世界の中心で吉熊が叫ぶ

体長15センチの「吉熊くん」と同居する独身OLの日常生活

ただ泣きたくなるの・・・

2014年04月15日 | Weblog
取引先に契約書を送るよう、吉熊上司に言われた。さっそく経理部O主任から収入印紙をもらい、契約書に貼付。海綿のある場所まで行くのが面倒だったので「これ、舐めてもいいですよね」と吉熊上司に訊いた。
唖然とする吉熊上司・後輩男女。
その表情には
「え・・・」
という文字が浮かんでいた。
しかし、吉熊上司の返答を聞かず、すでに舌で収入印紙の味を味わっている私。べろろん~♪
「すごい顔ですね!」(後輩男子)
「○○さん、舌長いんですね!」(後輩女子)
「・・・」(吉熊上司)
という声を聞きながら捺印をもらうべく吉熊上司に契約書を渡した。
私の唾液で印紙付近が若干湿っているのが気になるらしく、ニヤニヤ顔をしながら指で拭く吉熊上司(←潔癖症なのに)。
爆笑する私たち。そんなこんなで今日もよく笑い、よく働いた。



心療内科デー。

待ち時間3時間半。
林真理子先生の「フェイバリット・ワン」を半分まで読み進めた。23歳のデザイナーの話。最初の印象は、矢沢あいの「ご近所物語」を大人にした感じだったが、半分まで進み、ストーリーがいつもの真理子さんっぽくなってきた。

30分ほど転寝。ソファでウトウト。


さて診察。
前回、クマ医師に手を握られてドギマギしたことを思い出して、なんだか恥ずかしかった。
ノックして入室までの私の様子をクマ医師はいつも観察している。ドキドキ。
今日も紙に書いてきたものを渡す。話すより楽なのである。また、私が思っていることもダイレクトに伝えやすい。

入社してきた新卒社員の制服・中途採用の衣替え・新卒研修の講義などを経て、今は状況的にも精神的にもだいぶ落ち着いていること。
身体的なものとしては、生理前のイライラが少なかったこと、12・13日は眠りが浅かったこと、食欲は普通にあること。
3月中に出さなければいけない書類を今月上旬に社長に提出したのだが怒られなかった。なので、焦らなくていいのだなと実感したことなども書き添えた。

そして、前回クマ医師に「残業して社長に咎められたら『気に掛けてくれてありがとう』という姿勢で対応したらどうだ?」というアドバイスに従った結果、社長と僅かだがコミュニケーションを取れたことも書いた。
クマ医師は「よかったですね」と喜んでくれた。

「よく書けていますね。こういう風に内面を見つめて文章にして物事を整理するのも一つの手ですよね」
とクマ医師。

内面を見つめて文章にして物事を整理・・・これ、9年間ほぼ毎日やっています。
そして全世界に発信しちゃってますから!!


「先生。今年の初めから本当どん底を味わってきましたが、人間、回復ってできるんですね」
と言うと、
「そうですね。あなた、頑張ってきましたもの。だいぶ考え方が変わりましたね。よくなりましたよ」
とクマ医師。

「本当、考え方って財産なのですね。8年前とだいぶ考え方が変わりました。通院してきた8年間は無駄じゃなかったのだと思います。通院から通院までの2週間を生きて、そのときに考えたことをこれでいいか?と先生に確認していただくこの診察を、今すぐ辞められるかどうかは分からないのですが。そしていずれここも卒業するときがくると思いますが、そのときまでよろしくお願いします」
と思ってもないことが口を吐いて出た。・・・こんな前向きなことを言ってるが、心の中ではまだまだクマ医師に依存しているじゃないか。なに思ってもいないようなことをすらすらと言い出すんだ、自分。
世の中には私よりも劣悪な環境で生きている人もいる。冒頭のような恵まれた人間関係の中で生きる比較的恵まれているだろう自分みたいな人間が通うべきところなのか、ここは・・・という罪悪感に似たようなのも隔週の通院で芽生えている。しかし一方で、何でも話を聞いて的確にアドバイスをしてくれるクマ医師を必要としているのも事実。嗚呼、何が事実なのかわけが分からぬ。

じっと俯く私。

私を見つめるクマ医師。・・・あんまり見つめないで。泣きそうになってしまう。
「何か不安なことがあるのですか?」
「・・・ゆっくりでいいのですよ」
とクマ医師は言ってくれた。

クマ医師、何でもお見通しなのだろうなあ・・・。


処方変更なし
ゾルピデム酒石酸塩、防風通聖散、カームダン
当帰芍薬散


次回診察までの2週間、無事に泳ぎきれますように。


今週の会社の花。




晩春の宵

2014年04月14日 | Weblog
今週も始まった。
吉熊上司と後輩女子Cちゃんは他の仕事で席を離れていた。
私は午前中に制服の発注を終え、午後から決算資料の枠ずらしに着手。

