涸沢は遠きにありて思ふもの

涸沢の紅葉を見に5年連続で行ってきました。

週末の大混雑を予想して、28日激しい雨の中で涸沢に先着して滅多にない「良場」でテント２泊
そんな雨の中でも最終的にテント数は約300張り
そして昨日は600張り越え、
とてもテントを張るには適さないガタガタの岩の堆積の上にもテントを張っていました。

さらに今日はその倍以上という予想、

事実、幕営装備のたくさんの人が続々と歩いてきていました。

涸沢に着いてもテントを張れる場所があるとは思えないのですが･･･



それを承知で行く人、知らずに行く人･･･

どちらも阿鼻叫喚のがれきの上のテント場

トイレに行けば大行列

生ビール飲むにも売店も大行列

名物のおでんも生煮え

ヒュッテに泊まれば布団1枚に5人？（あの大雨の28日でも布団1枚に3人！）

部屋中に轟く大いびきの生き地獄！



それでもあなたは行きますか？

（って、錆鉄人は行ってきましたが･･･ピークを外して）


という事で、久々の本歌取り


　　紅葉異情

涸沢は遠きにありて思ふもの
そして悲しくうたふもの
よしや間違えてテント担いで行くとても
泊まるところにあるまじや

　　　錆　犀星


（本歌　小景異情）
ふるさとは遠きにありて思ふもの
そして悲しくうたふもの
よしやうらぶれて異土の乞食となるとても
帰るところにあるまじや
　　　
　　　室生　犀星

涸沢から帰宅

午後5時15分、無事宅しました。

今朝は4時前に起きてトイレに行った後（すでに10人待ち！）はすぐに朝食の準備と撤収準備

涸沢の東空は雲で、それでも朝焼けを待つ大勢の人はカメラを構えていたのですが、

半分位下りてきた時にほんの数十秒ほどだけ淡い朝焼けを見せてくれました。

涸沢出発は横尾までのすれ違いの混雑を避ける為に6時前、

それでも横尾や徳沢に泊まったたくさんの人が続々と涸沢へ登って来ました。

横尾でカップラーメンを作っている頃には今日上高地に到着してきて、殺気立った顔で先を急いでいました。

その後は登山者の途切れる事はなく、

今日・明日は好天の見込みで最高の紅葉が見られる予想の為か、

待ち受ける困難を知ってか知らずでか･･･みなさん楽しそうにうれしそうに歩いていらっしゃいました。

ツアーと思われる団体さん以外のほぼ半分は幕営用のマットを担いでいて

今日のキャンプ場は殺人的な混雑となう事は間違いありません。

涸沢ヒュッテの宿泊者は、雨の28日でさえ布団1枚に3人だったので、

今日はナチスのガス室のようなぎゅうぎゅう詰めを「諦めて」楽しんでいると思われます。

朝方は曇っていたのですが、その後は青空が拡がり、

錆鉄人には想像すら出来ない地獄のような涸沢の一夜を耐えしのぐ人々に、

貴重なプレゼントになって良かったと思いました。

上高地に戻って来ました。

タクシーの相乗りを探していたのですが、見つからないのでバスに乗って発車待ちです。
今日は凄い人数の登山者とすれ違いました。
今日の涸沢は凄い混雑と思われます。