イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

ヴン殴る

2008-11-17 00:18:56 | お笑い

またまた前後しますが『爆笑オンエアバトル』116日(木)放送分も振り返っておきましょう。気がつけば今年ももう残り多くはなくなっているので、チャンピオン大会へのサバイバルも視野に入れないとね。

全回完視聴できていませんが、今期はいままでのところ、かつてのタカアンドトシ、せめてハリガネロックやアンジャッシュ、アンタッチャブル程度の、アタマひとつ抜けた安定株感を発揮する組がまだ出ていないように思うのですが、年末年始を越して、地図が描き換えられるかどうか。

この週の1位はイワイガワ489kb、意外なと言っては常連上位に失礼ですが、最近見た彼らのネタの中でいちばんマンネリ感や無理感が少なくすっきりしていました。ツッコミ井川の“親父がプーなため週7でバイトして面接官やるぐらいのベテランになっちゃった高校生”という設定が、予想以上にしっくり嵌まった。やはり何だかんだ言っても彼らはキャラ芸なので、キャラに合った設定を組めれば“勝ったも同然”ですね。一時はジョニ男のアナクロおやぢだけが独走で、ツッコミが薄いのが難点だったけれど、最近の井川の“勝ちパターン把握っぷり”を見る限り殻一枚破りそうです。

「まいどー」のストリーク461kb2位、北京五輪メダル無しだけでなく二岡選手の写真誌騒動までお詫びしていただきまして、トレード先の地元としてもお礼申し上げます。しかしマイケル中村まで放出してどうするんだと。ちょっと脱線。

「ロベルトベニーニのライフイズビューティフル」→「ロベルトペタジーニのワイフといつもチューしてる」など、山田が“野球でボケる”を前提に、そこから逆算してネタを作っていかなければならない窮屈さは拭えませんが、4ラフ・コントロールの出の一声が客席ほぼ全スルーだったのに対し、こちらのツッコミ吉本の「まいどー!」にはものすごく反応がいい、ここらへん“お約束だからこそ”の愛され度がわかる。何だかんだで野球の格好、野球がらみの事象、まだまだ日本人は好きなのかも。それはそれで昭和育ちとしては微量嬉しいんですけどね。今期もそこそこいい位置につけてきそう。

一方その「皆様お元気ですかー」第一声が集団無視されたラフ・コントロール441kbでの4位、まぁここのスルーは、ボケ重岡から発されたテンションが違うからストリークと比べても仕方がないですね。この粗さ雑さじゃ441でも入り過ぎかなと思うんだけど、如何に如何に、手垢つきまくりの“金の斧銀の斧”ネタが一服して、ヤケクソショートコントに入ってからのほうが笑えた。ちょっと大昔の新山ノリロー・トリロー師匠の「漫才なんてこんなもんだよ」を思い出しました。

5しんのすけとシャン369kb4位ラフコンの441からの水空けられ具合以上に、今回オンエアの中では一段格下感が濃厚でした。悪くはないんだけど、プロっぽくない。いまさらなんとかレンジャーにSMAPってのもねぇ。このkb数でオンエアなった(300kb台の組が他になく、6位オテンキ293kb)、その上33勝という辺りツキもあるのかも。であるならばいま少し、ラフコンの後半ぐらい崩して、“誰も演らない”ネタに冒険してほしいもの。

3位にTHE GEESE449kbでリベンジ。こちらは、特に今回どうだ前回どうだという凸凹はなく、その時嵌まればオンエア圏になる、嵌まらなければならないというだけみたい。今回は、特に両者立ち上がってからのすさまじい無意味の応酬が良かった。“何をやってくるだろうか”と思わず息を詰めて見守ってしまう、しかもその仕掛けが読めるまでに若干の時間を要するタイプの芸なので、出てきただけで顔やキャラでわーっと或るレベルまでテンション浮揚するということができず、そういう意味ではオンバトのようなシステムでは常に苦戦を強いられるかもしれませんが、だからこそ常連で居てほしい組でもある。

今期のチャンピオンバトル、本当にどうなるでしょうかね。前期は年末M1からの流れで、ぜひトータルテンボスに勝ってほしいと思える強力な地合いができていたのですが、今期もある意味、M1次第とも言えるかな。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