17時。まだ二人は戻ってこない。
なんだか寂しい。

窓の外に目をやる。
白いビルが茜色に照らされていて、背後のグレーがかった青空とコントラストを描いていた。日が伸びたと思う。
春はあけぼのっていうが、春の夕暮れも良い。懐かしい感じがする。
あれは遠い日。1学期の初め。新しくできた友達の家に遊びに行ったとき、こういう空の下を歩いた気がする。
線路の向こう側の家、四号線をうんと南下してちょっと横道に入った家。



枠ずらしを終え、残業後、歯医者へ。歯医者、なかなか終わらない。そんなに酷い虫歯はないのだが、歯茎がだいぶ削れてしまい、その治療らしい。
最後に歯石を取ってもらったのだが、これが痛くて痛くて。
思わず歯科衛生士さんを睨んでしまった。
私の眼は大きいので、カッと見開くとリングの貞子のように見えると評判だ。
普段の私は「痛いですか?」と訊かれても大抵は我慢する。しかし、今日のアレはとんでもなく痛かった。すかさず、貞子降臨。
くるーきっとくるー。井戸から這い上がってきたくなるっちゅーの。

貞子に気付いた衛生士さんは
「・・・すいません。痛かったですね」
と謝っていたが、さほど悪びれもせず。
ちょっとトラウマレベルに痛かった。うがいをしたら鮮血が・・・。

口内に違和感を感じつつ、帰宅。
いつも母ヨーコたんに電話をするのだが、どうやら風邪を引いて寝込んでいる模様。ちょっち心配。
実家にいた頃、母は風邪を引いた私におじやを作ってくれた。それが美味しくて美味しくて。ありがたかった。

母にはもう母と呼べる人がいない。風邪を引いてもだれも面倒を見てくれない。彼女の夫である私の父は、妻の看病を面倒臭がるタイプの人である。心では心配しているのだろうが行動が伴わない。だから娘である私が優しくしなければ、と思う。

そんなことを言うと、母は
「馬鹿にしないで頂戴!」
と鼻で笑うに違いない。そんなお茶目な母ヨーコたんが好きである。


そうそう、今日は素敵なお土産をいただいた。
他部署のK係長にかもめの玉子(スカイツリー限定 キティちゃん仕様)、出雲に行った経理部O主任に「ひょっとこ饅頭」・・・嬉しいなあ。かわいいなあ。もったいなくて食べられない。
吉熊も大興奮。




今夜は月と火星がデートしてる!
天体リア充!!



明日もがんばるん♪




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ドビュッシーの「夢」が流れる日曜日

2014年04月13日 | Weblog
昼下がり、浮間公園へ。前から一度行きたかった。土曜日から運動不足を認識していたので、歩いておこうかと思ったのである。
駅を降りてすぐ目の前にあるという分かりやすさが素晴らしい。

池の向こうに風車。優雅である。ピクニックに来ている人が多かった。


桜の一種だろうか。


池にはリア充なカルガモが・・・!



桜の時期はとっくに終わったもよう。しかし幹の部分に奇跡的に一輪咲いていた。これこそ今年最後に見るであろう桜だ。



すみれの花壇で記念撮影。
吉熊、にっこり。


愛くるしい。




すずらんに似た花。スノーフレーク。





ヤマブキ。



池を一周し、早々と帰宅。最近疲れやすいのでこのぐらいがちょうどいい。
ほっともっとでハンバーグ弁当を買い、林真理子先生の本を読み始めた。
23歳のデザイナーの話。これは面白そう。


明日からまた仕事。

今朝は会社を辞める夢を見た。しかも私は店舗に勤務していて店長は吉熊上司。後輩男女も店のスタッフとしているというシチュエーション。別に私は辞めたくて辞めるわけじゃなくて、何かしら、急にやめることになったっぽく、急いで後輩女子Cちゃんに餞別の品を買っているシーンだった。ショッピングセンターのファンシーショップで雑貨を選び、「ああ、仕事の引継ぎをしていないな」と申し訳なく思っているというリアルな夢だった。起きたとき、凄く疲れていた。そしてこんな夢を見た自分を恥じた。
「もー、私、会社辞めたーい」と気だるそうに煙をふかしながら愚痴る先輩を「かっこいい」と思う時期があった。「仕事ができるからもっといい給料ゲットを夢見ているのだな。いいな」と何の疑いもなしに妄信していた時期が。
しかし、今の私は「嫌だな」「辛い」「この給料って・・・何?」と思うことはあっても辞めたいとは思えない。ここを辞めて再就職できる自信もスキルもない。しかも制服管理業務という新たな仕事ももらって、今が頑張り時だとも思うからだ。逃げない。踏みとどまる。

仕事を辞める夢は、夢診断によると・・・頑張れば頑張るほど成果が表れるという意味です。実際に仕事に対する意欲が薄らいでいる事も表しますが、手抜きしなければ結果はついてきます・・・ということらしい。

よし、頑張るぞ!!
来週は、喫煙所飲み会・嶽本野ばら先生のサイン会・小学生のときからの心の友わたと遊ぶ・・・という豪華三本仕立てが待っているし。


ドビュッシーの「夢」が似合う、まどろみに似た不思議な日曜日だった。

吉熊、来週も頼むよ!

