は不要なのか、害悪なのか」という問いが意味を持ってくる。
由起子たちに事あるごとに「あんたは奴隷よ」「奴隷らしくしなさい」とからかわれながらも、お菓子やお寿司のお相伴にはありつくわお兄様の登山旅行に同行させてもらうわ、なんか恩恵のほうが大きそうな和子(南川あるさん)との不思議な友人関係も、成人後どうなるのかな。貧乏で両親の夫婦仲が悪く一見最悪の養育環境かと思いきや、父親の紙芝居屋(宮本敦士さん)が生活力ないなりにどっか突き抜けていて天真爛漫だった分か、和子ちゃんも意外にいじけてないし暗くもなく、お嬢さまたち相手にもタメグチだし、ある意味いちばん伸び伸びしているかも。
中島丈博さんの昼ドラは、原作なしのオリジナルの場合特に、女性同士のフレンドシップやパートナーシップ、あるいは同族嫌悪や相互補完関係の捉え方表現され方が、同性愛とかトランスジェンダーとかを超越して非常にユニークなので、今作もここが今後の肝になりそう。たぶん中島さんの、崇敬と畏怖込みの本質的女性観が表れているのでしょう。ありがちな、2人もしくは3人で同じ男性を好きになって奪い合い譲り合いみたいな図式では済まないはずです(済んだりして)。
『サギ師リリ子』も同話数消化しましたが、どう考えても、一週5話完結の月曜と金曜、及び金曜本編後の次週予告だけ視聴すればたくさんな話みたい。リリ子(雛形あきこさん)が、よしっ乗った!と加わるゴト(=詐欺案件)が、“私怨解消代行”みたいになっていて、コンプリートしてもあまりカタルシスがない。リリ子の女友達と不倫関係になって別居した旦那(井上康さん)との離婚・養育権問題が片付いたら、かりんちゃんもなついている情報屋研介(大浦龍宇一さん)といいムードになるのかならないのか…などゴト以外のリリ子プライベートも本筋をあまり盛り上げていない感じ。
思うに、ゴト師チームの天敵である“警察”代表のキャラが一人もレギュラーインしていないからではないでしょうか。やはり、「失敗すれば手が後ろに回る」という緊迫感が要所要所で覗かないと、詐欺ものは成功と言うより成立しないと思う。せっかくOPで、リリ子人形が警視庁前まで来るとダッシュ(?)で逃げているのですから。
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