鉄でできた円形の

2008-11-16 00:42:28 | お笑い

『爆笑オンエアバトル』、前後しますが1113日(木)放送分からいきますか。パンクブーブーパップコーンがともに505kb1位。over5002組出た回は久しぶりのような気がします。そうでもないかな。

 パンクブーブーは“キャメラマン”1本で押し切った点に自信が感じられましたが、安心して満遍なく笑える代わりに、どこで笑わせてくれるかというワクワク感がちょっと薄れた。「オレ野鳥か!」のツッコミが入るまでバードウォッチングを模しているとわからない無言のモーションに時間をとりすぎだし、「オレは不可能を可能にする男だぜ」「(そんなヤツいたら連れて来いよ→)でもアイツ忙しいからさぁ」などの、このコンビの看板くすぐりも今日は若干流され気味。“きゃめらマン”ボケで終始一貫して脇道にも入らず、黒瀬が「もーいいよっバカバカ」とキレて終了というクロージングも、以前に別ネタでも見ましたが、彼らの実績と力量ならもうひとひねりしてオトすべき。10回目のover500まで来るとハードルも上がります。「胃きゃめら」と忘れた頃にもうひと押し押し込むセンスはさすが。

同点1パップコーンは、観測点役のメガネ芦沢の台詞がところどころ語尾の明瞭さを欠くなど、依然演りの雑さがはしばしで目につくものの、今回は5人いる”ことをしっかり活かせるネタになっていたことを評価してあげたい。駅前で見かけた3人の人間関係はしっかり把握できて一件落着、でも肝心の自分の待ち合わせ相手とすれ違い…というストーリーとまったく関係なく挟みこまれる、髭アフロで実は弁護士の須田の「恋か?」「告白か!」「第一印象でか?」という勘違いがいたく気に入りました。隙のないネタ構成や流麗なしゃべくりもお笑いの醍醐味ですが、こういう“浮き島”“飛び地”のような、大勢に影響しない仕掛けは大好き。第5の男・競輪選手木村の出没させ具合といい、彼らも連勝でだいぶ余裕が出てきたか。

ネタ本編より、収録前の楽屋でのパップコーンとの、戦隊みたいなやりとりがおもしろかった?ノンスモーキンはやや離されて469kb3位。昨年のいまごろオンエアになった“恐怖の館”の伯爵が副業でホテルもやってて、またグリーンチェックシャツのアイツが来ちゃったみたいな感じ。序盤で生年月日書かせたことがオチの誕生日パーティーにつながるなど進化はみられたものの、後半の有線放送に入ってからテンションが急降下。それでも469入る辺り、やはり月河同様大方の期待度が高いんでしょうね。昨年度はじゅうぶん圏内だったのに、11月以降チャンピオン大会出場権バトルに参戦しませんでしたが、今期のチャレンジインターバルを見る限り、本気で狙っていそうなので今後も注目したいところ。

初出場初オンエアのマッドドッグスは、関口・吉田ともに別コンビからの新結成にしてはこなれているんですが、空気の急造感は拭えなかったか。えんにちの路線を目指しているわけではなさそうですが、関口の不良・族キャラを、年齢不詳風なツッコミ吉田がどう転がしていいかまだ手探りしている感じ。関口が新コンビになっても金髪・髭・ツナギをやめないのは、覚悟のこだわりと見るか、“変えかねている”と見るべきなのか。関口の前所属・クロスパンチのオンエアは一度見ましたが、当時よりは関口単体では闊達になっていると思う。445kb4位はご祝儀相場も入ったか。

今週いちばん笑ったのは初見のカノン413kb5位の評価以上に内容は良かった。何よりメガネのボケ樋山の、カスタマーセンターのオペレーター役が嵌まりすぎるくらい嵌まった。ここ3年ぐらいで数え切れないくらい経験しましたが、カスタマーセンターって本当にああいう感じの、様子様子したイラつく応対多いですもんね。マニュアル読み上げ調から、いきなりタメグチ呼び捨てにはならないまでも、途中で急に半笑いで馴れ馴れしい口調になったりね。こっちがシロウトで部品名やテクニカルタームを知らないのをバカにしたように、「○○とおっしゃいますとぉー、どぉーいったーアレでしょぉかー…?」とアナログ盤逆回転みたいなスローしゃべりの半疑問形になることも、「あるある」。要するに落語『寿限無』なんだけど、オチのキレ(←カッターだけに)のよさも今回オンエアの中では一番。客役・田丸は20年前ぐらいの岸部一徳さんに似てますな。1勝1敗。オフエアになった回のネタも見たいな。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