化粧品 自分が自分でいるために

2014年04月13日 | Weblog
昼過ぎ、目覚めた。寝すぎて腰が痛い。

夕方、隣町のデパートへ。化粧下地を求めて。
私が14年ほど愛用しているのは資生堂ホワイトルーセント「ブライトニング スポットコントロール ベース UV」だ。
これのお陰で肌だけはきれいだと言われる。とにかくカバー力が半端ない。




カウンターでビューティアドバイザーさんと話しこむ。
「増税前の駆け込み需要、ありましたか?」
と尋ねたら、やはりあったとのこと。
開店から閉店まで、お客さんが順番待ちの状態で本当に大変だったのだが、4月に入ってからは客足が少なくなったもよう。在庫は多く確保していたにも関わらず、売れに売れて商品によっては品薄にもなったそうだ。どうせ使うし、高くなる前に買っておこうというお客様が多いとのことで、なるほど納得。

そう言えば、増税後、スーパーなどで値札の金額が僅かに上がっているのを見ると物を買うのが怖くなった。増税したのだから仕方がないと諦めつつも、どこかに物を買うことに罪悪感が芽生えている。いちいち「これは必要か」とよく考えるようになった。消耗品など、明らかに、より安いものを買う癖もついた。

でも化粧品だけはどうしてもランクを下げられない。

もしこれよりも安いものを使って少しでも気に入らなかったとする。そのとききっと私は「これだから駄目なんだよ」と思いそうだ。人に晒す機会が多い「顔」という部分に施すものだから余計に強く思うに違いない。対面した人の表情に自分の顔の出来栄えをテストの点数よろしく浮かび上がらせるので手抜きができない。自意識過剰なのかもしれないが。

大学時代、よく妹とカワチ薬局に行き、化粧品やヘアケア用品を買いに行った。
マニキュア、化粧水、ムース。高いものは買えなかったが、二人で色々話しながら買い物するのは本当に楽しかった。
肌水、セザンヌ、ティセラ、ラビナス、ff(フフ)、ヌーヴ、ボングー・・・当時の化粧品を思い出す。懐かしい。お世話になった。

あの頃、二人ともコンプレックスの塊で、テレビのタレントを見ながら
「あんな髪質で生まれたかった」
とか
「どうしたらあんなふうに可愛くなれるのか」
ということを語り合っていた。
今では、妹も私も三十路に入り、コンプレックスを意識せずにいられるにはどの商品を買うべきかということを学習し、商品を選んで買い、時には使用感を述べ合うにとどまっている。


資生堂のカウンターで、他の商品の説明も受け、試供品をもらってホクホク顔で帰宅。これで2ヶ月強は自分の顔を維持できる。
生活防衛意識が強くなった私だが、これは維持費という必要経費に仕分け。自分が自分でいるための維持費。


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巻き髪を弾ませながら

2014年04月12日 | Weblog
吉熊上司の予定には、定時後、彼は歯医者に行くと記載されてあった。
他部署に行ったまま定時になっても帰ってこない彼にLINEで「今日は歯医者ですよね?」と伝えた。
忘れてはいなかったっぽいが、帰ってきた彼に「ありがとう」と言われたとき、なぜだか凄く嬉しかった。
秘書検定一級を持ってはいるが、自分は秘書向きではないと思っている。
でも、こうやって上司をさりげなく支えるのは案外好きなのかもしれない。ちょっと意外だった。

今日は月曜日の全体朝礼での社長スピーチをやっと入力できた。
一週間も放置してて大丈夫かなと思っていたが、より影響力がある制服業務を優先させていた。
提出が遅れても怒られない、だから焦る必要はないのだということを学習した。



昨日書いたように、今日は巻き髪で出勤。いつもはスーツ+ストレートヘアのハーフアップが定番なので周囲の人の驚きっぷりがおもしろかった。




他部署のエロい部長に
「今日は雰囲気違うね。もしかして小保方さん、意識しちゃった?」
と言われた。
都心の私大を出ている彼はシティボーイを演じるのがヲサレだと思っているらしく、若干チャラい。
またセクハラ極まりない言動が多い彼なのだが、この件でちょっとだけ彼を心の中で見直した。だてにエロってるんじゃない、きちんと観察しているんじゃん、と。きっと接客の場で彼の観察眼は大いに活かされるだろう。・・・本社の女子は苦笑いでスルーだが。

