CLASSIC ROCKを聴こう! PLUS

1960年から1980年代のロックを紹介していきます。またPLUSと言うことで、ロック以外の話題も!

ディープ・パープルのマシン・ヘッドを久々に聴いてみた。

2018年04月05日 | DEEP PURPLE-RAINBOW関連
初めてハイウェイ・スターを聴いたのは、レコードが発売された1972年頃だったと思う。

前奏から歌唱に入る時のイアン・ギランの活字では表現しにくい 高音の雄叫びに度肝を抜かれた。

こっ、こっ、これは地獄の入り口にでも到着してしまったのか!と思わせるような雄叫び!

ビートルズ、サイモン・アンド・ガーファンクルやカーペンターズなどの穏やかなロック・サウンドの洋楽から聴きだしたので、その頃 一番ハードと思われる音源といえばビートルズのヘルター・スケルター だった。

今アルバムを一通り聴いてみるとハード・ロックに対する免疫が形成され、さらに加齢による鈍感化が進んだお陰で、演奏での驚異の雄叫びや爆音も難無く冷静にクリヤー。

ただ初めて聴いた時のドキドキ・ワクワク感はいつの間にか喪失してしまい、自身の中では懐メロになってしまったんだな〜と思う。

あぁ〜 俺の青春はどこへ行ったのやら。

通りすがりの人:なに〜寝言言ってんの! まだ木曜日だよ〜 仕事しっかりしなさい。 

まあ、懐メロになっても、今でもパープルはスゲェ〜とは思っていますが……


1976年の再発盤。2500円也


再発盤のため、レーベルはオリーブ色から、椰子の木が植えられた通りを表したデザインに変更されている。

日曜の夜発作的に思ったこと、パープルのベストなるものとは?

2016年05月23日 | DEEP PURPLE-RAINBOW関連
博士:今日はベスト・アルバムについて考察してみようではないか。

レコードの値段が高くて、特定のアーティストのオリジナル・アルバムを揃えていくには難しかった時代、重宝したものじゃ。一枚のアルバムにヒット曲がてんこ盛りで、そのアーティストの楽曲をラジオではなくレコードでとりあえず聴いてみたい人には、まさしく、それ!  じゃった。

また、将来時間をかけてオリジナル・アルバムを揃えようと考えている人にも、入門編としてうってつけじゃったと思う。

助手:今は、アイ・チューンなど楽曲を管理するソフトがあるので、レンタル・ショップでCDを借りてきて、PCにリッピングしさえすれば、自身の好きな曲だけ集めて簡単にベスト・アルバムが編集出来るので、今時ベスト・アルバムが発売されたとしても、以前のように大量の需要は見込めませんね。

博士:その通りじゃ。だから売り手も、最新のリ・マスターやリ・ミックスを音源に施して、既出の音源と差別化をはかったり、未発表テークなどを入れたりと四苦八苦しておるのう~

そこでじゃ、今回は、ディープ・パープルのベスト盤を考察してみたい。

パープルはブートも含めて数多くのベスト盤が企画販売されたが、今回はその目ぼしいところのイシューについて触れてみたいと思うのじゃ。

最初にレコード時代、

1975年にでた、24 Carat Purple


不思議なのはCaratとくれば、宝石などの質量を表すもので、超でかサイズの宝石となる。Karatは金の純度を表し、24 Karatならば純金を意味する。

ジャケットには24 Caratと記載されているのに、ジャケットのデザインは純金のインゴットを模している。

一体どう言うことかのう?

収録曲は、2期の楽曲のみで、このアルバムの目玉は未発表曲のBlack Night (Live)じゃろう。それから、A面が28分、B面が25分とかなり内側までカットされているので、各面の最後の曲は音質的に厳しかったかもしれないのう。

また、収録時間の制限により、なんとベスト盤から個人的にはパープルのベストと思われるHighway Starがベストの選外となったのじゃ!

