かにかにどこかに?
可愛いよ、蟹ぃ~。
そういえば、水族館以外で真っ赤な蟹を見たのは初めてだ。
林檎飴のようなしっとりとした紅色がやけに綺麗で、気に入ってしまった。
案内係のおばちゃんが「あとはご自由に」と言い残して去っていったので、小雨が舞降りる中、しゃがんで蟹と見つめあった。
つぶらな瞳で私を見つめる蟹。
私「初めてこの町に上陸したけど、良いところだねぇ」
蟹「まあな。オレはこの町から出たことねぇからよ。姉ちゃん、旅人?…っていうか、その変なクマは?」
私「私は旅人よ。この子は吉熊っていうの」
吉熊「僕、吉熊だよ。変なクマじゃないよう!」
蟹「…。まあ、この町を楽しんでいってくれよな。あばよ~」
蟹は庭の奥に去っていった。
小雨はいつの間にか上がっていて、
蝉が思い出したかのように、鳴き始めた。
可愛いよ、蟹ぃ~。
そういえば、水族館以外で真っ赤な蟹を見たのは初めてだ。
林檎飴のようなしっとりとした紅色がやけに綺麗で、気に入ってしまった。
案内係のおばちゃんが「あとはご自由に」と言い残して去っていったので、小雨が舞降りる中、しゃがんで蟹と見つめあった。
つぶらな瞳で私を見つめる蟹。
私「初めてこの町に上陸したけど、良いところだねぇ」
蟹「まあな。オレはこの町から出たことねぇからよ。姉ちゃん、旅人?…っていうか、その変なクマは?」
私「私は旅人よ。この子は吉熊っていうの」
吉熊「僕、吉熊だよ。変なクマじゃないよう!」
蟹「…。まあ、この町を楽しんでいってくれよな。あばよ~」
蟹は庭の奥に去っていった。
小雨はいつの間にか上がっていて、
蝉が思い出したかのように、鳴き始めた。