「はい!でもリケジョではありません。算数、苦手ですから」
と切り返したら、エロ部長とその周囲のおじさんたちは爆笑。


また、他の場では
「どうしたの?今日、定時後に何かあるの?合コン?」
と訊かれた。
いえいえ。今週末は何もありません。


今日のミッションは帰ってチキンラーメンを食べること!
・・・無性に食べたくなるときがある。ムツゴロウさんが全力で頭の中を駆け巡るときが。



一週間のご褒美にお酒も付けちゃう。おいちー。
チキンラーメン、なんでこんなに美味しいのだろう。愛新覚羅溥儀が好物だったのも頷ける。中国四千年の味>チキンラーメン・・・納得。

酒臭いため息を吐きながら、一週間を振り返る。
今週は短かった。全力で駆け抜けたような気がする。
一日一日が濃密なので早く感じるのかもしれない。

最近トイレの鏡に映る自分の顔が疲れているなと感じていた。
今日は巻き髪でカバーできた。
休日はゆっくりしよう。

一週間、お疲れ様でした。

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鼓舞

2014年04月10日 | Weblog
毎日毎日、制服の申請書が来る。「サイズを変えてほしい」「破けた」「擦れた」という理由で。
返却分も半端ない。その度にデータの入力、発送または発注。
店舗で働くスタッフのため、少しでも早く制服を手配したいという気持ちで業務に当たっている。毎日、杉原千畝状態である。私のあの制服台帳はシンドラーのリストなのかもしれない。
この申請書のむこうに、制服を待っている人がいる。その思いは、ある種のトランス状態を引き起こす。

この業務に携わってほぼ1ヶ月。だんだんと慣れてきた。
今日は午前中に制服業務が落ち着いたので、午後から自身の本来の仕事を行えた。がっつりと。すっきりした。


午後、後輩女子Cちゃんと他の建物に行く。
外は風が軽やかに吹いていて、日差しもあたたかい。
「春だね」
「春ですねえ」
と、ほっこり。


Cちゃんは少し、今世間を賑わせている小保方晴子さんに似ている。砂糖菓子のようなほんわかした感じが。Cちゃんの方がスレンダーだが。

小保方さんの会見を動画で見た。
巻き髪のハーフアップ、真珠のネックレス、紺の清楚な洋服・・・これって神コーデじゃね?
なんだか私も真似したくなってきた。髪を巻きたくなったのである。
天気予報を見ると、明日は湿度も低くいらしい。ということは、巻きが取れにくい。早起きして巻こうかな。

「STAP細胞はあります!」
改め
「この子は話せます!」
と吉熊を掲げたらどうなるだろう。・・・そんな妄想を思い描きながら帰宅。きっと私の脳細胞に疑念を抱かれるという悲しい結果になるから自粛しよう。


「話せるよ!」



明日は金曜日。
定時後に合コンを疑われるほどの巻きっぷりで制服業務に勤しもう。

こんなテンションの上げ方も、たまにはいいだろう。





神保町で会いましょう

2014年04月09日 | Weblog
林真理子先生の新刊「フェイバリット・ワン」のサイン会へ。
三省堂書店神保町本店にて。
この日のために、昨日と今日は仕事を倍速モードにして頑張った。
定時の鐘と同時に会社を出て、なんとか間に合った。


林真理子先生の作品との出会いは、学生時代。「葡萄が目にしみる」が試験問題に引用されていて、なんだか胸にくるものがって、以来、私はずっと林先生のファンである。自身の経験に基づいているのであろう、努力の末に勝ち取ったサクセスストーリーは前向きな気にさせてくれるし、主人公と一緒に身を焦がす恋愛ものも現実世界を忘れさせてくれる。時代物からOLの恋愛ものまで、振り幅がすごい。
エッセイも、物事の捉え方がユニークで、それを上手に表現されてておもしろい。

何度か林先生のサイン会には伺っているが、そのたびにドキドキする。
新刊を購入後、階段の上層に伸びた列に並びながらドキドキ。
場所柄、並んでいる人は編集者?と思しきマスコミ関係の人が多かったように思う。業界の女性ってなんであんなふうにモデルみたいに綺麗なんだろう。私が思うイイ女を具現化したようなロングヘアの女性が目の前で同僚たちと楽しそうに待っている姿がまぶしかった。

そろそろ私の番が近づいてきた。
前の人と話をしている林先生をガン見。今日はネイビーの細いストライプのスーツをお召しだ。髪が超サラサラしていた。肌も白く輝いている。綺麗だ。


さて、私の番。

「どうもありがとうございます」
と林先生。
宛書は私の名前。
嗚呼、あの林真理子先生が私の名前を書いているなう!と思うと目の前がくらくらした。
くらくらしつつも、林先生が身に着けてらっしゃる真珠の指輪とネックレスの照りに注視。たしか前回も・・・というか、毎回真珠を着けていらっしゃる気がする。真珠、好きなのだろうか。


ずうずうしくも「戦争特派員」の下巻にもサインをしてもらった!
嫌な顔をせず、「いいですよ」と仰ってくださったので・・・。

前回は上巻にサインをいただいた。この作品、林先生の小説で一番好き。
好きな男性ができて、振り向いてもらいたくて一生懸命向上していく主人公・奈々子がいじらしくて切ない。外見は蓮っ葉なんだけれども。そんな奈々子を赤子の手をひねるようにして接する中年男性・梶原の巧みなじらしっぷりも読みどころ。
この小説、好きすぎて、読み返すときは、作中の舞台をGoogleのストリートビューでチェックしながら読んでいる。そのぐらい惚れ込んだ作品だ。そんな大好きな作品に作家本人のサインが刻まれるだなんて。嗚呼、嬉しい!!