Side-A
Woman From Tokyo
Fireball
Strange Kind Of Woman
Never Before
Black Night (Live)
Side-B
Speed King
Smoke On The Water
Child In Time

お次は1977年にでた、Power House


最初と最後の曲が、スタジオ録音のアウト・テーク

他は、Black Night (Live, Made in Japan)と1969年にオーケストラと競演した実験的なライブ・アルバムConcerto for Group and Orchestraにおけるアウト・テークで、後にConcerto for Group and OrchestraのCDがリ・イシューされたときボーナス・トラックとして付いてきた。


ベストというよりはマニア向けアウト・テーク集じゃのう~

Side-A
Painted Horse
Hush
Wring The Neck
Side –B
Child In Time
Black Night (Live, Made in Japan)
Cry Free

そして1978年の、When We Rock, We Rock, And When We Roll, We Roll.


日本でのタイトルは、パープル・ロール! 何か、アメリカのすし屋で出てきそうなネタの名前みたいじゃ…

Woman From Tokyoにライブと記載されていたので、コアなファンは初出のライブ音源かと飛びついたところ、なんと記載の間違いで、実際は既出のスタジオ録音のものじゃった。

ガックリしたファンも多かったのではなかろうか?

但し、アルバム・ジャケットのデザインは日本の誇るイラストレーターの長岡秀星氏作。氏は同年ELOのOut Of Blueのスペーシーなジャケットもデザインしたんじゃよ。ジャケ買いオーケーじゃ!


Side-A
Space Truckin’
Kentucky Woman
Wring The Neck
Burn
Side-B
Woman From Tokyo
Hush
Smoke On The Water(Live)
HighWay Star (Live)

1980年の、2期と3期をまとめたベスト盤、Deepest Purple登場


Side-A
Black Night
Speed King
Fireball
Strange Kind Of Woman
Child In Time
Woman From Tokyo
Side-B
Highway Star
Space Truckin’
Burn
Stormbringers
Damon’s Eye
Smoke On The Water

また、2010年にはDeepest Purple発売の30周年記念CD盤として、下記の4曲が追加されDVDもおまけとして付けられた。


Hush
When A Blind Man Cries
Solder Of Fortune
You Keep On Moving

ここで忘れ去られた4期のYou Keep On Movingが加えられるのじゃ。

アー、良かったのう!

1998年の、バンド設立30周年を記念して30 : Very Best ofがCDで登場


5期再結成時のPerfect Strangerやギターのスティーブ・モーズ加入後のTed The MechanicとAny Flue Kno Thatなど計18曲が収録されているぞ。

Hush
Black Night
Speed King
Child In Time
Strange Kind of Woman
Fireball
Demon’s Eye
Smoke On the Water
Highway Star
When A Blind Man Cries
Never Before
Woman From Tokyo
Burn
Stormbringers
You Keep On Moving
Perfect Stranger
Ted The Mechanic
Any Flue Kno That

CD2枚組みも発売、一期の楽曲やその他も収録し計28曲

そして、ベストの真打登場。

2000年のThe Very Best Of


アメリカのリ・イシュー専門のライノ社がリマスターしたもので、これは前年同じライノ社から出された、パープルのCD4枚組みアンソロージー・ボックス、Shades 1968-1998を下記の一枚に濃縮したもの。2、3と5期の楽曲から編集されている。

しかし破れたボロボロの小包を模したジャケのデザインは感心せんのう~ 

Hush
Kentucky Woman (Single Ver.)
Wring That Neck
Black Night
Speed King (US Ver.)
Child In Time
Strange Kind of Woman
Fireball
Demon’s Eye
Highway Star
Smoke On the Water
Space Truckin’
Woman From Tokyo
Burn
Stormbringers
Knocking At Your Back Door

本日の結論

ベスト盤を調べてみると、ディープ・パープルとは、70年代の全盛期のギランやカバーディールのボーカルにリッチーの壮絶なギターが絡む、すなわち2期と3期の楽曲に代表されるバンドであり、5期の再結成時のPerfect Strangerが記憶に残る程度で、4期はほぼ無かったことになっているのじゃ。1期に関しては、まったくの別物じゃよ。

そして、その後のパープルは、オリジナルやライブを出すものの、ギランも昔のように高音でシャウトする事が出来ず、巡回懐メロ・バンドっていう感じかのう~

助手:おおー! これが、博士の“2期+3期=5期”という、1期も4期も無い法則ですね!

