Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

燐光群最新作『ゴンドララドンゴ』のモデルとなった会社・西部工業の人たち

2016-07-20 | Weblog
燐光群最新作『ゴンドララドンゴ』は、この劇の出演者で劇団員である猪熊恒和が1984年から所属していた会社をモデルとしている。
まあ本人がいて、本人の話をもとにしているので、そう言ってもいいだろう。
その会社は、西部工業という名前だ。
私が1981年に所属した劇団〈転位・21〉には、俳優の藤井びん、木之内頼仁両氏がいて、彼らが西部工業に属していた。
藤井びんに「コンマ戦争」という言葉を聞いたのはこの頃だ。
そして当時〈夢の遊眠社〉にいて、やがて〈転位・21〉にも出演する脇園弘康氏がいて、彼と親しくなったので、1983年に〈燐光群〉を旗揚げし、その新人俳優である土田修二を強引に頼み込んで西部工業に入れて貰った。
1984年には、また脇園氏に頼み込んで、〈燐光群〉に入団したばかりの猪熊恒和を入れて貰った。
〈燐光群〉からは、今や「チンドンの玉三郎」として知られる吉野茂も、仕事していた。
〈燐光群〉に関わった連中では、伊藤洋一、舞踏もやる石丸徳秀もいたはずだ。豊田勇二もバイトしていた。
私自身は別なバイトをやっていたので、この会社のお世話にはならなかった。というか、当時、劇団員が関わりすぎていたせいもあるし、先輩がいるのが面倒な感じもしたのだろう。
しかし、いろいろな人がいた。当時のアングラ小劇場のめんめんとしては、悪源太義平、有園芳記、久保酎吉各氏といった人たちもいた。いっとき宮島健、栗原茂といった人たちもいたようだ。
美術系の大久保裕己氏に続いて社長になるのが、演劇団の新白石氏である。
ミュージシャンも多くいた、生活向上委員会の原田依幸氏には燐光群の公演のために音楽も作ってもらった。彼は富士山でビアのを演奏したりの過激なパフォーマンスで知られていた。
音楽界では山岡道広氏、田中進氏、前田隆氏といった人たちもいた。
そして暗黒舞踏の人たちもいて、神領国資氏とは親しくなっていろんな話をした。杉田丈作氏もいた。

記憶間違いがあったらごめんなさい。

今日の昼の部に、藤井びん氏が来てくれた。(写真 左・藤井氏 右・猪熊恒和)

びんさんから「コンマ戦争」を聞いたのも夏だったはずで、あれから三十五年、なんとも不思議なことである。

そんなこんなで大注目の『ゴンドララドンゴ』、お見逃しなく。


劇場でお待ちしています。


〈パンフレットの坂手洋二あいさつ〉

タルコフスキーの映画『ノスタルジア』に、温泉地の、蒸気が漂う岩場で、ある場所の端から端までローソクを持って渡りきるという無意味な行為を達成することで「世界を救うことができる」と主人公が信じ、それを試みる場面があった。
たかだか個人が自分の気まぐれな所業で「世界を救うことができる」と信じるのは傲慢だし、また、それはある意味無責任な「狂気」である。
私たちは、自分一人の一つの選択や判断で世界が大きく影響されることなどないと知っているし、ふだんからそう思っている。
現実に「自分一人が選挙に行かなくたって、結果は変わらない」と思う人たちが多くいる所以である。しかし、投票という行為そのものは事実として「一票」をカウントさせることができる。数字が一つ付け加わる。世界に影響を確実に与えている。
世界との繋がりを感じ、確かめるために投票に行く、という考え方だってあっていい。自分一人の「1」という単位の行為の結果、ごくごく僅かだとしても、現象としての世界は変わるのだ。
「この世界はどうして存在するのか」と、ふと感じる瞬間は、誰でも持っているはずだ。未来と過去と、まさにこの空間があること、そしてそれを自分の身が感受できているという、現実。
表現という行為の中で、そうした感覚と「数字を一つ増やす」というような客観事実が繋がり得ることを、私たちはどこかで信じている。