最後、じっと目を見つめて
「ありがとうございます!」
とご挨拶したら、林先生も私の目を覗き込むようにしっかりと見てくださった。
握手もしていただけた。柔らかくてあたたかい掌だった。この指で私を魅了しまくった多くの作品を紡ぎだしたのだ。あの作品も、この作品も。

興奮しながら、母ヨーコたんに報告・連絡・相談。
「よかったね。気をつけて帰るんだよ」
と言われ、鼻息荒く、そのまま喫茶店さぼううるに吸い込まれていく。

さぼうるは映画「東京日和」で知った神保町の老舗の喫茶店だ。
姫野カオルコ先生の「ハルカ・エイティ」の冒頭にも出ている。
ウッディな内装、静かな照明で落ち着く。久々にマスターのお顔を拝見できてよかった。


中二階の席で「フェイバリット・ワン」をペラペラ捲る。面白そう。
林先生曰く、随筆「野心のすすめ」の小説版だそうだ。楽しみ!!!!!


林先生から偉大なるパワーをいただけた。
明日からも頑張ろう!!!!





読書録

2014年04月08日 | Weblog
最近読んだ本。

★「凍河」(五木寛之)

五木寛之の小説って読んだことがなかったなと、古本屋で見つけて購入。
精神科医の青年・竜野ツトムと精神を病んだ患者・阿里葉子の話。40年前の話でファッションや時代背景などに若干の古さを感じつつも、下巻に入るとするすると読み進められた。ツトムはバイクを乗り回すやんちゃ君。転院した先で葉子に出会い、次第に心を惹かれていく。その惹かれっぷりが、なんちゅうか、超ストレートで、心の中で「待て待て待て待て!!落ち着け、ツトム!」と突っ込まずに入られなかった。あの時代ってそういう熱い時代だったのだろうか。戦中に医院長がいた731部隊等のこと、精神科の隔離病棟のことなども書かれてあり、興味深かった。爽やかな感じ。あと散りばめられた語彙の豊かさに唸った。



★「紙の月」(角田光代)

普通の銀行勤務のパート社員が莫大な金額を横領する話。
ドラマと平行して読んだが、ラストのぼやかしっぷりは小説のほうがモヤモヤする。
ふとしたきっかけで人生が狂うことってあるが、これはその典型だろう。そのきっかけが普段我々が目にしたり、何気なく過ごしている日常にあることに潜んでいることの恐怖といったら。
角田光代の犯罪の話って、被害者の心情が自然で、どれも説得力がある。今回も巧みだった。




★「猫と魚、あたしの恋」(柴田よしき)

柴田よしきの小説を以前読んで読みやすかったので、古本屋で購入した。
オムニバス形式の恋愛小説だが、ほとんど後味が悪くてぞっとする。

後味が割とよかったのは「化粧」
姑が転がり込んできて、ギクシャクする夫婦。夫の浮気が決定打となり、離婚。妻は、息子を庇う姑に「お義母さんはもう女じゃないからそういうことを言えるのよ」と暴言を吐いて実家に帰る。やがて、独身時代に敏腕の化粧品販売員だった妻は再就職で化粧品会社のプレスになる。ふとしたきっかけで認知症になった元姑の顔を化粧することに・・・。化粧をすることの原始的欲求、女性であることについてが深く書かれていた。



明日は待ちに待った林真理子先生のサイン会。
新刊、楽しみ!!

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高い天井

2014年04月08日 | Weblog
午前中、吉熊上司の力を借りて、衣替えの制服を発送!!
春の日差しの中、台車を使って他の建物に制服を持って行く。
隣接する公園の桜を見て
「散っちゃいましたね」
と感想を述べながら、ガラガラ・・・。しとぴっちゃんしとぴっちゃん状態。

発送業務をしていると、社内で信頼の厚い吉熊上司に、皆が手を休めて寄ってくる。
某次長とか、「お!久しぶり。何してるの?」と堂々と近づいてくるし。どんだけ人気者なんだよ。レアキャラすぎ。ワロタ。
仕事が正確で優しくてみんなに愛されている吉熊上司。25年の会社員生活でずっとそうだったのだろう。
信頼って、ローマは一日にして成らずなのだなと思った。


