今日も一日暑かった。
昼過ぎから超強烈な雷雨が。
皆、仕事の手を止めて窓の外に目をやった。
ピカっと稲妻が走ると
「今光ったよね!」
と確認し合う、当社の風物詩だ。
もう一つの風物詩は、後輩女子Cちゃんと「こんなの栃木では普通の雷だよね~」「栃木の雷は地響きがしますものね」と言い合うこと。私も彼女も栃木出身なので雷には慣れている。ドヤ顔で雷自慢をするのである。だから雷の日はちょっと嬉しい。
それから雷は3時間近く鳴り続けた。
大きくなったり小さくなったり。
小学校時代の夏休み。
近所の子供達は皆友達だったのでよく外で遊んだ。
のんちゃん、さっちゃん、ようこちゃん、まいちゃん、けーこちゃん。
ゴム飛び、かくれんぼ、ハンカチ落とし、雑木林の探検、空き地で秘密基地づくり。
暑さなんか感じなかった。滴る汗なんか気にせず、誰かの家のお母さんが出す麦茶をぐいぐい飲んで、ひたすら外で遊んだ。
すると次第に空が暗くなり、ポツポツ…ザアザアと雨が降り出す。雷が段々大きな音で頭上で鳴り響き、私たちは他人様の軒先で雨宿りをするのである。
煙るようにアスファルトを打つ豪雨、軒先から滴るしずく。そして濁流となって坂道を下り、溝に落ちていく雨水。
遊べなくなった私たちはそれらをじっと見ているしか術がなく、耐えた。時々鳴り響く雷や走る稲妻にキャアキャアと騒いでいると、いつの間にか空は明るくなっていて、雨はデクレッシェンドに止む。その代わり、蝉がまた一斉に鳴きはじめる。
子供達は湿ったアスファルトの匂いを嗅ぎながら、湿度が高く蒸し暑い中を元気いっぱい走るのである。
明日も明後日もその先も、今日と格段変わらない日常が用意してあると信じて疑わなかったあの頃の夏。
遠く空に湧きあがる入道雲のように、ずっとずっとその先にあるものだと思っていた。
雷の光と音は少女時代の様々な記憶を呼び覚ます。
雨上がりの濡れたアスファルトの匂いを嗅ぐと走りたくなる。
あの日見た入道雲を求めて。
昼過ぎから超強烈な雷雨が。
皆、仕事の手を止めて窓の外に目をやった。
ピカっと稲妻が走ると
「今光ったよね!」
と確認し合う、当社の風物詩だ。
もう一つの風物詩は、後輩女子Cちゃんと「こんなの栃木では普通の雷だよね~」「栃木の雷は地響きがしますものね」と言い合うこと。私も彼女も栃木出身なので雷には慣れている。ドヤ顔で雷自慢をするのである。だから雷の日はちょっと嬉しい。
それから雷は3時間近く鳴り続けた。
大きくなったり小さくなったり。
小学校時代の夏休み。
近所の子供達は皆友達だったのでよく外で遊んだ。
のんちゃん、さっちゃん、ようこちゃん、まいちゃん、けーこちゃん。
ゴム飛び、かくれんぼ、ハンカチ落とし、雑木林の探検、空き地で秘密基地づくり。
暑さなんか感じなかった。滴る汗なんか気にせず、誰かの家のお母さんが出す麦茶をぐいぐい飲んで、ひたすら外で遊んだ。
すると次第に空が暗くなり、ポツポツ…ザアザアと雨が降り出す。雷が段々大きな音で頭上で鳴り響き、私たちは他人様の軒先で雨宿りをするのである。
煙るようにアスファルトを打つ豪雨、軒先から滴るしずく。そして濁流となって坂道を下り、溝に落ちていく雨水。
遊べなくなった私たちはそれらをじっと見ているしか術がなく、耐えた。時々鳴り響く雷や走る稲妻にキャアキャアと騒いでいると、いつの間にか空は明るくなっていて、雨はデクレッシェンドに止む。その代わり、蝉がまた一斉に鳴きはじめる。
子供達は湿ったアスファルトの匂いを嗅ぎながら、湿度が高く蒸し暑い中を元気いっぱい走るのである。
明日も明後日もその先も、今日と格段変わらない日常が用意してあると信じて疑わなかったあの頃の夏。
遠く空に湧きあがる入道雲のように、ずっとずっとその先にあるものだと思っていた。
雷の光と音は少女時代の様々な記憶を呼び覚ます。
雨上がりの濡れたアスファルトの匂いを嗅ぐと走りたくなる。
あの日見た入道雲を求めて。