暗闇がいっぱい

2008-11-13 16:52:26 | ミステリ

ルネ・クレマン監督の60年版、アンソニー・ミンゲラ監督の99年版ともに映画ではあまり詳しく描写されませんが、パトリシア・ハイスミスの小説『太陽がいっぱい』のダークヒーローであるトム・リプリーは幼い頃両親が自動車ごとボストン港に水没する事故で死に(そのトラウマで水が怖い、泳げないという描写は映画でも幾つかありました)、父の妹であるドッティ叔母に育てられましたが、この叔母がスーパー意地悪でどケチ。リプリーは8歳のときから再三家出を試みては連れ戻され、20歳でやっと成功、ニューヨークに出て俳優志願の夢破れると苦手な肉体労働を転々としていましたが、詮索好きな叔母に居所を尋ね当てられては連絡が回復したりまた途絶えたりの繰り返しでした。

そのどケチ叔母からは、

「まるで最後の支払いをすませて、わずかな金が残ったか、あるいは、商店へなにかを返品し、パンくずみたいにその金を投げてよこしたかのように、6ドル48セントや12ドル95セントといった中途半端な、些少な額の小切手が送られてくる」

「ドッティ叔母の懐には(リプリー父の死亡保険)金が入っていた。彼に送ってくれてもいい金額のことを考えると、小切手は人を虚仮(こけ)にしていた」(河出文庫、佐宗鈴夫訳)…

…トム・リプリーは勤勉に努力して学歴や職能を身につけようとはせず、『太陽~』の冒頭ではいまで言う振り込め詐欺の常習犯に育ってしまうのですが、“半端な金額の、思いつきの突発供与がいかに有り難味がないか”“逆に「もっとくれてもいいのに」というさもしい気にさせるか”がよくわかります。お金とは怖いものです。莫大な額ではなく、些少な金だからこそより一層暴力的なこともある。

単純に、いつでもどこでも誰にでも、幾らでも、あげれば喜ばれる、もらえば嬉しいというものではない。やりようによっては、何もくれないより悪いこともあるのです。

先般からの追加経済対策“定額給付金”の報道で、月河はこのドッティ叔母さんを思い出さずにはいられませんでした。

「トムの父親が残してくれた保険金以上に教育費がかかったというのが、叔母の言い分だった。そのとおりかもしれないが、面と向かってそれを繰りかえし言って聞かせる必要があっただろうか?思いやりのある人間なら、子どもにそんなことは何度も言わないだろう。無償で子どもを育て、それに喜びを感じている叔母や、他人さえたくさんいるのだ」(同、同)…

…政府はさぞ“ここの国民ときたら、カネも手間もかかってしょうがない、そのわりに歳入はたったこんだけしか入ってこない、あーあ”と、さぞやりきれない思いで日々いるのでしょう。「景気浮揚して税金搾り取れる状態にまでするために2兆円はぶち込めるな、それじゃアタマカズで割って、ガチャガチャチーン、はいっ11万2千円」「ジジイババアは人口が多いし、18歳未満はこれから末永く搾り取らなきゃならないから、上乗せ目いっぱい、はいっ8千円」…

血税2兆円使って、政府が国と国民を如何に愛していないかを天下に暴露し、国民の誇りと品性を踏み躙る。愚策、悪政どころか、悪い冗談ですらない。たわ言、戯れ言、世迷い言です。

いま、この瞬間に「戯れ言だった、失礼しました、やっぱりやめます」と宣言しても、すでにおおかたから「えーっ、くれるって言うからもらおうと思ってたのに、嘘つき」と総スカンを食らい選挙“逆対策”になるだけ。

「くれてやる、くれてやる」とチラつかされ続ければ、人間、大して窮していなくても「もらわなきゃ」「もらって当然」「もっともらえるはず」という料簡になるものなのです。国のトップが国民を虚仮(こけ)にしているのだから、国民の性根だって振り込め詐欺並みにヘタり腐ります。腐らない前の状態には戻らないでしょう。いくら円高とはいえ1万2千円で国民の信頼が買える政府が、世界のどこを探したらあるのか、海外通をもって任ずる麻生さんに訊いてみたいものです。