自分の命と引換えに何かができる、という考え方がある。その人は命と引換えに何ごとかをするのだから、ある意味、怖い物知らずで、無責任である。まわりの者たちは、迷惑である。
自分の命と引換えに「世界を救う」という考え方は、狂気である。「数字を一つ増やす」客観性への信頼を、拒否しているともいえる。
だが、産まれたばかりの赤ん坊にとっては、おのれの感覚じたいが、世界そのものだ。赤ん坊が泣くとき、かれは、全世界の求めに応じて、泣いているのだ。
やがて私たちは成長し、自己と他者の違いを発見し、言葉を獲得し、世界の枠組みを認識し、赤ん坊時代とは逆に、自分は一人ぶんの「1」でしかないことを受け入れていく。
演劇とは、表現行為とは、そうした客観を揺り動かして、決して赤ん坊に戻ることはできない私たちが、大人になってしまった身心と身につけてしまった論理を解いて、あらためて世界を受容する、どのようなものになるかわからないその感覚と出会い直すための「機能」を持っているのではないかと思う。
そのために私たちの存在を舞台上に差し出すくらいのことは、できるはずだ。
命と引換えにというようなことには、考えも及ばないが。

今回、「どういうきっかけでこの劇を作ることになったのですか」と問われて、答えるのが難しかった。もちろん劇の中身については企画書やチラシ等の宣材にも書いてある。助成金を貰うための書類にも内容は記した。
だが、実際にはこの劇の創作は、自分たち自身の、そして33年続いている劇団生活じたいの、「潜在意識」に潜り込み、浮上してくる何かを取り出すような過程を経てきたのではないか。と、今になっては思う。そのための触媒として、この極めて単純な物語が浮上してきたということだろう。
お楽しみいただければ幸いです。

(『ゴンドララドンゴ』当日上演パンフレットより)


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朝日新聞記事
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12460449.html?rm=150

毎日新聞記事
http://mainichi.jp/articles/20160707/dde/012/200/042000c


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ゴンドララドンゴ
“Go-n-do-la, La-do-n-go”

作・演出○坂手洋二

7月16日(土)~ 31日(日)
下北沢ザ・スズナリ

1980年代末、東京。ゴンドラやブランコに乗って、ビルのガラス清掃、外壁補修等、高所作業を業務の中心とする会社があった。全員が同じ時給、出勤は自己申告、「原始共産制」を標榜する自由な気風の中、社員の半数は俳優や音楽・美術等のアーティストだった。仕事のこと、未来のこと、さまざまな問題でぶつかり、通じ合う仲間たち。「昭和」「バブル」の終焉を経て、彼ら、そして家族たちは、さまざまな選択をしてゆく。

そして現在。私は、幼い頃、横書きされていた「ゴンドラ」という文字列を逆に読んだ記憶を頼りに、思いがけず、父たちの時代と出会い直すことになった。

日本社会は、どのような経緯をたどって現在の状態にあるのか。それを1990年前後の「バブル」の時期、そしてそれが変容していく象徴的な社会事件の多かった「95年」前後、そうした時期を舞台に描き出します。


川中健次郎 
猪熊恒和 
大西孝洋  
杉山英之
武山尚史 
山村秀勝
尾崎太郎
 
都築香弥子
中山マリ 
樋尾麻衣子
百花亜希
田中結佳 
宗像祥子
秋定史枝 
大浦恵実

円城寺あや


照明○竹林功(龍前正夫舞台照明研究所)
音響○島猛(ステージオフィス)
舞台監督○森下紀彦
美術○じょん万次郎
衣裳○小林巨和  
アクション指導○佐藤正行
振付○矢内原美邦 
演出助手○村野玲子
文芸助手○清水弥生 久保志乃ぶ
美術助手○ 鈴木菜子
小道具応援○鴨川てんし
宣伝意匠○高崎勝也
写真・映像○姫田蘭
協力○オフィス・ミヤモト さんらん DULL-COLORED POP
制作インターン○寺島久美子(オイスターズ)
制作○古元道広 近藤順子

平日19:00開演
ただし 7/20(水)・7/28(木)は14:00 / 19:00
日曜・祝日は14:00
土曜日は14:00 / 19:00

受付開始○開演の40分前 開場○開演の20分前 

開演直前・直後は(一時的に)ご入場を制限させて頂く場合がございます。
未就学児のご入場はご遠慮下さい。


【全席指定】
一般前売3,600円 ペア前売6,600円 当日4,000円
大学・専門学校生&U-25(25歳以下)2,500円 
高校生以下1,500円
※学生、U-25は、前日までに電話またはメールでご予約の上、当日受付にて要証明書提示。

