最近読んだ本。
★「凍河」(五木寛之)
五木寛之の小説って読んだことがなかったなと、古本屋で見つけて購入。
精神科医の青年・竜野ツトムと精神を病んだ患者・阿里葉子の話。40年前の話でファッションや時代背景などに若干の古さを感じつつも、下巻に入るとするすると読み進められた。ツトムはバイクを乗り回すやんちゃ君。転院した先で葉子に出会い、次第に心を惹かれていく。その惹かれっぷりが、なんちゅうか、超ストレートで、心の中で「待て待て待て待て!!落ち着け、ツトム!」と突っ込まずに入られなかった。あの時代ってそういう熱い時代だったのだろうか。戦中に医院長がいた731部隊等のこと、精神科の隔離病棟のことなども書かれてあり、興味深かった。爽やかな感じ。あと散りばめられた語彙の豊かさに唸った。
★「紙の月」(角田光代)
普通の銀行勤務のパート社員が莫大な金額を横領する話。
ドラマと平行して読んだが、ラストのぼやかしっぷりは小説のほうがモヤモヤする。
ふとしたきっかけで人生が狂うことってあるが、これはその典型だろう。そのきっかけが普段我々が目にしたり、何気なく過ごしている日常にあることに潜んでいることの恐怖といったら。
角田光代の犯罪の話って、被害者の心情が自然で、どれも説得力がある。今回も巧みだった。
★「猫と魚、あたしの恋」(柴田よしき)
柴田よしきの小説を以前読んで読みやすかったので、古本屋で購入した。
オムニバス形式の恋愛小説だが、ほとんど後味が悪くてぞっとする。
後味が割とよかったのは「化粧」
姑が転がり込んできて、ギクシャクする夫婦。夫の浮気が決定打となり、離婚。妻は、息子を庇う姑に「お義母さんはもう女じゃないからそういうことを言えるのよ」と暴言を吐いて実家に帰る。やがて、独身時代に敏腕の化粧品販売員だった妻は再就職で化粧品会社のプレスになる。ふとしたきっかけで認知症になった元姑の顔を化粧することに・・・。化粧をすることの原始的欲求、女性であることについてが深く書かれていた。
明日は待ちに待った林真理子先生のサイン会。
新刊、楽しみ!!
★「凍河」(五木寛之)
五木寛之の小説って読んだことがなかったなと、古本屋で見つけて購入。
精神科医の青年・竜野ツトムと精神を病んだ患者・阿里葉子の話。40年前の話でファッションや時代背景などに若干の古さを感じつつも、下巻に入るとするすると読み進められた。ツトムはバイクを乗り回すやんちゃ君。転院した先で葉子に出会い、次第に心を惹かれていく。その惹かれっぷりが、なんちゅうか、超ストレートで、心の中で「待て待て待て待て!!落ち着け、ツトム!」と突っ込まずに入られなかった。あの時代ってそういう熱い時代だったのだろうか。戦中に医院長がいた731部隊等のこと、精神科の隔離病棟のことなども書かれてあり、興味深かった。爽やかな感じ。あと散りばめられた語彙の豊かさに唸った。
★「紙の月」(角田光代)
普通の銀行勤務のパート社員が莫大な金額を横領する話。
ドラマと平行して読んだが、ラストのぼやかしっぷりは小説のほうがモヤモヤする。
ふとしたきっかけで人生が狂うことってあるが、これはその典型だろう。そのきっかけが普段我々が目にしたり、何気なく過ごしている日常にあることに潜んでいることの恐怖といったら。
角田光代の犯罪の話って、被害者の心情が自然で、どれも説得力がある。今回も巧みだった。
★「猫と魚、あたしの恋」(柴田よしき)
柴田よしきの小説を以前読んで読みやすかったので、古本屋で購入した。
オムニバス形式の恋愛小説だが、ほとんど後味が悪くてぞっとする。
後味が割とよかったのは「化粧」
姑が転がり込んできて、ギクシャクする夫婦。夫の浮気が決定打となり、離婚。妻は、息子を庇う姑に「お義母さんはもう女じゃないからそういうことを言えるのよ」と暴言を吐いて実家に帰る。やがて、独身時代に敏腕の化粧品販売員だった妻は再就職で化粧品会社のプレスになる。ふとしたきっかけで認知症になった元姑の顔を化粧することに・・・。化粧をすることの原始的欲求、女性であることについてが深く書かれていた。
明日は待ちに待った林真理子先生のサイン会。
新刊、楽しみ!!