スペインvsスイスは0-1。優勝候補敗れる。
とにかくスペインは圧倒的なボール・ポゼッションで攻めまくったがゴールを奪えなかった。1タッチのパス・サッカーにファンタスティックなプレーは創造性にあふれていて、見てて飽きない。
でも勝ち負けはまたしてもまた別のところにあった。
サッカーというゲームは、なんと言っても足しか使えない。道具も使えない。あたりまえだがボールを持って走る、投げるというわけにはいかない。単純すぎる話だが、だからこそ番狂わせが起きる。大量点が入らないというのも実はそこに大きな要因があると思う。
スペインの選手たちは個々としてもチームとしても圧倒的にボールの扱いがうまい。トラップも吸いつくようだし、動きながらどんどんパスをつないでくる。他のどの国もまねができない。日本のように中盤で横に回すばかりではない。動きながら縦にもどんどんボールを入れてくるし、パスを出すスピードも速いし正確だ。
ただそれは比較の問題であって、彼らとて手は使えない。ほとんどを引いて守って、カウンターにかけるスイスは狭いエリアに11人がひしめいていたりする。いくらボール扱いがうまいといってもその間を縫って有効なシュートを放つのは容易ではない。
かくして1チャンスを強引に押し込まれたスペインは圧倒的に攻めながら敗れることになった。
美しいものは、時に儚い。
フェルナンド・トーレス
GKからFWまでそのポジションも世界屈指のタレントがそろっているが、どうしてもテクニシャンが目につく(これも相対的なものではあるけど)。どこか押しが弱く感じてしまうというのが唯一スペインの弱点と言えば弱点かもしれない。
そこでどうしても必要なのがフェルナンド・トーレスだとわたしは思う。後半から彼が入って俄然チームに勢いが出てきた。ただ欧州王者スペインといえど1点ビハインドのまま時間がなくなってくれば、プレーにも余裕がなくなって攻め急ぐのはやむを得ない。惜しいシュートは何本もあったが結局95分で1点が奪えなかった。
フェルナンド・トーレスが手術後ぶっつけでの大会となってしまったのはスペインにはなんとも痛い。ただ、パフォーマンスは悪くなかった。あとはスタミナか。
優勝候補No.1はドイツか。
今日で全32チームが登場。すべての試合を見たわけではないが、結果や情報から推測するに4-0という圧倒的な大差でオーストラリアを破ったドイツが最強だという気がする。
予選と決勝トーナメントでは戦い方も違うし、試合を重ねるにつれコンディションもチームの完成度も変化するだろうから、1戦の結果だけで判断するのは拙速だが、今のところドイツを優勝候補最有力と見る。これを追うのがオランダか。ただ、オランダはセンターの守備に穴があると言われているし、サッカーが直線的すぎる気がしてならない。
とにかく勝ち点3を奪ったブラジル、アルゼンチンは決勝T進出は確実だろうが、引き分けたイングランド、イタリア、ポルトガル、フランス、そして初戦を失ったスペインあたりはまだわからない。試合は見ていないがリッピ監督の余裕のコメントからはイタリアは行けそうな気がするが。
ダークホースとしては、アフリカ勢のコートジヴォワール、ガーナは相当強いと見た。今日見たチリも美しい上にスピーディなサッカーでとても面白かった。それから韓国は強かった。あとは日本も含めて大した差はない。
もっとも衝撃的な結果は--日本のカメルーン勝利ではなく--何といっても北朝鮮だろう。試合を観てないけれどあのゴールはブラジルとてショックだったのではないか。完ぺきだった。
それから北朝鮮と並んで圧倒的に弱いと思っていた(ごめんなさい)ニュージーランドの引き分けも驚いた!これも試合を観てないので推測にすぎないけれど。
いよいよ運命の第2戦、オランダ戦は3日後だ。ガンバレ、ニッポン。