断言していいと思います。日本の政治は死んだ。政治が国民を蔑んでいるように、国民も政治に対して、今後、蔑むことしかしなくなるでしょう。

そう言えば、昔、会社員時代に賞与の明細を配られると、「“要らねぇこんなハシタ金!”っつってビリビリ破いてみたいね」と同僚と笑ったことがあったっけ。“支給”とか“給付”とか、表現は異なれど“給される”もので生活していく身とは、かりにそこそこ高“給”だとしても、基本的に侘しい、しんどいものです。国が民をしてそういう気にさせる、もともとそういう気でいるところに輪をかける、それだけでもえらく罪深いと思うのです。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

スイートとラブリー

2008-11-11 23:43:21 | 特撮・ヒーロー

『炎神戦隊ゴーオンジャー』、以前にもここで触れましたが例年の東映戦隊と違う点のひとつに“大人の、味方の、人間キャラ”が存在しないということがあります。

 戦隊メンバーの“上司”、“後方支援”あるいは“師匠”“参謀”、“パトロナージュ”などの役割を担当する、『ハリケンジャー』のハムスター館長(人間体西田健さん)とおぼろさん(高田聖子さん)、『アバレンジャー』のスケさん(奥村公延さん)、『デカレンジャー』のスワンさん(石野真子さん)…など。凸凹あっても若く成長途上の戦隊メンバーに対し、“人生の先輩”“親代わり”のポジションに立つ、ベテラン芸達者俳優さんの扮するキャラが、たいてい1作にひとりは居たものです。

 05『マジレンジャー』でその位置に該当すると思われたマジマザー=小津深雪さん(渡辺梓さん)が2話で倒され生死不明になってしまい、以後未熟な5兄弟が小津家の秘密を知るマンドラ坊やのガイダンスだけを頼りに戦わなければならない構図ができたときには、戦隊ビギナーの月河も思わずハラハラしてしまったものですが、中盤でヒカル先生という“頼りないところもあるけど、知的で志高く愛に溢れた指導者キャラ”が加わり、最終的に敵側に囚われていた父=ウルザード(磯部勉さん)も帰還、マジマザー深雪さんの奪還にも成功。ヒカル先生も麗と結婚して小津家の一員となり、“家族が欠ける”ことから始まった物語が、“消えた家族が帰って来て、最終的に家族が増えて”終了するという流れ、家族ドラマ、子だくさんドラマの類いが苦手な月河も「やってくれました」と敬服せざるを得ない物語になっていました。

今年の『ゴーオン』は、“親代わり大人キャラ”を置かず、水先案内ロボ=ボンパーことボンちゃんだけが戦いのガイド兼サポーター・メカニック役でスタート。たぶん、走輔レッドとスピードル、連ブルーとバスオン、早輝イエローとベアールV…という、上下関係ではない“バディ”ものの図式を構築したかったのでしょう。100%成功しているとは言いにくいかもしれませんが、“参戦歴では先輩”のゴーオンウイングス、教官炎神ジャン‐ボエールを投入、若いメンバーが大人の統率や叱咤激励を必要とせずに回って行ける構図をきっちり作れたことは立派だと思います。

敵組織のガイアークが、いまだ仲よくケンカしている“大臣”止まり(嗚呼ヨゴシュタイン様)で、“君主”に相当する圧倒的な大人の悪をかついで来ないこともいいバランスのもと。

もうひとつ『ゴーオン』の特徴、“ガールズ話”が例年より多いような気がするのですが気のせいかな。9日放送のGP38も実質、イエロー早輝(逢沢りなさん)&シルバー美羽(杉本有美さん)、プラス、ベアールV inゴローダーGTの“変則G3プリンセス”フィーチャー回でした。

いままで見た複数女性戦士のコンビネーションで、いちばん物語的にもうまくいき、キャラも活きて「女の子2人居る意味があった」と思えるのは『デカレン』のツインカム・エンジェル、ジャスミンとウメコですかね。2人、まったく違う性格なんだけど、違うことが戦闘で協調する際の妨げにまったくならず、違いを出して行けば行くほど話に味が出て、しかも両方とも可愛い。