前売開始○6月19日(日) 11:00

★燐光群オンラインチケット(一般・ペア前売のみ)
http://rinkogun.com 
24時間いつでもホームページ上でご予約頂き、セブンイレブンでチケットをお受け取り頂けます。
お支払いは現金(セブンイレブン)、またはクレジットカードとなります(手数料はお客様負担)。
※会員登録(無料)が必要です。 

★ご予約・お問合せ○燐光群/(有)グッドフェローズ 
03-3426-6294 ticket-rinkogun@ee.alles.or.jp  
①<お名前/電話番号/希望日時/チケットの種類と枚数>をお伝え下さい。
こちらからのお返事を以てご予約とさせて頂きます。
②当日、開演の15分前までに受付にお越し下さい。代金と引換でチケットを
お渡しします。
開演の10分前までにご精算頂けない場合は、あらかじめご用意したお席にご案内できない場合がございます。
※キャンセル・日時変更はできません。 

主催○有限会社グッドフェローズ

http://rinkogun.com/gondola_ladongo.html
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『ゴンドララドンゴ』今夜のアフタートークゲストは Aya Ogawa

2016-07-20 | Weblog
『ゴンドララドンゴ』今夜7/20(水)のアフタートークゲストは Aya Ogawa さん。

Aya Ogawaは燐光群が1999年に上演した『天皇と接吻』のヒロインである。

アヤさんは、坂手洋二・岡田利規・小池博史らの作品を翻訳する他、自身の作品として昨年はThe Play Companyの製作により『LUDIC PROXY』を作・演出し、WalkerSpaceで上演されるなど、ニューヨークで作家・演出家・翻訳家として活躍している。

ぜひぜひお話を聞いていただければと思います。

写真は、都築香弥子・大西孝洋の、珍しい?、ラブシーン?!です。はい。

劇場でお待ちしています。


〈パンフレットの坂手洋二あいさつ〉

タルコフスキーの映画『ノスタルジア』に、温泉地の、蒸気が漂う岩場で、ある場所の端から端までローソクを持って渡りきるという無意味な行為を達成することで「世界を救うことができる」と主人公が信じ、それを試みる場面があった。
たかだか個人が自分の気まぐれな所業で「世界を救うことができる」と信じるのは傲慢だし、また、それはある意味無責任な「狂気」である。
私たちは、自分一人の一つの選択や判断で世界が大きく影響されることなどないと知っているし、ふだんからそう思っている。
現実に「自分一人が選挙に行かなくたって、結果は変わらない」と思う人たちが多くいる所以である。しかし、投票という行為そのものは事実として「一票」をカウントさせることができる。数字が一つ付け加わる。世界に影響を確実に与えている。
世界との繋がりを感じ、確かめるために投票に行く、という考え方だってあっていい。自分一人の「1」という単位の行為の結果、ごくごく僅かだとしても、現象としての世界は変わるのだ。
「この世界はどうして存在するのか」と、ふと感じる瞬間は、誰でも持っているはずだ。未来と過去と、まさにこの空間があること、そしてそれを自分の身が感受できているという、現実。
表現という行為の中で、そうした感覚と「数字を一つ増やす」というような客観事実が繋がり得ることを、私たちはどこかで信じている。

自分の命と引換えに何かができる、という考え方がある。その人は命と引換えに何ごとかをするのだから、ある意味、怖い物知らずで、無責任である。まわりの者たちは、迷惑である。
自分の命と引換えに「世界を救う」という考え方は、狂気である。「数字を一つ増やす」客観性への信頼を、拒否しているともいえる。
だが、産まれたばかりの赤ん坊にとっては、おのれの感覚じたいが、世界そのものだ。赤ん坊が泣くとき、かれは、全世界の求めに応じて、泣いているのだ。
やがて私たちは成長し、自己と他者の違いを発見し、言葉を獲得し、世界の枠組みを認識し、赤ん坊時代とは逆に、自分は一人ぶんの「1」でしかないことを受け入れていく。
演劇とは、表現行為とは、そうした客観を揺り動かして、決して赤ん坊に戻ることはできない私たちが、大人になってしまった身心と身につけてしまった論理を解いて、あらためて世界を受容する、どのようなものになるかわからないその感覚と出会い直すための「機能」を持っているのではないかと思う。
そのために私たちの存在を舞台上に差し出すくらいのことは、できるはずだ。
命と引換えにというようなことには、考えも及ばないが。