博士:その通り! 日曜の夜、歯を磨いていたときに発作的に浮かんだのがこの法則じゃ!

と言うわけで、発作的3部作無事に終了しました。

通りすがりの人:相変わらずつまらん!

安心してください。MP3付いてます。

2016年02月23日 | DEEP PURPLE-RAINBOW関連
”パープル7枚組LPボックス・セットを買っちまった~!” と前回のアップした記事に書いたわけであるが、この7枚の内訳が2期のマシーン・ヘッドと紫の肖像(ウーマン・フロム・トウキョーが入ったアルバム)、3期の紫の炎(ご存知バーン)と嵐の使者(ストームブリンガー)、4期のカム・テイスト・ザ・バンド、そして2期のメンバーでの再結成された時の2枚のアルバム、パーフェクト・ストレンジャーズとザ・ハウス・オブ・ブルーライトだった。


どう言うわけか、2期の重要アルバム、イン・ロックとファイヤーボールが漏れているという、中途半端な編成だった。


このLPボックスを出すときにこの2枚も含めた9枚組するか、もしくはパーフェクト・ストレンジャーズとザ・ハウス・オブ・ブルーライトの代わりにイン・ロックとファイヤーボールを入れれば、2期から4期までのスタジオ・アルバムが全て揃うというすっきりとした形になったのに?

そこでちょっと調べてみると、ディープ・パープルの70年台の初回盤発売当時は、北米や日本ではワーナーが、そして英国などヨーロッパ諸国ではEMIがそれぞれ販売権を持っていた。すなわち、1970年のイン・ロックと1971年のファイヤーボールは、当時英国などヨーロッパ諸国では、EMI傘下のハード・プログレ専門レーベル、ハーベストから発売されていた。


数年前の音楽関連の企業再編によって、EMIの所属アーティストとして最も有名なビートルズの最新リマスターのCDやレコードはユニバーサルから発売された事からもわかる通り、EMIのレコード事業部はユニーバーサル・グループの、そしてEMIの音楽出版事業(著作権の管理)はSONY/ATVのグループのそれぞれの傘下となった。

マシーン・ヘッド発売前に設立された自身のレーベル、パープル・レコードは、EMIの傘下だったことから、最近のリイシューはEMIを傘下に収めたユニバーサルから発売となったわけである。

しかし、ややこしいことに、ユニバーサルは2013年にEMIの一部のレーベルをワーナーに売却し、そこに旧ハーベスト・レーベルのアーティストだったピンク・フロイドやディープ・パープルも含まれていたため、イン・ロックとファイヤーボールだけが今回のボックス・セットから漏れ、ワーナーからバラ売りされたのである。

なるほど。

ユニバーサルによるLPのリ・イシューの場合、BACK TO BLACKのサイトからMP3のダウン・ロードが出来るクーポンが付いてくるのであるが、果たしてワーナーからリ・イシューされたものはどうなのか…


ありました!、THISISVINYLCOLLECTORS.COMからダウン・ロード出来るようだ。


また、イン・ロックとファイヤーボールは、アビーロード・スタジオにて ハーフ・スピード・カッティングで制作されたとのこと。ハーフ・スピード・カッティングといえば、原盤をカットするスピードを半速にして、その分レコードの音溝を正確に刻むことが出来、分解度の高いクリアーな再生音を聴く事が出来るらしい。その昔、東芝EMIがビートルズのアビー・ロードのレコードをプロ・ユースとして制作した時に使われた技術だったと記憶しているのだが…


果たして、パープルのレコードでハーフ・スピード・カッティングの効果なるものを実感出来るであろうか…

MP3のダウン・ロードのクーポンが付いているだけで喜ぶ程度のリスナーなので、あまり期待は出来ないだろうと自ら悟るのである。


またまた出た~、幻と言われたオリジナル・マスター・テープが東京で発見!

