新しいレベルの信頼関係

今日も一日バタバタして終わってしまった。
新型制服の件はだいぶ落ち着いたものの、後回しにしていた仕事や経費分析など、やることは山積みでいくらやっても減らない。

会長に電話。
ルーチンの一環である数字の報告をした。
「これからは私が訊かなくても、まずはその数字を伝えてください」
と会長に熱くリクエストされた。
単位が百万円で、たとえば20,000と書かれていると、心の中で…百万、千万、一億、十億、百億…と唱えてから、「二百億円」って分かる自分がこの仕事が務まるのだろうか。


また、
「これからは、あなたと密にコミュニケーションを取りたいです」
とか言われた。

彼とは私が総務に異動になった時から、およそ12年ほど仕事面で顔を合わせている。
中国の宦官の如く、会長には尽くしてきたと思う。
先日の交換ノートの件といい、最近、私を使うことが彼の中でブームらしい…会長。


吉熊上司に言ったら
「もうあの家（会長宅）住んじゃえよ」
と笑っていた。

丁稚奉公ですか…。

会長は少年時代から丁稚奉公に出され、一代で会社を築いた苦労人である。
仕事しか知らない人で、私から書類を受け取る指一本一本から苦労がにじみ出ている。
そんな彼の役に立てることは、凄く名誉なことだ。

会長は酸いも甘いも知っている人だから、人の裏を読むことに長けている。
嘘やその場凌ぎの詭弁を彼は一番嫌う。


秘書検定で培った事をフルに生かし、また素直に直向きに働こうって改めて思った。
慣れがミスに直結しやすい性格なので、本当、気を付けなければ…。
新しいレベルの信頼関係を築くのはけっこう大変だと思うけどこれはチャンスなのである。


会長との出会いは1999年の初夏の社長室。
就職活動の最終面接で彼と一対一で面談したあの日。
クレペリン検査と履歴書をガン見していた彼は私に
「何か訊きたいこと、ありますかー？」
と訊ねた。
それ、逆じゃね？と思いながら、彼が載った雑誌の発言について訊いてみた。
さっきまでの沈黙が嘘のように話し出した彼。内気だが実直な人なんだなと思った。



なかなか思うように昇進できず、モヤモヤしていたが、好きな仕事をしているのだから、いいかと思い直した。