今回、「どういうきっかけでこの劇を作ることになったのですか」と問われて、答えるのが難しかった。もちろん劇の中身については企画書やチラシ等の宣材にも書いてある。助成金を貰うための書類にも内容は記した。
だが、実際にはこの劇の創作は、自分たち自身の、そして33年続いている劇団生活じたいの、「潜在意識」に潜り込み、浮上してくる何かを取り出すような過程を経てきたのではないか。と、今になっては思う。そのための触媒として、この極めて単純な物語が浮上してきたということだろう。
お楽しみいただければ幸いです。

(『ゴンドララドンゴ』当日上演パンフレットより)


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朝日新聞記事
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12460449.html?rm=150

毎日新聞記事
http://mainichi.jp/articles/20160707/dde/012/200/042000c


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ゴンドララドンゴ
“Go-n-do-la, La-do-n-go”

作・演出○坂手洋二

7月16日(土)~ 31日(日)
下北沢ザ・スズナリ

1980年代末、東京。ゴンドラやブランコに乗って、ビルのガラス清掃、外壁補修等、高所作業を業務の中心とする会社があった。全員が同じ時給、出勤は自己申告、「原始共産制」を標榜する自由な気風の中、社員の半数は俳優や音楽・美術等のアーティストだった。仕事のこと、未来のこと、さまざまな問題でぶつかり、通じ合う仲間たち。「昭和」「バブル」の終焉を経て、彼ら、そして家族たちは、さまざまな選択をしてゆく。

そして現在。私は、幼い頃、横書きされていた「ゴンドラ」という文字列を逆に読んだ記憶を頼りに、思いがけず、父たちの時代と出会い直すことになった。

日本社会は、どのような経緯をたどって現在の状態にあるのか。それを1990年前後の「バブル」の時期、そしてそれが変容していく象徴的な社会事件の多かった「95年」前後、そうした時期を舞台に描き出します。


川中健次郎 
猪熊恒和 
大西孝洋  
杉山英之
武山尚史 
山村秀勝
尾崎太郎
 
都築香弥子
中山マリ 
樋尾麻衣子
百花亜希
田中結佳 
宗像祥子
秋定史枝 
大浦恵実

円城寺あや


照明○竹林功(龍前正夫舞台照明研究所)
音響○島猛(ステージオフィス)
舞台監督○森下紀彦
美術○じょん万次郎
衣裳○小林巨和  
アクション指導○佐藤正行
振付○矢内原美邦 
演出助手○村野玲子
文芸助手○清水弥生 久保志乃ぶ
美術助手○ 鈴木菜子
小道具応援○鴨川てんし
宣伝意匠○高崎勝也
写真・映像○姫田蘭
協力○オフィス・ミヤモト さんらん DULL-COLORED POP
制作インターン○寺島久美子(オイスターズ)
制作○古元道広 近藤順子

平日19:00開演
ただし 7/20(水)・7/28(木)は14:00 / 19:00
日曜・祝日は14:00
土曜日は14:00 / 19:00

受付開始○開演の40分前 開場○開演の20分前 

開演直前・直後は(一時的に)ご入場を制限させて頂く場合がございます。
未就学児のご入場はご遠慮下さい。


【全席指定】
一般前売3,600円 ペア前売6,600円 当日4,000円
大学・専門学校生&U-25(25歳以下)2,500円 
高校生以下1,500円
※学生、U-25は、前日までに電話またはメールでご予約の上、当日受付にて要証明書提示。

前売開始○6月19日(日) 11:00

★燐光群オンラインチケット(一般・ペア前売のみ)
http://rinkogun.com 
24時間いつでもホームページ上でご予約頂き、セブンイレブンでチケットをお受け取り頂けます。
お支払いは現金(セブンイレブン)、またはクレジットカードとなります(手数料はお客様負担)。
※会員登録(無料)が必要です。 

★ご予約・お問合せ○燐光群/(有)グッドフェローズ 
03-3426-6294 ticket-rinkogun@ee.alles.or.jp  
①<お名前/電話番号/希望日時/チケットの種類と枚数>をお伝え下さい。
こちらからのお返事を以てご予約とさせて頂きます。
②当日、開演の15分前までに受付にお越し下さい。代金と引換でチケットを
お渡しします。
開演の10分前までにご精算頂けない場合は、あらかじめご用意したお席にご案内できない場合がございます。
※キャンセル・日時変更はできません。 

主催○有限会社グッドフェローズ

http://rinkogun.com/gondola_ladongo.html
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