2015年09月14日 | DEEP PURPLE-RAINBOW関連
助手:10月21日にレインボー・ライブ・イン・ジャパン・1984がDVD とCD(2枚)の計3枚のコンビネーションで発売されるみたいですよ。

なんでも、“幻と言われたオリジナル・1インチ・マスター・テープが東京で発見、31年の封印が解かれる刻(とき)がついに来た!!”との宣伝文句です。収録予定曲は22曲になるとのことです。

博士:1984年というと武道館で行われたレインボーの最終コンサートじゃのう。
しかし、毎度都合よく幻と言われるマスター・テープが見つかるものじゃ。

その時のコンサートと言えば、1986年にライブ録音のコンピ盤として発売されたFINYL VINYLに部分的ではあるが5曲既に収録されておる。(SPOTLIGHT KID、 I SURRENDER、 MISS MISTREATED、STREET OF DREAMとオーケストラ付きの DIFFICULT TO CURE、但し収録時間の関係でSTREET OF DREAMは1986年のレコードや1枚で出されたCDには収録されておらず、後に出されたリマスターの2枚組CDに収録されている。)

FINAL VINAL リマスター

5曲が武道館で収録されている。

今回、東京で発見されたマスター・テープは、1986年のレコーディング当時のものとどう違うのかのう? テープは同じもので、大げさな宣伝文句のようにも聞こえるのじゃ。

わしにとってのレインボーと言えば、やっぱり、リッチー、ロニーそしてコージーの三頭時代がメインと言える。もちろん、今回の音源が悪いとは思わないが、なんとなく、“あるものは全部出して、商売にしろ”的な感じがするのじゃよ。

例えば、この前出たボックス・セットのA LIGHT IN THE BLACKは、既発のライブ音源、デラックス・エディションで出されたアウト・テークなどが多く含まれていて、一部の音源とDVDを除けば新鮮味に欠けるのでスキップしたのじゃ。

助手:今日は愚痴ばかりですね。

博士:ネット・サーフィンをしていると、めぼしい商品を片っ端しから購入してブログにアップされている人をよく見かける。羨ましい限りじゃ。

こちらも予算さえあれば、目をつぶってアマゾンの購入ボタンをポチッ・ポチッと押しまくれるのじゃが。

仕方がない、今回も様子見で、誰かが買ってレビューしたのを参考に購入するかどうか検討することにしよう。

それまでは、FINYL VINYL でも聴いて、そして聴き飽きたら屁でもこいで寝るとしよう。

助手:ええ~! 博士は関西出身ですか?

Rainbow - Spotlight Kid (Finyl Vinyl Music Video) HQ

この期に及んでトリビュート・アルバムって必要?、ホワイト・スネークの“パープル・アルバム”

2015年07月02日 | DEEP PURPLE-RAINBOW関連
当時、ハード・ロックの最先端を走っていた、ディープ・パープルのイアン・ギランの後釜として無名の新人を大抜擢したわけだから、歌唱力は間違いなしに優れていただろう。

しかし、ハード・ロックのボーカリストとしては誰もが通る道、すなわち歳を重ねることによって、声量が落ちたり高音が出せなくなったりする。

数十年前の絶頂期のライブの記憶を持って、いざライブ会場に赴き、キーを落とした歌唱を聴くと誰しもガッカリするのでは?

このアルバムは、ホワイト・スネークがつい最近発売した、ディープ・パープルのトリビュート・アルバム“パープル・アルバム”というもので、パープルの過去の名曲をホワイト・スネーク流に焼き直している。

悪くはないのだが、個人的に1曲目のバーンがいただけない。デヴィッド・カヴァーディルが3期パープルに参加した記念すべき1枚目のアルバムからの大ヒット曲なので、これを外す訳にはいかないということは理解できるのだが。