自席に戻り、発送した分を台帳に記入。魂をPCに吸い込まれそう。
夕方はリリースされた社外記事を元に数字を記入。

まだ稟議決裁の処理が終わっていなくて残業をした(経理が待っているので)。
社長に
「制服、大丈夫ですか?」
と訊かれた。

先日の心療内科でクマ医師が
「ご心配をおかけしてすいませんという姿勢で対峙すれば角が立たないんでは?」
と言っていたので、そのようにした。
「社長、色々とご心配をおかけしてすいません。新卒・中途の衣替えも完了しました」
と言うと、
「いえいえ」
と。
「会話」が成立したのでよしとしよう。ありがとう、クマ医師。


残業後、経理部O主任と一緒になった。彼女は私の1期上で1才年下。
14,5年働いて、この手取り!?と思ったら、もうやりきれませんよね・・・という、もう何度呟いたか分からぬことを話しながら駅まで向かう。彼女も私もクタクタだ。まだ火曜日なのに。また、この会社、蟹工船なんじゃね?と、これもいつか話したようなことも、ため息混じりに出た。花の匂いが漂ってきそうであたたかくてワクワクするような春の宵に、こんな話は似つかわしくないと思いながらも吐いて出る愚痴は芋づる式にとまらない。

また、忙しすぎると精神的に余裕がなくなって、他人に優しくなれないと言う彼女。激しく同意。見て見ぬ振りをしてスルーしてしまうことが多くなった。それが良いのか悪いことなのかは分からない。

吉熊上司はたぶん社内で一番忙しい人だ。なのにあんなにみんなの信頼を得ている。それはきっと彼が忙しいときにでも他人に優しくしていた結果だと思うと、もう、こんなプチ祭り状態でアワアワしてしまう自分はまだまだだと思う。

気付けば入社15年目に突入。

幸い、私の上司は天井が高い。
部下である私は思い切りジャンプできるのだと思うと、もう少し頑張れるような気がした。




寂しくなっちゃう手

2014年04月07日 | Weblog
少し肌寒い朝だった。
朝礼後よりバタバタ。
今日の午後は、吉熊上司と一緒に行う作業があるので午前中にできることをしようと必死だった。
また、一緒にやる作業の準備。エクセルで表をこしらえ、保存のボタンを押したところで12時。


昼食は牛タン弁当。精力をつけようと。

午後から、吉熊上司に手伝っていただき、中途採用で入社してきた人たちの夏服の手配をした。
てきぱき。一人で行っていたら3日ぐらいかかっていたかもしれない。多かった。


ついでに制服の在庫の部屋も二人で綺麗にした。断舎離。
吉熊上司の指揮力、行動力には頭が下がる。

制服を手渡す際、私の指と吉熊上司の指が触れたとき、
「冷たい指だな。生きてるのか?」
と心配された。そう、私は冷え性だ。

そして
「触れると寂しくなっちゃうぐらい、冷たい」
と評された!

寂しくなっちゃう手・・・。

結局、制服の在庫の部屋の整理は定時までかかった。
随分と綺麗になった。これで管理がしやすくなる。

多くのいらないものを捨てて、私の心まで軽くなった。

二人で自席に戻ると後輩女子Cちゃんが気を利かせてくれて稟議書の受付をしておいてくれた。助かる。
そして、先ほどの「寂しくなっちゃう手の件」を後輩男女に話すと二人とも爆笑。
「触ってみる?」
と彼らに指を伸ばすと
「冷たいです」
「これは寂しくなりますね」
と感想を述べられた。

机の上は未処理の書類が散乱しているがあまり遅くまでいると怒られるので放置プレイして帰宅。

優先順位をつけて、焦らずにこつこつと切り崩していけばいいか。
他部署の人に
「あれ、まだ?」
と言われたらそれはそのとき。

そうしようと腹をくくった。
ビバ・認知行動療法。

制服管理業務の仕事を与えられてそのプレッシャーに負けそうだったが、私の上司はちゃんと考えてくれていた。私の技量を。最善の方法を。だから案じることなどはなかったのである。・・・考えなくっちゃいけないことが増えたのは事実だが。

部下に仕事を与えるということには自らにも責任が発生する。
吉熊上司はその責任を持つことができる、当社では珍しいタイプの社員だ。
そんな吉熊上司の部下でいられることの幸福を私はもっと感じなければならないんではないだろうか。

・・・冷たい手をしている場合じゃない。

明日もやることいっぱい。
頑張ろう。


見納め

2014年04月06日 | Weblog
新河岸川の桜を見に行こうと早起きした。といっても午前11時だが。
起きたときは燦々とお日様が笑っていたのに、目的地到着少し前から雨が・・・。
さすが雨女である。昨日のお花見は奇跡だったのかもしれぬ。

橋を渡ると桜並木が見えてきた。


お花見客はちらりほらりといた。
桜並木を歩いていくと小雨と桜吹雪の猛アタック。桜の花弁って強風に乗って向かってくると痛いのな。


反対側には芝桜。こちらも綺麗。


雨が憎い。せっかくの桜が台無しじゃないか。もう少し早起きすればよかったのかな。嗚呼、自分ってばなんでこうツイていないのだろう。いっつも肝心なときにハズすよな・・・いろんなこと。

