イラク戦争十年実行委員会が、外務省が公表した「対イラク武力行使に関する我が国の対応(検証結果)」に対して緊急声明を出す。
〈非戦を選ぶ演劇人の会〉は、〈外務省「対イラク武力行使に関する我が国の対応(検証結果)」に対する緊急声明〉に、賛同人として名を連ねることにした。
以下、本文。
……………………………………………………
内閣総理大臣 安倍 晋三 殿
参議院議長 平田 健二 殿
衆議院議長 伊吹 文明 殿
外務大臣 岸田 文雄 殿
外務省「対イラク武力行使に関する我が国の対応(検証結果)」に対する緊急声明 ―情報開示と政府による検証を求める
先週 12 月21 日、外務省は「対イラク武力行使に関する我が国の対応(検証結果)」として、2003年3 月に開戦したイラク戦争への、同省としての対応を検証したと公表した。一部報道では、「分厚い」報告書がまとめられたと報じられているが、公開されたのは、わずか4ページの要旨のみであった。これをもって日本のイラク戦争への対応が検証されたとはとても言えない。私たち市民団体とNGO は、以下の二点を求める。
1. 外務省の「検証」報告書の全文を公開すること
2. 外務省のみならず政府および国会における独立した第三者の検証委員会により検証が行なわれること
1.報告書の公開に関して
今回の「検証」報告書について、外務省は外交的配慮を理由に公開しないとしている。だが、日本に先駆けてイラク戦争への対応を検証したオランダでは、「国連決議1441 に基づくイラク攻撃は国際法違反」「オランダ政府のイラク戦争支持は誤り」として550 ページにわたる報告書が2010 年1月にまとめられ、公開されている。2009 年7 月から検証が開始され、来年中には最終報告がまとめられると見られるイギリスにおいても、独立した検証委員会がトニー・ブレア元首相を筆頭に当時の政府関係者への聴取や政府文書の開示を行い、それらは検証委員会のウェブサイトで公開されている。これらの先例にくらべ、今回の外務省の「検証」はあまりに閉鎖的であり、客観的な批判に耐えうるものとは言えない。そうした閉鎖性こそ、「イラクが大量破壊兵器を所有している」という誤った情報を開戦にいたるまで主張し続けることとなった原因のひとつである。報告書を公開し、一般(市民)からも広く意見を求めるべきである。
2.第三者の検証に関して
私たちは、今回の外務省の「検証」が、日本におけるイラク戦争検証の幕引きとされることを強く憂慮する。オランダやイギリスの検証は、政府の指示の下に、独立した検証委員会が、イラク戦争と自国の関与について多角的に検証しているものである。それに対し、今回の外務省の「検証」は、同省がイラクの大量破壊兵器に関する情報について、誤った情報しか持ち得なかったことを認めたにすぎない。
私たちは、政府と国会に対し、改めて以下のことを求める。
1)独立の「第三者検証委員会」を政府および国会のもとに設け、「イラク戦争支持の政府判断の是非」「自衛隊イラク派遣の判断の是非」「政府のイラク復興支援の適否」の3 点を検証すること。
同委員会が上記3 点についての情報開示や調査を行い、個人も含めた道義的・法的な責任の所在を明らかにすること。
2)「第三者検証委員会」による検証のプロセス、最終報告などが最大限公開され、誰にでもアクセスできるようにすること。
3)「第三者検証委員会」による最終報告を受けたうえで、日本政府としての見解を国内外に発表するとともに、必要とされる人道支援、被害者支援を行うこと。
イラク戦争の検証を行うことは、第166 回国会で内閣提出の法案第89号(イラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動の実施に関する特別措置法の一部を改正する法律案)可決の際の附帯決議で定められた国会の意思である。政府及び国会は、早期かつ内外の評価に充分耐えうる内容をもったイラク戦争の検証の実現に尽力すべきである。
2012 年12 月26 日
イラク戦争の検証を求めるネットワーク
(特活)日本イラク医療支援ネットワーク(JIM-NET)
(特活)日本国際ボランティアセンター(JVC)
ピースボート
非戦を選ぶ演劇人の会
WORLD PEACE NOW
……………………………………………………
と、沖縄では、宮城康博が、退任する森本防衛大臣が閣議後の記者会見で、普天間基地の辺野古移設について「軍事的には沖縄でなくても良いが、政治的に考えると、沖縄がつまり最適の地域である」と発言したことをを受けて、宜野湾市選出の県議・市議と、元民主党の県議と四人で政府に対する「要望書」を送付したという。
宛先および内容は下記の通り。
……………………………………………………
