イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

赤ギザギザくん

2008-12-08 23:28:39 | 特撮・ヒーロー

最近引っ越した知人から「65型の液晶テレビを入れたがロクなコンテンツがない」と、“喧嘩売ってんのか”と思うような電話がかかってきました。

“アホみたいな大画面で観たらどんなことになるか”とかねて思っているソフトがあれば、ウチのコレを実験台にぜひ観てくれ。つか見せてくれ」と言うので、酒とメシはそっち持ちであろうな?と確認すると「帰りのタクシーまで持つ」と言うので、同じマンション内の同じ間取りのお宅のリビングで50型までは体験済みなので、65型@戸建ては初めてだし話のタネにと乗っかることに。

いやね、ロクなコンテンツがないと知人も嘆くわけだわ。売られた喧嘩は買うほうなのでここに書いちゃいますが、戸建てっつったってねアナタ、猫の額ほどのシロモノですからね。あー書いちゃった。いやほんと。そこに65型どっかり設置したと思いねぇ。リビングとか茶の間と言うより、いやそもそも人間の居住空間と言うより、悪の秘密組織の洗脳実験室みたい。テレビ放送番組や映像配信ソフトを鑑賞しているという気がしないんですよ。

一応テーブルもソファも座椅子もあるのに、65型テレビ様の前ではゴミクズの様にちっちゃい。室内に自分と画面しか存在しない感じ。

でもって、そういうお誘いというかお願いが来たときに限って、“アホみたいな大画面推奨”なDVDタイトルがすいっと出てこないんだな。ヤッコさん、いとうあいこさん目当てで『愛讐のロメラ』ウォッチャーだったのを思い出して、『特捜戦隊デカレンジャーVS.爆竜戦隊アバレンジャー』を持ってエマージェンシー。

すごかったですよー。65inでギンジフ星人カザック、トリノイド第零号サウナギンナン、迎え撃つ合体ロボ3体にティラノ、プテラ、トリケラ、ブラキオ、トップゲイラーの爆竜たち勢揃い。出るキャラ出るキャラみんなアホみたいにでかい。ギンナン電池でエネルギーチャージしたサウナギンナンがデズモゾーリャを復活させるか!?のシーンでは本当に観ているこっちが天空に吸い込まれそうでした。

画面の大きさは脇におくとして、久しぶりに『アバレン』らんるちゃんとしてのいとうあいこさんを見ましたが、『デカレン』のツインカムエンジェル(木下あゆ美さん、菊池美香さん)がデジタルなキュートさに満ちているのに比べて、昭和アナログなやわらかさが漂ういとうさんに、女渡世人コスプレを振ったプロデューサーさんナイス判断でしたな。いとうさんみずからの希望だったという、黒地の着物もお似合い。木下さん菊池さんが“いかにもコスプレ”なキャピキャピ感で、これはまたこれで魅力的なんですが、いとうさんだけ『極道の妻たち』にそのままスライドできそうなたたずまいでした。

あと、先日もここで書いたように、近年の東映戦隊でしっかり観た3作品(『デカレン』『マジレン』『ボウケン』)が揃って女性2名体制、現行『ゴーオン』も途中から追加戦士として1名加わっているので、ゴレンジャー以来の伝統“紅一点もの”の戦隊に久しぶりに接すると、やはりどこか微量アンバランスなような気がしてしまうのが不思議ですね。昔は紅一点が当たり前で、何とも思わなかったのですが。

物語世界のヒロイン、準ヒロインが“ヒーローから見て、守って(or矯正して)あげたい存在”におかれることの多い『仮面ライダー』シリーズに対し、戦隊のヒロインは自分も男性メンバーと同等以上の能力を持って共闘する戦士なので、潜在的に“けなげ”“いたいけ”の要素を背負わなければならない。“いたいけ”は、延長していけば結局“イタさ”に至る。イタさと表現するのが適当でなければ、“戦士としての異形性”と言ってもいい。

女性メンバーが2人いれば、キャラ構成要素の中の“異形性”を分担することができる。『デカレン』のジャスミンは“エスパー能力”“そのために幼時舐めたトラウマ”という形で、ウメコは“メンバー中ズバ抜けた低身長”という形で異形性を引き受けた。『マジレン』の芳姉(別府あゆみさん)は“底抜けに楽天家で脳天気”、麗姉(甲斐麻美さん)は“引っ込み思案で考え込みがちな性格”と、ともに“戦士にあるまじき”異形性を持ちながら、それぞれ“でもムードメーカー”“でも本気になると破壊力一番”というプラスのアウトプットでバランスを取った。

2人いると捌き易いのです。『ボウケン』では菜月(中村知世さん)が“ド天然でトラブルメーカー”と、本来なら戦士の資格に悖るキャラかと思いきや、出自の深い秘密を抱えるゆえだった。こなたもうひとりの女性メンバーさくら(末永遙さん)は“能力も責任感もプロフェショナル精神もメンバー一番”と完璧に見せて、“チーフに密かに恋心”と見事にきれいに愛すべき瑕疵を盛り込んだ。

これらWヒロイン戦隊に比べると、分かち持ってくれる2nd女性メンバーがいなかった『アバレン』のイエロー・らんるちゃんは全方位にけなげ、全方位に高能力高モティベーションにならざるを得ず、結果やや薄くなったかなという気がする。物語上、“イタさ”“せつなさ”含みの“異形性”が、特に後半アバレキラー(田中幸太朗さん)に大半持って行かれてしまったこともあるでしょう。

久々のVS.シネマでいろいろ考えました。それにしてもデカのテーマ、アバレのテーマが劇中流れるたびに、画面が大きくても小さくても関係ない無尽蔵のワクワク感。年が明けると終章間近となる『ゴーオン』関係のリリースラッシュに入るので、いまから積立貯金しておかないとえらいことになるなぁ。

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