栄の風
雪を抱く山から降りる風寒く信濃栄は春まだ浅し
長い冬閲し桜や水芭蕉卯月終わりに萌えて咲きおり
栄にて積もる年月重ね来た我が血族に訣別悲し
栄村自然の中に伯母は生き日々の刻印しるして終える
四国伊予生を受けおり故郷を離れ栄に終える剛さを
時は行き人の命のはかなさにまだ熱き骨拾う悲しさ
亡き人を栄の風に偲びおり天翔けかけて伊予に向かえと
今はただ笑顔の満ちるかんばせにまたの世家にお逢いしたしと
繋がれる輪廻の糸を解きほぐし君の命に付き添いたしも
庵のある京の都に舞い戻る 栄の風が吹きすぎて行く
画像は苗場山
一首ごとに胸が詰まる想いで鑑賞していますが
この2首は繰り返し噛み締めて居ます。
カズさんの愛情深い人情さが溢れて居る
歌ですね。
お母様の居ない故郷は寂しいですね。
「今はただ笑顔の満ちるかんばせに
またの世家にお逢いしたしと」
「繋がれる輪廻の糸を解きほぐし
君の命に付き添いたしも」
故郷とはお母様でありその次に山や川
ですね。
故郷の風も蒼さもお母様が居てこそ
本当の美しさと清清しさを感ずるのですよね
カズさんの心情を察します。
長いことご無沙汰で申し訳なく思いながら
歌を鑑賞しています。
カズさんの人柄が滲み出た歌の数々ですね。
老いて行くわが身を剥ぎ取るように親しい方が
傍から離れて行くことは忍び難いですね。
私の血族は結束がとても強いと感じます。私なども、気にかけていただいていて、ありがたいことです。
亡くなった伯母さんにも有形無形でお世話になりました。
それだけに私なりの悲しみもあるのですが、それは人の世の常ですからね。
わざわざ検索していただいてありがとう。日本の自然が残されているということで著名な秋山郷になります。
また機会があれば今度は写真撮りに伺いたいものです。
主催者から「悲しい」などという言葉を安易に使ったらよくない、そういうことは読者に感じさせるもの・・・と、またお小言を言われそうです。
確かにその通りで安易ですよね。自分は醒めていなくてはならないのにね。反省しきりです。
存分のお別れでしょうがお辛かったと思います。
長野の北の方とお聞きしていたので地図で見てきました。
行くも帰るも大変でしたでしょう。
ネットのお陰でおばさまの生ききられた場所を偲んでまいりました。
http://www.vill.sakae.nagano.jp/index.html
それにしても、女性は強いと思います。嫁してその家の者になりきって生きるのですから・・・。