ゴーオンの早輝&美羽は、彼女たちに比べるとちょっと“かぶり気味”なのが気になるふしはあります。どちらも明るくポジティヴで楽天家、若干天然風味。スイーツ大好きでよく髪のセットを気にしている早輝ちゃんのほうがより普通っぽく、ギンジロー号とは行動をともにせず閑静な豪邸でフラワーアレンジメントをたしなみつつ兄・大翔(ひろと)と暮らす美羽ちゃんは超人的な第六感を持つなど微量“選ばれたる者”の自覚もありそげ。「片方要らないのでは」と思うことはさすがにありませんが、もう少しキャラの違いが鮮明になり、違う波長を出して異色なハーモニーを奏でる場面があってもいいような気はします。

男子メンバーがシャワー蛮機の酸性雨で固まってしまったGP38普通っぽいがゆえに戦士としてはやや危なっかしい早輝のほうが挫けず、プロフェショナル度が上と思われた美羽のほうがへこんでいるという展開はいいとこついていたけれど、「早く元に戻ってほしい」心配の対象が、早輝は“みんな(=赤~黒)”、美羽は“アニ”と一方向なのはややいただけなかった。特に、早輝のペーパードライバー運転に美羽が「まっすぐ走ってよー!アニが倒れちゃう!」と悲鳴をあげる場面は、軽く美羽ちゃんが嫌いになった人もいたのではないでしょうか。早輝にしてみれば序盤から一緒に行動し戦っている仲間が、美羽には血のつながった兄がいちばん心配なのは当然でしょうが、全員変身復帰したあとまで美羽は「アニ…」、早輝は「みんな…」と安堵の視線が交差していたのはどうなのかな。女の子戦士を、ちょっとお子ちゃまに描き過ぎ。“ガールズ話”でこそできるひねりがもうひとつあってもよかった。

そんなことより、この日は日曜朝のお茶の間、「オトコだけがカタくなるって、意味深過ぎじゃないか」と苦笑いのお父さんが多かったかもしれませんね。「オンナはヌレるだけ、ってか?がはは」「アナタっ!」なんてお母さんが目吊り上げたりして。「パパとママは何言ってるんだろ」って小さなお友達だけが首をかしげていたかも。大人になればわかるのよ。

東映戦隊における、女性型敵怪人の例にもれずシャワー蛮機も目つきからして色っぽく邪悪にコケティッシュ。たぶん、女性型だとデザイナーさんもチカラの入りが違うんでしょう。バストトップが水の青栓とお湯の赤栓って、完全に楽しんで作ってる感じ。「シャワーシーンの怖い映画と言えば『サイコ』」を挙げる辺りかなり年上のお姉さんですぞ。

ベアールVが入ったゴローダーのアクションも、“ベアちゃんが人型ロボだったらしそうな動き”そのまんまで、スーツアクターさんが相当頑張りましたな。ゴーオンイエロー、シルバーとのコンビネーションは『アタック№1』の寺堂院高校八木沢3姉妹のようでした(なんぼなんでも喩えが古)。

しっかし、シャワー蛮機の産みの母・害水大臣ケガレシア様が「調合間違えた?おかしいで汚じゃるな…エイ!」ってぶっかけた酸性雨原液のおかげで、キタネイダス様までカタくなるとはねぇ。武闘派の故・ヨゴシュタイン様に比べると、策士っぽくてあんまり逞しい感じではなかったキタ様も、やっぱりオトコだったのだ。なんかドキドキ。そう言えば先週のGP37でもキタ様製作のエンジン蛮機はデコトラそのものだったし、ハートはヤンキーなのかキタ様。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

空幕たる自他バタ

2008-11-10 00:12:44 | ニュース

田母神空自前幕僚長(←こう表記するとどこまでが人名でどこからが職制名なのか、航空自衛隊だけに雲海の中を行くようですな)(“たもがみ・くうじ・ぜん・ばくりょうちょう”。自分のために仮名書きにしてみました)の懸賞論文問題、ご本人の国会参考人招致を待たずしてジタバタバタッと幕引かれムードですね。

メジャーなオピニオン誌ではなく、こんな会社が何故?という主催の単発懸賞イベントで、しかも応募者の4分の1が現職空自隊員、募集要項は異例の空幕教育課から全国部隊にファックス紹介されていたりと、何やら“お手盛り”“出来レース”の気配もするなど、背後関係が論文の内容以上に輪をかけて香ばしい事案ですが、ハマコー二世防衛大臣が「懲戒免職にすると、正式決定までに10ヶ月かかる。いますぐ職を退いてもらうためには定年退職扱いにし、(懲戒免職なら支給されない)退職金は返上を勧告するのが、処分としていちばん迅速な方法と判断した」とコメント。