「普天間飛行場の辺野古移設を断念し県内移設なき即時返還を求める(要望)」の提出について
2012年12月25日に政権交代で退任する森本防衛大臣は閣議後の記者会見において、普天間飛行場の県内移設に関し「軍事的には沖縄でなくても良いが、政治的に考えると、沖縄がつまり最適の地域である」と発言した。
1996年のSACO最終報告以来、沖縄はこの問題で揺さぶられ続け、政治的にも大きな争点であり続けた。そうして今日では、移設先の地元である名護市のみならず、沖縄の41市町村長、全県議会議員が反対している状況である。
森本防衛大臣の発言は、これまで沖縄に対して説明してきた「軍事的」「地政学的」「抑止力」などの理由を斥け「政治的最適」としている。これは沖縄になら政治的に押し付けることができるという差別意識の露呈であり看過できるものではない。
このような発言を退任していく一大臣の放言と捉えるのではなく、私たちは日本政府の安全保障政策における沖縄に対する意識を鋭く表すものであると考えている。
私たち、普天間飛行場の存する宜野湾市選出の県議会議員そして市議会議員、移設先とされる名護市の元市議会議員、民主党連立政権が公約を反古にし辺野古移設に回帰することに反対し離党した元民主党所属の県議会議員、それぞれ四人は、緊急で抗議の意志を込め連名で政府に対し別紙「要望書」を提出するものである。
【要望書】
2012年12月27日
内閣総理大臣 安倍晋三
外務大臣 岸田文雄
防衛大臣 小野寺五典
内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策) 山本一太
普天間飛行場の辺野古移設を断念し県内移設なき即時返還を求める(要望)
2012年12月25日、森本防衛大臣は閣議後の記者会見において、在沖米海兵隊の航空基地である普天間飛行場の辺野古施設について「軍事的には沖縄でなくても良いが、政治的に考えると、沖縄がつまり最適の地域である」と発言した。
私たちは沖縄で生きる者として、この発言に憤りを禁じ得ない。
国政において先の総選挙で自民党が多数となり再び政権交代が成されたが、日本政府の姿勢は15年の長きに渡り普天間の「県内移設」ありきであり私たちは断じて容認できない。
これまで政府は、在沖米軍基地の存在を「地政学的」「軍事的」「抑止力」等で説明してきたが、そのことに対して沖縄は反論し抗議を重ねてきた。今般の森本発言では、普天間の辺野古移設が、これまで説明された「軍事的」理由ではなく「政治的に沖縄が最適の地域」という。これは沖縄の現状と、沖縄がこれまで正当な手続きを経て日本政府に対し意見してきたことを全て無視している暴論である。
2001年2月には沖縄県議会において全会一致で「海兵隊」に言及する兵力削減要求を決議し、相前後して各市町村議会で「海兵隊削減」要求が決議され、北谷町議会では「海兵隊撤退」要求にまで踏み込んだ決議をしている。
今年に入っては、海兵隊の装備変更に伴うMV-22オスプレイ配備について、沖縄県議会と沖縄県知事をはじめ沖縄の全自治体議会および市町村長が反対し、沖縄の民衆が猛抗議する中で普天間飛行場にMV-22オスプレイが配備強行された。
かかる海兵隊をめぐる沖縄での様々な経緯を無視して、海兵隊のMAGTFの機能を「政治的に許容できるところが沖縄にしかないので」(森本発言)辺野古移設を推進する、日本政府の認識は間違いである。直近の総選挙において当選した自民党公認の4氏も普天間飛行場の「県外移設」を公約している。沖縄県民の不退転の決意での県内移設への反対を無視し「政治的に最適」とする日本政府の行為を、私たち沖縄の民は「差別」と断じざる得ない。
普天間飛行場の移設地として沖縄が「政治的に最適」な地ではないことは火をみるより明らかだ。日本政府におかれては、現在進行中の普天間飛行場の辺野古移設に関わる一切の手続きを中断し、県内移設なき普天間飛行場返還に早急に取り組むことを要求する。
日米安全保障条約体制が米海兵隊のMAGTFの機能を必要とするならば、それらの機能と一括し普天間飛行場は「県外移設」すべきである。沖縄にそのような移設先はない。沖縄は1945年の沖縄戦以来、日本国の防衛のために犠牲と負担を強いられ続けている。ウチナーンチュは地上戦で地獄の惨禍を体験し、たくさんの同胞の尊い人命と財産を失い、普天間飛行場も戦中に米軍により土地を強奪されて造られた基地である。67年も経た、条件など付けず速やかに日本政府は普天間飛行場を閉鎖し普天間の土地を沖縄に返還すべきである。
以上、強く要望する。
新垣清涼(沖縄県議会議員)
桃原功(宜野湾市議会議員)
宮城康博(元名護市議会議員)
山内末子(沖縄県議会議員)
