
200曲以上も取り上げてきて、ボブ・ディランが初めてというのも意外というより残念という気持ちです。もっというと、とにかくここに取り上げることができてとてもうれしいですね。

ボブ・ディランは、アメリカでは--というより世界の多くの国では、というべきかもしれません--単なるフォーク歌手ではなく、世紀の大詩人(アラブの大魔神みたいです!この表現もおかしいか)として名を連ねられていると聞きます。といっても当の本人はそんな世評など全く関係ない感じで、その辺がまたボブ・ディランらしくて好ましい。

この曲の歌詞のもとになっているのはあの「スカボロー・フェア(Scarborough Fair)」だそうです。サイモン&ガーファンクルの楽曲が圧倒的に有名ですが、元々イギリスに伝わる古いバラード。交易の盛んだったスカボローで夏場に行われるお祭り(市=フェア)のことを歌っている。そこにはイギリスはもちろんヨーロッパからも商人が集まり、人出を目当てに道化師や芸人なども大勢やってきてにぎわったようです。

この歌の歌詞に出てくる 「the north country fair」というのがつまりスカボローの市(いち)ということになり、、ディランはそこに住む昔愛した女性への追憶の歌にしちゃったわけですね。でも詞につけられたこの軽やかなギターの伴奏がとてもほんわかと気持ちがいい。懐かしい気持ちになる。いい曲です。

厳密に言うと走り始める前、朝ランをスタートする前のアップを兼ねたウォーキングのときに聴きました。以前も書いたとおり朝イチに流れてくる音楽のインパクトは極めて大きい。スポーツドリンクみたいに音が感動となって身体に浸透してくる。さわやかな季節の朝聴いたらすばらしく幸せな気分になれると思います。

1963年発表のディラン2枚目のアルバム「The Freewheelin' Bob Dylan」収録。このアルバムの1曲目が「風に吹かれて(Blowin' in the Wind)」です。