何ゆえそれほどに“迅速”にこだわるか。ジタバタバタッと幕引きもみ消ししたいムードになる理由、月河は近年の国防事情や自衛隊の内情にはまったく明るくありませんが、一般論としてなんとなくわかる気がするのです。

憲法に謳われ、誰もがア・プリオリに正しいことと信じて疑わない“言論の自由”“思想・信条の自由”が、実は大変怖いものであることにみんな気がつきはじめているのではないか。

「言っていいことと悪いことがある」とは、国防幹部や官僚・政治家でなくても一般市民の我々が普通に日常言うことですし考えていることです。如何に言論の自由・表現の自由が憲法ででかでかと保証されていても、「その立場、その肩書き背負ってるオマエが、その場面で言っちゃ、その媒体を使って書いちゃ、やっぱりいかんだろ」「ハラの中で思ってるだけなら自由だけど」「百歩譲っても、窓戸閉めて外に漏れないようにした自宅で、晩酌傍らにカミさん相手に一席ぶつ、そこまでだろ」ということは厳然と存在する。

今回の田母神さんも、休暇中の自宅でステテコ腹巻きビール片手に「まあなー、政府見解なんてあんな自虐史観クソだよなー、日本だってやればできる子なんだよ、空爆バリバリドッカーンよ、がはは」って言ってるだけならこんな問題にならずに済んだ。

しかし、問題にならなければいいかといったらそうではない「言わなくても、いけないこと」も厳然と、本当は存在するのです。

「思うだけ、考えるだけで、クチや行動に出さなければ憲法に抵触しない」としてしまったら、たとえば「なんぼ教えても成績上がんないガキなんて進学指導なんか打ち切って放校して肉体労働させりゃいいんだよ」「あー2年○組の△子スッパにしてパイオツ揉みてぇな」と“思うだけでクチに出さない”教員もいていいし、「こんな貧乏高齢クズ患者みんな死ねばいいのに」と“思うだけでクチに出さない”医師・看護師もいていいことになる。

 「行動に移さず、言葉で表現しなければ何を考えても法に触れない」=“目に見えない思想や思考までは外から干渉も、規制もできない”というのは、実はこの上なく怖いことなのです。

そこらで愛想笑いしているセールスマン、愛嬌たっぷりのメイド喫茶ウェートレス、キャバクラ嬢から、上は公人たる政治家・官僚まで、“どんなにクチで綺麗事、奉仕精神な発言していても、本当はテメエの利益と快楽しか考えていない”“どうにかして他人を騙して出し抜いて傷つけて、自分だけが甘い汁吸う気満々”という可能性だらけになり、しかもそれを咎める根拠はどこにもない。

“思想・信条の自由”とはパンドラの箱です。ひとたびフタを開けると、輝かしき夢や創造力、発想力も飛翔する代わり、あらゆる災厄、悪意、猜疑も同時に噴出してしまう。自由主義、個人主義、平等主義の大前提には抵触しても、「本当は、ひと言もクチに出さなくても、書き記して人に披露しなくても、思う、考えるだけで罪悪なことがある」「立場や職責、TPOによって、“この人は考えてもいいけど、あの人は考えてはいけない”ことがある」ということを、フタを開ける前に箱の前にいる人間全員にとことん教育しなければいけない。教育し終えてから、初めてフタを開けなければいけないのです。

しかし止んぬるかな、フタはすでに開けられている。開ける前の時代には二度と帰れないのです。

いまの日本は、“思想・信条の自由”という怪物を制御し管理する力がない。どんな立場の誰が何を考えていても、考えているというそのことを咎め、改めさせる任には誰もない。せいぜい、その思考が媒体を通じて“表現”されたとき限定で「きみのいまの職責では不適切だよ」と職から追う程度の拘束力しかない。

そのことが自他ともに明らかとなり、自他ともに認めさせられるのがあまりにも怖ろしいので、当局は幕引きを急ぐのだと思います。

………ところで、田母神さん60歳、若い頃はやっぱり「タモちゃん」「タモさん」って呼ばれたのかな。自衛隊の宴会で片目黒メガネに前歯ワンポイントお歯黒でイグアナのマネとかしなかったのかしら。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする