──しちゃいけないと、何度も自分に言い聞かせました。
建築確認申請書類の構造計算書が偽造されてる問題で、どこの会社よりも先に記者会見したヒューザーの人。
悪い顔してるなぁ…と思ってはいましたが、口にはしませんでした。
たとえ……
「お金儲けだけをするような、そんな悪い顔に見えますが、私が?」
──なんて言われ、
見えるんだけど…
──と思っても、その頃はメディアに出たばかりというのと、全容が見えてなかったので、一生懸命、“見た目で判断しちゃいかん”と自分に言い聞かせてたんです…。
でもね…
やっぱ、あんた悪い顔してるよ。
しかも、どこよりも早く記者会見すれば、早く対応したとかなんとか、国民の受ける印象がよくなるだろう…という意図があったとしか思えない。
我がマンションも、入居した5年目には既に、フローリングの傾きというか歪というか…そういう現象が出てきたし、壁紙だけかもしれませんがひび割れてる所も出てきました。ベランダの手すり部分にも亀裂が生じてます。
他の家(部屋)の人からも、定期会議ではちょこちょこと問題が上がってきてまして、言葉にこそ出さないが、
欠陥住宅じゃないの
──という思いが、言葉の端々から伝わってきてます。
故に、このマンションもヤバイんじゃねーの…? とは思ってますが、知っちゃうとローンはどうするんだとか、保障はどうするんだとか、引越ししなきゃいかんのだろうか…なんていう面倒な事になりそうで…正直、“知らぬが仏”という言葉にすがって、調べようという気にもなりません…
でも、万が一そういう事が判明したら、引越し代とか保障金とかそういうのは要りません。
購入価格を全額返金してくれとも言いません。
実際、それまでの期間は住んでたわけだし、賃貸マンションにいたと思えばそれで済むから。
ただ、残りのローンだけは負債してくれ。
それさえしてくれれば、あとはどうにでもなる。
新しい物件を買うにしても、今のローンがあると新たにローンは組めないし、賃貸に引越しても、家賃だけで2倍(ない家のローン分)も払うなんてやってられない。
高額保証を要求して、全物件の保障ができないまま倒産しちまうくらいなら、残りのローンだけでも負債するって形で全物件を保障してくれたほうがまだマシ。
その保障ができてから、経営が出来なくなり倒産…っていうなら、勝手に倒産すればいい…と思ってしまうのは、私だけかなぁ。