「気にするなよ」
と、吉熊。若干ドヤ顔!?いつの間にこんな表情を覚えたのかしら。
吉熊、本当に可愛い。



桜。今年も咲いてくれてありがとう。また来年、会いましょう。


一人カラオケに行くことにした。


いつもながらカオスな選曲。
NHKのど自慢を見ると歌いたくなるのはなぜだろう。



一時間、ジャイアンの如く大熱唱。すっきり♪

夕方。カラオケを出ると外は晴れていた・・・。さっきの雨は何だったのだろう。
自分の運のなさに霹靂しながらスーパーへ。

スーパーで水餃子を購入。普段ならばカップラーメンを選択するのに。そのコーナーの対岸に位置するコーナーでつい美味しそうな水餃子を発見してしまったのだ。


帰宅後、昔300円ぐらいで買った鍋に水を入れ、沸かす。
で、水餃子を投入。
タバコ1本分の時間を置いて完成。料理したの、14年ぶりかもしれない。






氷結とご一緒に。おいちー。ぷるぷるしてて絶妙じゃないか。吉熊も大喜び♪

地味に独身生活を謳歌した一日だった。ゆっくりできた。満足。


さて、明日からまた一週間が始まる。
正直怖い。大丈夫だろうか。色々と。
でも来週は林真理子先生のサイン会がある!!わ~い。頑張ろう!!

そして再来週は嶽本野ばら先生の新書「金脈」のサイン会に行けることになった。今月は読書月間になる予定。




桜日和

2014年04月05日 | Weblog
午後、蓮田へ。
前々から行きたかった桜スポットがある。元荒川の桜堤だ。東北線で北上する際、蓮田を過ぎてすぐに川を渡るのだが、その川沿いに桜がびっちりと咲いているのを以前電車内から見たことがある。以来ずっと行きたかった。昨晩、ネットで調べたらまだ咲いているらしい。

蓮田駅で降り、コンビニでおにぎりを購入。
トコトコと歩き、橋に差し掛かる。
橋を渡る手前、左右に広がる桜パノラマが目に飛び込んできて、思わず「わあ綺麗!」と声をあげてしまった。



感動!電車から見たとき以上に綺麗だ。


川沿いを歩く。


対岸の桜と青空が水面に映り、目を楽しませてくれた。






桜の下でヤンキー座りをし、おにぎりを貪り食う。うまー。
当然吉熊も一緒に。



あまり人がいなかったので、堂々と一人お花見ができた。

頭上に広がる桜。




なんとも太い幹。


八重の桜。



橋を渡り対岸を歩く。




チューリップが咲いていた。
「おやゆび姫はいるかな?」


菜の花も風に揺れている。


桜のトンネル。



毎年、様々な場所の桜を楽しんできだ。千鳥ヶ淵、鳩山会館、狛江の多摩川沿い、六義園、神代桜、飛鳥山、熊谷の桜堤、権現堂桜堤。
この元荒川沿いはそのなかでも、のどかで静かなので気に入った。じっくりと桜を見られた。待っていてくれてありがとう。桜。


お日様が翳るとやはり少し寒い。暗くなる前に帰りの電車に乗った。


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蓮田なう

2014年04月05日 | Weblog
埼玉県蓮田市の元荒川でお花見なう。
舞散る花弁と水面に映る桜がなんとも幻想的。

春の尻尾

2014年04月04日 | Weblog
今週の会社の花(ロビー)は、アルストロメリア。
清らかな色合い。



昼休み。
今日のランチは先日の帰省でもらったカップラーメン。
給湯室でお湯を注いでいると人事部長もやってきた。
いつも給湯室に入るメンバー以外の私がいたことにびっくりしていた。
部長「お、カップラーメンなんて珍しいじゃん」
私 「帰省したとき、母が持たせてくれたんです。特売日に買っておいてくれて。『亮ちゃん、これ持っていきな(栃木弁)』って」
部長「あれ、なんだか懐かしい響きだな」

そうそう。彼は益子辺りの出身だっけか。栃木のイントネーションは少々尻上がりなんだっぺよ。懐かしいなあ。

私 「おふくろの味です!」
部長「ははは」

あまり彼とは喋らないのでとても新鮮だった。

そしてカップラーメンは美味しかった。ごちそうさん♪



今日は新卒の制服の注文を業者に送り、達成感半端ない。
日常の制服管理業務も「これは無駄だな」と思うことは吉熊上司に言って省くようにしている。また「助けてほしい」と思うこと(特に肉体労働)は、お願いできるようになった。いや、吉熊上司がそう言える雰囲気を醸し出してくれている。本当に上司に恵まれていると思う。

次の峠は冬季入社の社員の衣替えだ。敵は夏服にあり!!!!!!