もともと、バーンは当時相方であったベースのグレン・ヒューズとダブル・ボーカルで歌う楽曲で、グレンが高域を受け持っていた。また、デヴィッド・カヴァーディルはもともと中域の音をブルージーにかつパワフルに歌うタイプであるため、この曲を現在の歌唱力のレベルをもって一人で歌いこなすには無理があったのではと思う。

もし、1974年のパープルのアルバムを知らないのであれば、それなりには楽しめるのかもしれないが。

個人的には、1980年のライブ IN THE HEART OF THE CITY あたりが、デヴィッド・カヴァーディルが自分好みの楽曲を余裕を持って歌っていたので好感が持てました。また当時元パープルのジョン・ロードやイアン・ペイスもホワイト・スネークのバンド・メンバーで、パープルの時と比べて控えめながらも、ベテランらしくそれぞれ引き締まった演奏をバンドに提供していたと思います。ギターのミッキー・ムーディーもソロでいい味出しています。

1980年のライブだけでなく、1978年のハマー・スミス・オデオンでのライブも含めた2枚組のレコード・アルバム

あなたは、この“パープル・アルバム”を聴いてどう思われるでしょうか?

Whitesnake - Burn (Official Audio) (The Purple Album / New Studio Album / 2015)

40周年記念豪華盤マシーンヘッドのボックスセットについて思うこと

2015年05月28日 | DEEP PURPLE-RAINBOW関連
DEEP PURPLEのマシーン・ヘッド40周年記念豪華盤と言うCDのボックス・セットが2012年に発売されたのは、パープルファンの方ならご存知でしょう。

ちょうど40年前の1972年にオリジナルのレコード・アルバム が発売され、全英 1位、全米7位そして日本でも6位と大ヒットしました。例のHIGHWAY STAR やSMOKE ON THE WATERなどパープルを代表する曲が数多く収録されています。個々の曲の解説は、機会があれば 次回以降にトライしてみたいと思います。

さて40周年記念豪華盤について説明しますと、このボックスセットは4枚のCD、1枚のDVDそして1冊の解説書からなります。

それらの詳しい内訳は、
DISC 1 CD MACHINE HEAD (ORIGINAL 2012 REMASTER)
DISC 2 CD MACHINE HEAD (1997 ROGER GLOBER’S MIXES)
DISC 3 CD MACHINE HEAD (QUAD SQ STEREO)
DISC 4 CD IN CONCERT’72 (2012 REMIX)
DISC 5 DVD MACHINE HEAD (2012 REMASTER, 4.1 DTS FROM QUAD)


DISC 4を除いては、数曲のボーナス・トラックを除いて、全て同じ曲で構成されています。オリジナルで録音された音源を現代の最新鋭の機器を用いて色々と加工し、異なったニュアンスの音をそれぞれ作り出しています。

すなわち、1972年に発売されたオリジナルの音と比較してどのように変化したのか聴き比べて下さい、と言う企画物の商品で、その昔、マシーン・ヘッドのレコードを、いわゆる擦り切れるぐらい聴きその音像が頭の中にしっかり記録されているようなマニアの方向けの商品です。

年を重ねるごとに人間は五感の能力落ちてくるうえ、さらにコアなパープル・マニアでない私の場合、 昔の音と比べてすっきりしたとか、今まで聴こえなかった音が聴こえるなど、前もって言われればなるほどと頷くレベルの実力なので、今回制作された音の変化に感動したとか、感銘を受けたとか高らかに宣言できないのです。

じゃあ何故マニア向けのボックス・セットなんていう商品を買っちゃうの? と聞かれると返答に困ります。

まあ宗教みたいなものですかね。めぼしい新譜もしくは再発盤が出るというニュースを聞きつけると、なんとなくムズムズしだして、無意識にアマゾンの購入ボタンを押してしまう。そして買ってしまうと何か安心した気分に成ります。だから購入したのに開封すらしていないボックス・セット結構あります。

これではいけないということで、このブログで毎回記事を書く際に、今まで棚に眠っていたCDを改めて聴くようになり、偽マニアと言われないよう、猫に小判状態の未開封のボックス・セットも今後聴いていきたいと思います。

