敦賀紀行 02
色が浜と水島
〇 敦賀コミュニチィバス、敦賀駅12時50分発、「立石」行きに乗り込む。
「立石」はUの字になった敦賀の右側陸地の先端にある。
原子力発電所で有名だ。
敦賀駅と立石の中間ほどに目的地の「色の浜」はある。バス所要時間32分。
バスが通れるような道路は原発建設を期に作られたのではなかろうかと思う。
地名があり集落があるのだから通行できる道は昔からあったものとは思うが、
車が行きかう舗装道路ができたのは古くはないことのはずだ。
〇 西行に「色の浜」の地名入りの歌がある。
しほそむるますをのこ貝ひろふとて色の濱とはいふにやあるらむ
(岩波文庫山家集171P雑歌・新潮1194番・
西行上人集追而加書・夫木抄)
後年、芭蕉が「色の浜」に行ったことが「おくのほそ道」にも記されている。
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16日、空晴れたれば、ますほの小貝拾はんと、種(いろ)の浜に
舟を走す。海上七里あり。
天屋何某といふ者、破籠・さざえなどこまやかにしたためさせ、僕あまた舟に
とり乗せて、追ひ風、時の間に吹き着きぬ。浜はわづかなる海士の小家にて、
侘しき法華寺あり。
ここに茶を飲み、酒を暖めて、夕暮れの寂しさ、感に堪えたり。
寂しさや須磨に勝ちたる浜の秋
波の間や小貝にまじる萩の塵
その日のあらまし、等裁に筆をとらせて寺に残す。
(おくのほそ道)から抜粋。
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西行は「色の浜」に行ったかどうかは分からない。私の感じでは行ってはいないと思う。
芭蕉は記述しているように行っているはずだ。「おくのほそ道」はかなり創作を交えているのだが、
上記の具体的な記述からも真実であろうと思う。
「海上七里」は遠いかと思うが、感覚的にはそんなものだろう。
「侘しき法華寺」は「本隆寺」として現在も残っていて、芭蕉関連の古書があるようだ。
「色の浜」は民家数30軒に満たないほどの集落。山が落ちて、そのまま海に通じている
地形で、浜と呼べるほどのものは現在もなく、以前にもなかっただろうと思わせる。
尚、句碑の「桃青」は芭蕉の別号。
〇 ほぼ定刻にバスは「色の浜」着。帰りのバスが18時20分「色の浜」発。
それまで時間が有り余るので、沖合の「水島」に渡船で渡る。
約5分ほどの時間。往復で1200円。
〇 水島は海水浴場として有名らしく、他府県ナンバーの車を見かける。
島では海水浴客も100人近くはいたかも知れない。娘さんたちも多くて、
カメラを持っているのが何だか罪なような気がしてレンズを人物には向けない。
〇 センニンソウ・スナビキソウ・トベラ・浜千鳥などの写真を撮り、小貝を拾う。
〇 18時20分発のバスで敦賀駅に戻る。19時15分発のサンダーバード乗車。途中、雨のため徐行運転。
30分の延着。帰宅は21時前。
〇 金ケ崎・気比神宮・色の浜が目的の敦賀行きだったが、まずまずか・・・。
「気比の松原」に行けなかったのが残念ではあるが、これで良しとしょう。2015/08/30記
羨ましく歌を鑑賞したり写真を鑑賞しました。
歌の造詣の深さを味わいながら道々に浮かぶ
歌を辿りながらの旅はカズさんでなければ出来ないと想いました。
歌を片手に風景を味わいながらの視線の深さはカズさんでなければ味わえないですね。
奥深い感性を思い浮かべながら読みました。
同じ景色を見るのにも歌詠む歌人の想いを辿りながらのひと時は味わいが深いですね。
興奮の逸る想いが伝わって来ました。
元気で何よりです。
見ていただいてありがとう。
今回は福井県敦賀市の歴史的な遺跡と西行歌にある土地を訪ねてみました。
京都から近いというのに今になりました。
今月は静岡市に行って西行歌の跡を見てくる予定です。西行関係にはもうたくさん行きましたが、静岡はまだです。
自分でも楽しみにしているのですよ。
また見て下さいね。それでは。