窓の外はさっきまで降っていた雹混じりの雨が上がって、日が射していた。黒く重たい雲の隙間から茜色の光がにじみ出ている。
「最悪!」「やってらんねーくそ」と思うことも多いが、直向にやっていればいいこともあるのかなと思いながら稟議書の受付。

今日は久々に定時で帰れた。

桜はすでに散り始めている。今週末は桜を楽しむ予定。季節はいかなるときも待ってくれない。過ぎ行こうとする春の尻尾を必死でつかみ、晩春を感じたい。

春、待ってくれっけ?(栃木弁)


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夜をこめて 鳥の空音は 謀るとも

2014年04月03日 | Weblog
春雨にやきもきである。今週末は花見をする予定なので、雨で桜が散ってしまわないか、そわそわ。本当、桜の時期って心が落ち着かない。
仕事のほうもだいぶ落ち着いてきた。
夕方、人事部から新卒の配属先店舗のデータをもらい、さっそく注文表を作成した。IF関数を駆使した渾身の注文表。
久々にプチ残業で帰ることができた。

昨日の歴史秘話ヒストリアは清少納言の枕草子。
清少納言・・・忘れられぬ名前。

小学校5年生のとき。
「今日の宿題は百人一首で好きな歌を1首覚えてくること」
と担任の福田先生に言われた。
その時私が覚えたのは清少納言の歌だった。



福田先生は28歳の男の先生で、熱血感溢れる人だった。市の中心部より移動してきた。
正直、ちょっと怖かった。男性の担任は初めてだったので。

事実、4月の初めてのテストで、テスト前の休み時間に遊んでいたら
「おめーら信じられねぇ!なんでテスト前なのに遊んでるの?」
と怒号が飛んだ。
「嗚呼、大変な先生のクラスになってしまったなあ」
と、私は心が暗くなった。

福田先生はそれまでの自分が知らなかったものをたくさん教えてくれた。

・ドイツ語で「喜びの歌」を教えてくれた。
・難しい漢字を教えてくれた(蛤、蛾、蝶、蜻蛉、鮫、鰊、案山子、月極、予め、糞)。
・また漢字ドリルの漢字を一人一つずつ請負い、その漢字について「説明」をさせる、とか。仕事で言うとプレゼンに位置するのだろうか。意味とか書き順などを生徒が先生に変わって説明するんである。(ちなみに私は「編」だった。「変」ではない)
・屋上で給食を食べさせてくれた
・ラジオ体操の動き一つ一つの「意味」を教えてくれた。
・ノアの箱舟(「お前ら馬鹿だからノアの箱舟に乗れねーぞ」と言われた)
・「雨ニモ負ケズ」
・課題を与えられ、できないと帰れない。私は18時まで残ったことがある。たしか速さ・時間・道のりの問題。


他の学年での授業はほとんど忘れてしまっているが、5年生での出来事だけはやけにリアルに覚えている。
福田先生は厳しかったが、その後の私の人生に多大な影響を与えてくれた。

その最たるものが百人一首だ。
ある日突然百人一首が書かれたプリントを渡された。
「明日までに一首おぼえてくるように」
という宿題が出された。
それまで百人一首なんて見たことも聞いたこともなかった。

放課後、クラスの半分ぐらいの子が覚えやすいという理由で
「いにしへの 奈良の都の 八重桜
 けふ九重に にほひぬるかな」
を覚え始めていた。
私は目をつぶって指差したものを覚えた。
それが清少納言の歌。

「夜をこめて 鳥の空音は 謀るとも
 よに逢坂の 関は許さじ」

意味なんて分からなかった。
帰宅後、母ヨーコたんにも
「なんでそんなのを覚えようとしたの?八重桜のやつにすればいいのに」
と言われた。言われれば言われるだけ私は意固地になり、必死でその清少納言の歌を覚えた。

翌日のお披露目。一人一人立たされて覚えてきた歌を言う。
やはり八重桜の歌が人気。
その度に、
「おめーもか!」
と声を上げる福田先生。

私は緊張した面持ちで暗記してきた
「夜をこめて 鳥の空音は 謀るとも
 よに逢坂の 関は許さじ」
を早口で言った。
そのときの福田先生の感想などは忘れてしまったけれども「私はみんなとは違う」という、優越感があったのは覚えている。



「夜をこめて 鳥の空音は 謀るとも
 よに逢坂の 関は許さじ」

夜がまだ明けないうちに、鶏の鳴き真似をして人をだまそうとしても、
函谷関ならともかく、この逢坂の関は決して許しませんよ。(だまそうとしても、決して逢いませんよ)


改めて考えると、すげー高慢ちきな歌だよな。
先述の「私はみんなとは違う」という幼き私の優越感と若干かぶらないでもない。

そんなこんなで、昨日の放送では、そんな小学校5年生の日々を思い返した。
放送では「枕草子は女子ブログのようなもの」と説明されていた。
この吉熊ブログもいずれ・・・。「それが、のちの『熊草子』だった」(「その時歴史が動いた」ふうに)。


上村松園筆 『清少納言-褰簾ノ図』