ちなみに、このボックス・セットで一番いいと思っている音源のCDは、DISC 3 のMACHINE HEAD (QUAD SQ STEREO)です。これは、70年代当時、日本ビクターのCD4やソニーのSQなどというシステムで、4つのスピーカーで音を再現する、4チャンネル方式のオーディオが開発され、ディープ・パープルもこのアルバムの4チャンネル版を録音していました。今回その4チャンネルの音源をステレオ(2チャネル)に焼き直しCD化したものです。

個人的には、この音が他のCDと比べ心持ち重く感じられ、パープルのハード・ロックに合っているのではと思っています。

皆さんはリマスターやリミックスされた新しい音源と古いオリジナルの音源との違いなど感じ取ることが容易く出来るでしょうか? 私はちょっと自信がありません。

Deep Purple - Highway Star

レインボーの完成

2015年04月30日 | DEEP PURPLE-RAINBOW関連
1976年発表の2作目のRIGINGでレインボーは完成したと言っていいでしょう。

迫力のあるロニーのボーカル、コージーによる怒涛のドラミング、そしてリッチーのノリに乗ったギターサウンド、これらが一体化し、正に無敵のハードロック・サウンドがついに出来上がったのです。

レコードのA面の4曲の演奏は、2期頃のディープ・パープルの香りも微かに残っていますが、ロニーのパワフルなボーカルがレインボーの色を出していると思います。イアン・ギランのように高音でシャウトすることはあまりありませんが、その分圧倒的な分厚い声でねじ伏せる感じです。特に、4曲目のDO YOU CLOSE YOUR EYESは3分弱のレインボーにとっては比較的短い曲になるのですが、ギターなどの間奏は特に入らず、最初から最後までパワフルに歌い切っています。よく息が続くな~

このアルバムのハイライトは何と言ってもB面の長尺な2曲でしょう。

STARGAZERはまさしくリッチーがやりたかった曲で、スロー・ミディアム・テンポのうねりを持ったサウンドで、オーケストラの音が曲をさらに分厚くしています。またリッチーのギターソロやコージーの曲の出だしでのドラミングも印象的です。

最後の曲の A LIGHT IN THE BLACK はアップ・テンポのメタル系ハードロックで、非常に乗りの良い曲です。しかしながら、家の中でこの曲を爆音でかけると苦情が出るし、ヘッドフォンではなんとなく物足りなかったので、その当時は、主に車を走らせながらカーステで、レコードからダビングしたテープを爆音で再生し聴いていました。

英チャートでは11位でしたが米チャートでは48位とそれほど伸びませんでした。この業界で成功しようと思えば、やはりアメリカで受け入れられることが必要なため、そのサウンドを追求するため、その後メンバーチェンジが再びなされるのでした。アメリカ受けとなると、どうしてもカラッとしたサウンド作りになって、レインボーの個性を壊しかねることになるので、個人的にはこの体制でレインボーを続けて欲しかったですね。

私:リッチーさん、今回はすごい気合いの入ったギターソロでしたね。

リッチー:これが俺のやりたかったやつさ。やっぱ、俺にはファンキーなんて似合わないのさ。

私:なるほど。これがパープルを抜けた理由ですね?

リッチー:もう4回も登場したので、今度は本当に帰らしてもらうよ。ロニー、それじゃ、俺のためにA LIGHT IN THE BLACKでも歌ってくれよ。

ロニー:I’M GOING BACK TO MY HOME~♪♪

リッチー:やっぱり、レインボーは俺のもの♪♪
注:ベースのジミーとキーボードのトニーは、1976年のライブ公演終了後リッチーから解雇されるのであった。

Rainbow - Light In The Black

8分以上の曲ですが、出だしを聴いてもらえば大体どのような曲かわかります、I’M GOING BACK TO MY HOME~♪♪のフレーズは2分40秒あたりで出てきます。


リッチー、職場を変える!

2015年03月14日 | DEEP PURPLE-RAINBOW関連

えっ! またパープルネタ? 