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ヤマトでも、沖縄でも、自民党新内閣に、言うべきことはきっちり言わせていただく。
〈非戦を選ぶ演劇人の会〉は、〈外務省「対イラク武力行使に関する我が国の対応(検証結果)」に対する緊急声明〉に、賛同人として名を連ねることにした。
以下、本文。
……………………………………………………
内閣総理大臣 安倍 晋三 殿
参議院議長 平田 健二 殿
衆議院議長 伊吹 文明 殿
外務大臣 岸田 文雄 殿
外務省「対イラク武力行使に関する我が国の対応(検証結果)」に対する緊急声明 ―情報開示と政府による検証を求める
先週 12 月21 日、外務省は「対イラク武力行使に関する我が国の対応(検証結果)」として、2003年3 月に開戦したイラク戦争への、同省としての対応を検証したと公表した。一部報道では、「分厚い」報告書がまとめられたと報じられているが、公開されたのは、わずか4ページの要旨のみであった。これをもって日本のイラク戦争への対応が検証されたとはとても言えない。私たち市民団体とNGO は、以下の二点を求める。
1. 外務省の「検証」報告書の全文を公開すること
2. 外務省のみならず政府および国会における独立した第三者の検証委員会により検証が行なわれること
1.報告書の公開に関して
今回の「検証」報告書について、外務省は外交的配慮を理由に公開しないとしている。だが、日本に先駆けてイラク戦争への対応を検証したオランダでは、「国連決議1441 に基づくイラク攻撃は国際法違反」「オランダ政府のイラク戦争支持は誤り」として550 ページにわたる報告書が2010 年1月にまとめられ、公開されている。2009 年7 月から検証が開始され、来年中には最終報告がまとめられると見られるイギリスにおいても、独立した検証委員会がトニー・ブレア元首相を筆頭に当時の政府関係者への聴取や政府文書の開示を行い、それらは検証委員会のウェブサイトで公開されている。これらの先例にくらべ、今回の外務省の「検証」はあまりに閉鎖的であり、客観的な批判に耐えうるものとは言えない。そうした閉鎖性こそ、「イラクが大量破壊兵器を所有している」という誤った情報を開戦にいたるまで主張し続けることとなった原因のひとつである。報告書を公開し、一般(市民)からも広く意見を求めるべきである。
2.第三者の検証に関して
私たちは、今回の外務省の「検証」が、日本におけるイラク戦争検証の幕引きとされることを強く憂慮する。オランダやイギリスの検証は、政府の指示の下に、独立した検証委員会が、イラク戦争と自国の関与について多角的に検証しているものである。それに対し、今回の外務省の「検証」は、同省がイラクの大量破壊兵器に関する情報について、誤った情報しか持ち得なかったことを認めたにすぎない。
私たちは、政府と国会に対し、改めて以下のことを求める。
1)独立の「第三者検証委員会」を政府および国会のもとに設け、「イラク戦争支持の政府判断の是非」「自衛隊イラク派遣の判断の是非」「政府のイラク復興支援の適否」の3 点を検証すること。
同委員会が上記3 点についての情報開示や調査を行い、個人も含めた道義的・法的な責任の所在を明らかにすること。
2)「第三者検証委員会」による検証のプロセス、最終報告などが最大限公開され、誰にでもアクセスできるようにすること。
3)「第三者検証委員会」による最終報告を受けたうえで、日本政府としての見解を国内外に発表するとともに、必要とされる人道支援、被害者支援を行うこと。
イラク戦争の検証を行うことは、第166 回国会で内閣提出の法案第89号(イラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動の実施に関する特別措置法の一部を改正する法律案)可決の際の附帯決議で定められた国会の意思である。政府及び国会は、早期かつ内外の評価に充分耐えうる内容をもったイラク戦争の検証の実現に尽力すべきである。
2012 年12 月26 日
イラク戦争の検証を求めるネットワーク
(特活)日本イラク医療支援ネットワーク(JIM-NET)
(特活)日本国際ボランティアセンター(JVC)
ピースボート
非戦を選ぶ演劇人の会
WORLD PEACE NOW
……………………………………………………
と、沖縄では、宮城康博が、退任する森本防衛大臣が閣議後の記者会見で、普天間基地の辺野古移設について「軍事的には沖縄でなくても良いが、政治的に考えると、沖縄がつまり最適の地域である」と発言したことをを受けて、宜野湾市選出の県議・市議と、元民主党の県議と四人で政府に対する「要望書」を送付したという。
宛先および内容は下記の通り。
……………………………………………………
「普天間飛行場の辺野古移設を断念し県内移設なき即時返還を求める(要望)」の提出について
