世界の中心で吉熊が叫ぶ

体長15センチの「吉熊くん」と同居する独身OLの日常生活

お勤め、頑張ってください。

2008年04月14日 21時47分24秒 | Weblog
祖母が他界した。
95歳。

1912年7月5日から始まり、明治・大正・昭和・平成を生き抜いた彼女のストーリーは、今朝、8時23分で幕を下ろした。

「おばちゃん、亡くなったから」

知らせは母からの電話だった。
普段、私は電車内では携帯を取らない。
今朝は電車遅延で、周囲の乗客も携帯で話していた。
私は、あまり後ろめたさを感じずに、そして少しだけ嫌な予感を持って電話に出た。

おばちゃんが死んだ
おばちゃんが死んだ

彼女はもうこの世にいない。
その実感をいまだに自身の中に介入させることができない。

今日は溜まった稟議決裁の処理を淡々とこなした。

気を紛れさせようと手元の書類に没頭しようとするが、気づくとおばちゃんのことばかりを考えていた。

「お勤め、頑張ってください」

10年前、私がバイトに行くときも、彼女は玄関先までそう言いながら送り出してくれた。

そんな彼女だから、きっと

「おばちゃんのことはいいから、お勤め、頑張りなね」
と言うに違いない。
負の自分を何とかして奮い立たせた。

明日が通夜、明後日が告別式。

私は経費のデーター加工をするべく出社し、午後過ぎに宇都宮に帰る。

おばちゃんの死に顔が、どうか安らかでありますように。
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