もう「第18回」となる、 劇作家協会新人戯曲賞・公開審査会。応募総数200本から選出された最終候補作は6本。最終選考委員は川村毅(司会)、坂手洋二・佃典彦・土田英生・マキノノゾミ・横内謙介・渡辺えり。最終候補作全文掲載の「優秀新人戯曲集2013」(ブロンズ新社)は先月半ばに発売されている。多くの「賞」が追随したこの「公開審査」「事前に候補作出版」を発明したのは私だが、編集者でもある劇作家小松幹生さんの力がなければ実現していない。事前に候補作をホームページに載せるところはあるが出版はさすがに誰も真似できないのだ。審査員を応募者が選ぶという仕組みも同時に始めたが(これもよそは真似できない)、毎年審査員の顔ぶれが固定してきているのは不思議だ。……夕方、協会劇場部・企画事業部・リーディング部の合同会議があり、その寸前まで候補作を読んで思い悩む。公開審査は審査員みんな真摯に取り組むので結構消耗する。昨年は高水準作が目白押しで、おおむね褒める中での差異についての議論だったが、今年はいろいろと評価が分かれた。候補者には知り合いもいるので、公開審査ゆえの苦衷もある。受賞したのは原田ゆうさんの『見上げる魚と目が合うか?』。原田さんは女性と勘違いしていた審査員もいたが男性で、イデビアン・クルー所属のダンサーでもある。今年の岸田戯曲賞の矢内原美邦に続いて、ダンス系劇作家の躍進。原田さんは矢内原作品にも出演していたようだ。……授賞式。引き続き同会場で協会忘年会。盛況。会長としては、この厳しい時代にこうして劇作家はじめ演劇関係者が集うことのできるありがたさと、何を大切にしていくかが問われている現実を踏まえて、挨拶。仲間は、ありがたい。落選した候補者に用意したノートを手に懇々と「何がいけなかったか」を諭す佃くんの情熱。マキノさんや中津留くんと久しぶりにいっぱい喋った。
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