2012年12月25日に政権交代で退任する森本防衛大臣は閣議後の記者会見において、普天間飛行場の県内移設に関し「軍事的には沖縄でなくても良いが、政治的に考えると、沖縄がつまり最適の地域である」と発言した。
1996年のSACO最終報告以来、沖縄はこの問題で揺さぶられ続け、政治的にも大きな争点であり続けた。そうして今日では、移設先の地元である名護市のみならず、沖縄の41市町村長、全県議会議員が反対している状況である。
森本防衛大臣の発言は、これまで沖縄に対して説明してきた「軍事的」「地政学的」「抑止力」などの理由を斥け「政治的最適」としている。これは沖縄になら政治的に押し付けることができるという差別意識の露呈であり看過できるものではない。
このような発言を退任していく一大臣の放言と捉えるのではなく、私たちは日本政府の安全保障政策における沖縄に対する意識を鋭く表すものであると考えている。
私たち、普天間飛行場の存する宜野湾市選出の県議会議員そして市議会議員、移設先とされる名護市の元市議会議員、民主党連立政権が公約を反古にし辺野古移設に回帰することに反対し離党した元民主党所属の県議会議員、それぞれ四人は、緊急で抗議の意志を込め連名で政府に対し別紙「要望書」を提出するものである。
【要望書】
2012年12月27日
内閣総理大臣 安倍晋三
外務大臣 岸田文雄
防衛大臣 小野寺五典
内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策) 山本一太
普天間飛行場の辺野古移設を断念し県内移設なき即時返還を求める(要望)
2012年12月25日、森本防衛大臣は閣議後の記者会見において、在沖米海兵隊の航空基地である普天間飛行場の辺野古施設について「軍事的には沖縄でなくても良いが、政治的に考えると、沖縄がつまり最適の地域である」と発言した。
私たちは沖縄で生きる者として、この発言に憤りを禁じ得ない。
国政において先の総選挙で自民党が多数となり再び政権交代が成されたが、日本政府の姿勢は15年の長きに渡り普天間の「県内移設」ありきであり私たちは断じて容認できない。
これまで政府は、在沖米軍基地の存在を「地政学的」「軍事的」「抑止力」等で説明してきたが、そのことに対して沖縄は反論し抗議を重ねてきた。今般の森本発言では、普天間の辺野古移設が、これまで説明された「軍事的」理由ではなく「政治的に沖縄が最適の地域」という。これは沖縄の現状と、沖縄がこれまで正当な手続きを経て日本政府に対し意見してきたことを全て無視している暴論である。
2001年2月には沖縄県議会において全会一致で「海兵隊」に言及する兵力削減要求を決議し、相前後して各市町村議会で「海兵隊削減」要求が決議され、北谷町議会では「海兵隊撤退」要求にまで踏み込んだ決議をしている。
今年に入っては、海兵隊の装備変更に伴うMV-22オスプレイ配備について、沖縄県議会と沖縄県知事をはじめ沖縄の全自治体議会および市町村長が反対し、沖縄の民衆が猛抗議する中で普天間飛行場にMV-22オスプレイが配備強行された。
かかる海兵隊をめぐる沖縄での様々な経緯を無視して、海兵隊のMAGTFの機能を「政治的に許容できるところが沖縄にしかないので」(森本発言)辺野古移設を推進する、日本政府の認識は間違いである。直近の総選挙において当選した自民党公認の4氏も普天間飛行場の「県外移設」を公約している。沖縄県民の不退転の決意での県内移設への反対を無視し「政治的に最適」とする日本政府の行為を、私たち沖縄の民は「差別」と断じざる得ない。
普天間飛行場の移設地として沖縄が「政治的に最適」な地ではないことは火をみるより明らかだ。日本政府におかれては、現在進行中の普天間飛行場の辺野古移設に関わる一切の手続きを中断し、県内移設なき普天間飛行場返還に早急に取り組むことを要求する。
日米安全保障条約体制が米海兵隊のMAGTFの機能を必要とするならば、それらの機能と一括し普天間飛行場は「県外移設」すべきである。沖縄にそのような移設先はない。沖縄は1945年の沖縄戦以来、日本国の防衛のために犠牲と負担を強いられ続けている。ウチナーンチュは地上戦で地獄の惨禍を体験し、たくさんの同胞の尊い人命と財産を失い、普天間飛行場も戦中に米軍により土地を強奪されて造られた基地である。67年も経た、条件など付けず速やかに日本政府は普天間飛行場を閉鎖し普天間の土地を沖縄に返還すべきである。
以上、強く要望する。
新垣清涼(沖縄県議会議員)
桃原功(宜野湾市議会議員)
宮城康博(元名護市議会議員)
山内末子(沖縄県議会議員)
……………………………………………………
ヤマトでも、沖縄でも、自民党新内閣に、言うべきことはきっちり言わせていただく。