それに近いやつです。リッチーズストーリーのトリロジーってやつですね。

なんとなく、昨日の時点でそんな気配は感じたんだけどね~
まあ、とにかく始めてよ。

1974年パープルのSTORMBRINGER 録音時、リッチーはQUATERMASSという英国のプログレバンドが1970年に発表したBLACK SHEEP OF THE FAMILYのカバーの制作を提案。しかし他のメンバーから却下され、敢なくボツとなる。そのためさらに悶々とした時をすごしていたそうな。仕方なく、やりたいことはソロプロジェクトでやるしかないと考えていたのでしょう。

パープルの前座バンドのエルフのメンバーと、その曲とB面に入れるMAN OF THE SILVER MOUNTAINのシングルの制作を意図しました。その出来が思ったより良かったので、パープルを脱退し新規のバンド設立へとなだれ込んで行きました。

そこで完成したのが、1975年発表のRITCHIE BLACKMORE’S RAINBOWでした。リッチーの世界観というか、中世のファンタジックなイメージとロックが交わった革新的なサウンドとして、まだバンドとしてはまだ未完成だったにもかかわらず、そこそこの成功を果たしました。ちなみに同年制作された第4期のパープルのアルバム、COME TASTE THE BANDが英チャート19位、米チャート43位に対してデビューとしては上出来の11位と30位の成績で、図らずもリッチーあってのパープルだったと証明してしまうことになり、残念なことにパープルはスタジオアルバム一枚の制作で解散。

リッチーにファンキーは似合わない? と前々回書きましたが、あれ? 9曲目のインストナンバー、STILL I'M SADは結構ファンキーな仕上がりになっているじゃないですか。

リッチーがご機嫌ななめだったのは、どうもファンキーが理由ではなく、やっぱりデビットとグレンの主張しすぎる独特の歌い回しが気に入らなかったのでしょうかね?
このアルバムを聴くと、ロニーはリッチーのメロディーに合わせて淡々と歌っているような気がします。

リッチー自身は彼の存在はバンドの1/5だという発言をしていましたが、その後の度重なるメンバーチェンジを見てもレインボーは100%リッチーのバンドで、孤高のロッカーと言われる所以です 。

リッチー:3回連続で登場したので、俺はもう家に帰っていいよな?

私:まだ書いていないアルバムがたくさん残っていますので、自宅待機でお願いします。それから、ロニーさんを除いて旧エルフの方々はお引き取りいただいて結構です。午後から、コージーさんいらっしゃるようなので。

旧エルフメンバー:アルバム出したばかりなのに、俺たちもう首?

ロニー:俺、あとどれぐらいバンドに居られるのかな~

私:さっきグラハムさん散髪屋に行ったの見たから、それまで結構余裕あるんじゃないの?

リッチー:レインボーは俺のもの♪~


リッチーはご機嫌ななめ ?

2015年03月13日 | DEEP PURPLE-RAINBOW関連

えっ! 今日もパープルネタ? 

すいません。昨日の続きって感じでお願いします。

STORMBINGER、訳せば“嵐を呼ぶ男”ってなり、カッコイイ男が巻き起こす嵐のようなストーリーなの?

早速歌詞を見ると、何々、

どこからともなくやって来た
激しく雨を降らせ
再びSTORMBINGERは雷鳴で踊り
漆黒の雲を集め
陽の光を遮る
逃げても無駄
だってお前のところにやって来るのさ

なんと! STORMBINGERってオカルト超人のこと? 

第3期パープルの2枚目のレコードで、内容は、前作のバーンでの全面に飛び出してくるようなリッチーの印象的なソロギターはそれほど聴かれず、前作と変わらないファンキー路線継続という感じです。そのため、リッチーはやる気を出していないような?

