拙作『現代能楽集 三人姉妹』が、セブ島で学生たちによって上演中。ロディ・ヴェラ翻訳によるタガログ語版。
セブには二度ほど行っているが、取材のためで、そのとき演劇関係者には会っていない。
『現代能楽集 三人姉妹』は、十年くらい前、フィリピン演劇界の劇作家リーダーであるロディたちがマニラの国立劇場で毎夏開催する〈ヴァージン・ラボ・フェスティバル〉で、この戯曲が上演され、フィリピンでその年ベストスリーに入る評価を受けている。
その後ロディは『現代能楽集 三人姉妹』を演劇を学ぶ学生たちの卒業公演で上演してくれていて、なんだかかの国ではよく上演されるようになっているのである。チェーホフの原本があるから親しみやすいのと、長すぎず、劇場が舞台という設定なので、上演しやすいのだろう。
燐光群に書き下ろしをしてくれたり、俳優としても何度も出演してくれているロディだが、東京国際映画祭で複数の受賞をした映画『ダイ・ビューティフル』で、いまや映画人としても高評価を受けている。
『屋根裏』も韓国の学生たちによってよく上演されているし、さいきんも香港、台湾で上演されている。
いろいろな国で戯曲を上演してもらえることは、劇作家ならではの恩恵で、ありがたいことである。