会社を定時に上がり、駒込にある六義園に行った。
今、六義園では、紅葉がライトアップされている。
毎年、会社帰りに行くのが恒例。
普段は閉鎖されている染井門から中へ。
一歩立ち入ると、都会の雑踏は耳から消え、秋の冷気を含んだ森林の匂いが鼻腔から入ってきた。
長い千里場をずっと歩いていく。
今日は平日ということもあり、お客さんも疎らだった。
会社帰りのオサーンか、若いカップルがちらほらといったところだろうか。
道は、所々、ライトで照らされているものの、鬱蒼としていて大変不気味だった。
道の端に点在するライト。
舞台効果さながらである。
落ちた枯れ葉を漆黒の闇から浮かび上がらせていた。
暫く行くと、右手に深紅の塊が見えてくる。
紅葉だ。
今宵は小望月。
闇の中で繰り広げられる紅葉と月のコラボレーションは大変見事だった。
思わず溜息を吐いてしまうほどに荘厳で、時の流れが一瞬だけ止まった気がした。
「グゥゥ~」
気付けば7時半。
お腹が空いた。
池を半一周し、「もみじ茶屋」にて団子と甘酒を堪能。
団子は醤油味のシンプルな風味、甘酒は粒々を舌で確認できるほどの素朴なものだった。
今年もこの典雅な紅葉を見られて良かった。
その一言に尽きる。
来年も、確実にこの風景を見られるとは誰が断言できよう。
このひと時の、この一瞬の、この美。
「もう見ることはできないかもしれない」という緊張感こそ、私が目の前の「美」に執着できる素なのかもしれない。
今、六義園では、紅葉がライトアップされている。
毎年、会社帰りに行くのが恒例。
普段は閉鎖されている染井門から中へ。
一歩立ち入ると、都会の雑踏は耳から消え、秋の冷気を含んだ森林の匂いが鼻腔から入ってきた。
長い千里場をずっと歩いていく。
今日は平日ということもあり、お客さんも疎らだった。
会社帰りのオサーンか、若いカップルがちらほらといったところだろうか。
道は、所々、ライトで照らされているものの、鬱蒼としていて大変不気味だった。
道の端に点在するライト。
舞台効果さながらである。
落ちた枯れ葉を漆黒の闇から浮かび上がらせていた。
暫く行くと、右手に深紅の塊が見えてくる。
紅葉だ。
今宵は小望月。
闇の中で繰り広げられる紅葉と月のコラボレーションは大変見事だった。
思わず溜息を吐いてしまうほどに荘厳で、時の流れが一瞬だけ止まった気がした。
「グゥゥ~」
気付けば7時半。
お腹が空いた。
池を半一周し、「もみじ茶屋」にて団子と甘酒を堪能。
団子は醤油味のシンプルな風味、甘酒は粒々を舌で確認できるほどの素朴なものだった。
今年もこの典雅な紅葉を見られて良かった。
その一言に尽きる。
来年も、確実にこの風景を見られるとは誰が断言できよう。
このひと時の、この一瞬の、この美。
「もう見ることはできないかもしれない」という緊張感こそ、私が目の前の「美」に執着できる素なのかもしれない。