2期のオリジナルの曲は、すべてのメンバーの名前がクレジットされ、誰が作詞で誰が作曲ときっちり分けられているのではなく、各メンバーが色々アイデアを出し合って共同で曲を作りあげる形だったと推測します。しかし今回リッチーが全く関わっていない曲が2曲あり、ご機嫌ななめのリッチーはそれらの曲作りにおいてアイデアを出すのを拒否し、将来の自身のプロジェクトに備えようと考えていたのでは? まあ、そちらはそちらで好きなようにやっていいから、こちらも好きなようにやらしてもらうって感じでしょうか。

二人のリードボーカルも非常に上手く、すべての曲によくフィットしているし、SOLDIER OF FORTUNEのような良く出来たスローバラッドもあり、バラエティーに富んでいて決して悪い出来のアルバムではありません。惜しむべきは、バーンのようなパープルの看板となるキラーチューンが無かった事でしょう。前作が全米9位だったの対して本作は20位と、当時のリスナーも本作の出来を敏感に感じ取っていたのでしょう。

ジョン:リッチー、いくらご機嫌斜めだからって、手抜きの演奏はいけないよ。

リッチー:そんなことは一切無いさ。手抜きなら、親指一本でHOLD ON 弾けないって!


35周年のCD盤、全体的に青みがかっています。

リッチーにファンキーは似合わない ?

2015年03月12日 | DEEP PURPLE-RAINBOW関連

久しぶりに登場の近所のレコード屋の店主が、“今月いい新譜が出たよ~ ちょっとさわりだけ聞いてみる?”と聞かせてくれたのが、新生ディープ・パープルのバーンでした。

一回試聴すると、レコードの場合、厳密に言えば中古になるので、普通は買ってから、傷があるかどうか調べるために試聴するのが一般的でした。今回店主が一押しのアルバムでどうしても私に買わせたいという思いで特別に試聴させてくれたようでした。バーンのイントロを聞かされてかなり心が動いたのですが、その時の予算はLPを一枚を買えるだけしか持っていなく、既に購入するレコードを決めていたので、スキップとなりました。その時、何を買ったのか記憶はありません。

新メンバー、デビッド・カバーディールとグレン・ヒューズのダブルボーカルと彼らが持ち込んだファンキーかつソウルフルな音楽性が、ディープ・パープルを新しい方向へと導きました。しかしこれだけの作品が出来上がった最大の原因は、やはり前作とは違いリッチーのやる気が俄然出てきたことにあるのでしょう。イントロの1小節目でエンジンの一発点火、そしてすぐにエンジン全開しトップギアに一気に昇りつめる迫力を持ったアルバムはあまり見当たらないでしょう。当時リッチーはポール・ロジャースを後任のボーカルにしたかったみたいですが、ポールがバーンを歌うイメージは私にはありません。短命な3期のラインアップでしたが、これはこれで大成功したのではないでしょうか。そのほかの曲も粒ぞろいで、最初から最後まで一気に聴けること間違いはありません。

それ以外の注目ポイントは最後の曲のA-200と言うインストナンバーです。ボレロのリズムに乗って、ジョンロードのシンセがELPの演奏みたいに絡んでくるのですが、ここではリッチーが、ほかの曲で弾くソロのように全面に飛び出してくるような感じではなく目立たなく弾いていて、彼の音楽の嗜好がよく出ている作品ではないかと思います。言い換えれば、A-200を入れることで、リッチーなりに新生ディープ・パープルの方向性に少しブレーキをかけていたのではと思えてなりませんでした。

それから月日が経ち、30周年記念のCDが発売され、それに収められているボーナストラックにCORONARIAS REDIGというシングルB面の曲を発見!
なんとレインボーのフレーズが出てくるではありませんか?

3期新生パープル誕生と思いきや、既にレインボーがの卵が産まれており、やはり次のアルバムで解散するという運命だったのです。

今日の一言、“やっぱりリッチーにファンキーは似合わない。”てことでした。

それから、A-200の曲名はSFがらみではなく、シラミ退治の薬からでした。なんといい加減なネーミング。


後日、

私:ディープパープルのバーン下さい。

店長:それだと、取り寄せになるよ。

私:えー、試聴したやつ売れちゃったの?

遠い昔の田舎の小さなレコード屋での会話でした。


30周年記念のCDのジャケット、ディープ・パープルというよりは、ピンキッシュ・パープル